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ゲームルーム[L]

20200229_1

!SYSTEM
ルトヴィークが入室しました
!SYSTEM
アウラが入室しました
ルトヴィーク
服の買い出し回、な感じで
アウラ
お待たせしました
分かりました、それで参りましょう
ルトヴィーク
大丈夫。昨日付き合わせたし
じゃあ、はじめるよ
アウラ
はい
 
 
 
 
 
 
――服を買いに行こう。
あの日にした約束のひとつで、アウローラが言ってた事だ。
俺はあんまり大事なものだとは思ってなかったけど、それでも、そうしたいと思われたのなら断る理由もなかった。
 
――王都イルスファール、アステリア神殿前。
この日の王都の空は雲一つ無いほどに晴れ渡っており、綺麗な空色が広がっていた。
抜ける様な快晴が広がる空の下、どこからかやってきた1人の青年が神殿へと踏み込んでいく。
普段着、というにはやや見すぼらしい、よれたコートと使い古されたインナーを纏った青年は、
先日訪れた少女を迎えに この神殿までやってきていた。
ルトヴィーク
ローラに会いたいと神官に声をかけると、すぐに案内された。
少しだけ顔を見せて、ゆっくりと撫でてやって。そのまま、アウローラを待つ。
時間は、多分まだ少し早い。ローラの所で待っているとは伝えてあるから、もうしばらくすればやってくるだろう。
――っと」 撫で方が雑だったのだろうか。手を引っ掻いて小さく唸ったローラに少し驚きながら放してやる。
ルトヴィーク
ここからはいつでも。
 
放されたローラがぴくっと扉の方へ反応を示す
落ち着いた足取りで 神官服姿のまま、彼の待ち人は裏口から現れた
アウラ
「ご機嫌よう、ルトヴィーク」 柔和な笑みを浮かべて 駆け寄ってくるローラを両手で抱えあげると 青年に声をかける
ルトヴィーク
「ああ、」 その声に視線を向け、長く伸ばされたままの黒髪の隙間から、鉄色の瞳がアウラを見つめた。 
「会いたかった」 頷いて、ローラに構う際に屈んでいた身体を立たせて、正面にアウラを捉える。
アウラ
「ローラに会いに来る日でしたわね」 ふふ、と笑って
ルトヴィーク
「ローラにもだけど、アウローラにも」 首を横に振って、じっとアウラの服を確認する。今日はいつもの(神官服)なんだな。
アウラ
「ああ…、そうでしたか。今日でしたわね」 あ、という顔になって 「すみません。まだ仕事が残っていまして」
「もうしばらくローラの相手をして過ごして頂けませんか?、終わり次第準備します」
ルトヴィーク
「大丈夫」 もう一度首を横に振って、続いた言葉に頷いた。 「解った。ここで待ってる」
鼻先に届こうとする前髪を疎ましそうに軽く払って、むず痒くなってしまった鼻を掻く。
アウラ
「……そろそろ、切ったほうが良いかもしれませんわね」
ルトヴィーク
「……」 視線を逸らして 「少しだけね」
アウラ
片腕でローラを保持しつつ ルトヴィークの髪を整えるように指で払って
ルトヴィーク
伸ばされた手に、少し躊躇ってから眼を伏せて 「……」 言おうか言うまいか、悩む様に言葉を詰まらせる。
アウラ
「どうされました?」
ルトヴィーク
「……なんでもない。仕事、いかなくていいの」
アウラ
元々表情に乏しいが、最近だとそれがよく分かる様になってきた 「ああ、そうでした…では、ローラをお願いしますわね」 大人しく抱えられていたローラをルトヴィークへ預けて
ルトヴィーク
「……」 ローラを受け取って、まだ少し覚束ない手で抱える。腕からは不満そうな声が漏れているかもしれない。
ひとつ、ふたつと口を開こうとして、それを止めて 「……いってらっしゃい」 絞り出すように見送る。
アウラ
「はい。行ってきます」 微笑みを返して
裏口に姿を消していった
アウラ
すみません、少しお手洗いに
ルトヴィーク
いってらっしゃい
ルトヴィーク
背を見送って、その場に腰を下ろすと
できないな、と小さく呟きながら俯いた。腕の中のローラと目が合えば、ローラは呆れた様にしていた。
ルトヴィーク
こっちは後は合流後、で大丈夫だよ
アウラ
戻りました
はい
 
 
 
ローラと過ごして、しばらくしてから
茶色のジャケットに薄い白いセーター 黒いロングスカートにショートブーツ 首元に白いマフラーを巻いたアウラが姿を現す
「お待たせしました」
アウラ
ゆっくりと声の方へと向けば 小さなハンドバックを持って アウラが笑っている
ルトヴィーク
船を漕ぎそうな程、ゆっくりとした時間が流れていて 腕の中のローラと一緒に眠りそうになっていたけれど、
やって来る音に先に気付いたローラが、腕の中で動くものだから、やってきた事に気付いていた。
「……おかえり」 たるん、とした視線を向けながら、ローラを離してやって ゆっくりと腰を上げる。
アウラ
「さて、参りましょうか……先に食事でもいいですが」 時刻は昼頃です、とアウラが告げて
程なくしてやってきた神官がローラを回収すると そのまま姿を消す
ルトヴィーク
「アウローラがしたい方でいいよ。……またな」 ローラに一言告げて見送り
「でも、働いてきたんでしょ。先に食べようか」
アウラ
「では…」 んー、と 軽く、考え込む素振りを見せて
「商業区のお店と、"星の標"、どちらがいいですか?」
ルトヴィーク
アウローラと一緒なら、どっちでもいいよ。そう言葉にしようとして、
「……じゃあ、」 思いついた様に頷いた。 「覚えてる? ……ローラが来た時に行った、あの店」
「首輪を待ってる時に入った場所。……あそこがいい」
アウラ
「分かりました」 あの時の事を思い出して 少し笑顔になるまで間があったが 了承するように頷いて
ルトヴィーク
「……?」 「どうしたの」
アウラ
「覚えていらっしゃいませんか?、あの時、あのお店で」
「ご自分の話をされたとき、痛みを感じられない事を証明するために、思い切り頬を叩いていた事を」
ルトヴィーク
「……」 それは記憶にある。あるが、 「……見られてたっけ、そういえば」
アウラ
「まあ、大丈夫です。少し前の事ですから」 ふふ、と笑って
「ただ、思い出してしまっただけなので」
「もうしない、と言って頂けましたが」
ルトヴィーク
「変えてもいいんだ。アウローラと行った場所だから、覚えてただけだし――、うん?」
アウラ
「その言葉を忘れないようにして下さいね」 ルトヴィークの頬に触れて
「いえ、そのお店にしましょう」
ルトヴィーク
「……うん」 触れた手に、自分の手を重ねながら 続いた言葉と、それぞれに頷いた。
アウラ
「では参りましょうか」
ルトヴィーク
「ああ、行こう」 そっと手を離して、今度はアウローラの隣を、アウローラのペースで歩んで出て行った。
 
 
ゆっくりと歩を進めて――道中、道を完全に覚えていなかったルトヴィークが道を何度か間違えはしたものの――問題なく、件の喫茶店へとやって来る。
昼食時という事もあり、やはり店内はそれなりに人が多い。アウラの姿を見れば、それを気にする者も少なくはない事だろう。
それはその隣に立つ首輪付きについても、無論同じ事ではある。
聞こえてしまい兼ねない都合か、首輪付きだ、と言葉にするものこそいなかったが、
店内の視線は、そのいくつかが二人へと向けられていた。
以前と同じ店員に、以前と同じ席へと案内され、アウラとルトヴィークにはそれぞれメニューが示された。
アウラ
ジャケットとチップを預けて 「ランチメニューを1つ。飲み物はこちらの銘柄の紅茶を」 
ルトヴィーク
「……同じのを、もうひとつ」
席についても上着を脱がずにいたが、アウラの様子にゆっくりと真似をしておいた。
アウラ
店員が去るのを確認してから 一つ息をついて
ルトヴィーク
時折、アウラの瞳を覗く様に視線を向けながら 見慣れない格好を、ゆっくりと――じろじろと観察する。
「……?」
アウラ
「店員は行き届いたお店ですわね」 苦笑するように 「…どうされました」 ニット生地の薄めの白いセーター姿で 首をかしげる
ルトヴィーク
どういう意味だろう。首を傾げながら、
アウラ
「覚えていらっしゃらないかもしれませんが、」
「以前来たとき、席まで案内してくださった方と同じ店員さんでした」
ルトヴィーク
「いつもの服と違うから、何か……」 そわそわする、のだが。その言葉は見つけられない。
「……あの時は、ローラもいたから。見れてなかったな」
アウラ
「…ああ、いかがですか?」 胸元に手を当てつつ 感想を求めるように笑って
「悪目立ちする客というのは記憶に残ってしまうものですが、」
「嫌な顔を見せる素振りもしていなかったので、ちゃんとした店員を雇っていらっしゃるのだなと、そう思ったのです」
ルトヴィーク
「……」 どう。どう? 暫く固まったまま、じっと胸元に当てられた手を見つめる。
「……俺は嫌いじゃないよ」 頷いて、その服、と示した。
「…………」 悪目立ち。頬を殴った時の事を思い返して、それでアウローラも悪く見られるのは気分が良くないな、と ぼんやりと考えた。
アウラ
「その感想を受け取るとしましょうか」 苦笑して
嫌いじゃないと好きは違うと言ったこともあったが、やはりそういった表現になるのは仕方ないのかもしれない、と
「服もそうですが、」 話題を変えるように 「髪はどうしましょうか」
ルトヴィーク
苦笑した様子に、言い淀む様に口を結んだ。 「……髪は」
「あんまり」 少し俯けば、前髪が覆う様に瞳を隠す。
アウラ
「そうですわね……」 少し考えて
「ご案内するのは、出来るのですが」
「ただ、今回は冒険してみましょう、ルトヴィーク」
「ご自分で、散髪してもらえるところを探して、整えて貰ってみて下さい」
ルトヴィーク
「…冒険?」
「散髪…」 困った様に呟いて 「切らないと駄目?」
アウラ
「目に髪が入ると、目を悪くしますし」
「戦いの最中に目に入っても嫌でしょう?」
「次の仕事に出るまでに、整えて置いたほうがいいです」
ルトヴィーク
ぎこちなく頭を上げて、視線を合わせる。
「……できたら、やっておく」
アウラ
「はい」 頷くようにして
アウラ
ここで切って
次は店を出て買いに行くところから始めてもいいですわね
ルトヴィーク
ああ、そうしようか。
そろそろ12時だし、これくらいが良さそうだ。
アウラ
ではこのまま窓を閉じるとしましょうか
お疲れ様でした お付き合いありがとうございました
ルトヴィーク
うん
お疲れ様
アウラ
はい
ルトヴィーク
うん
じゃあ、昼食べ終わったくらいからでいい?
アウラ
はい
 
 
穏やかな会話を続けながら 時折、ルトヴィークの所作については指摘がいくつか入り
頷きながら、完全とは言えないものの――直せるものはすぐに直し 食べ終える頃には、及第点よりやや下、というところまでは改善された。
 
食器が片付けられ、店を出るかとアウラが考える頃。
長い髪の合間から、伺う様に鉄色の瞳が彼女へと向けられた。
ルトヴィーク
黙して語らず、しかし発言を許される事を待っている様子はなく
ただ、口を開くかを考えている様で じっとそちらを伺っている。
アウラ
「──、」どの店を回ってみようか、と頭で地図を描いていると 視線にようやく気がつく 「どうかされまして?」
ルトヴィーク
「……」 逡巡する様に眼を細めてから、ゆっくりと頭を振った。 「何でもない」
アウラ
「…であればいいのですが」
「後で言っておけばよかった、ということは先に言ってしまったほうが気が楽ですわよ」 ふふ、と笑って 言葉を促す
ルトヴィーク
――……、」 後で言っておけばよかった、という事があるように
後で言わなければよかった、という事もあるという事は知っている。その言葉を聞いて、より唇を結ぶ力が強められた。
「何でもないよ」
アウラ
「…分かりました」 頷きを一つ 「では、お店を出ましょうか」
ルトヴィーク
ぎこちなく頷いて返して、ゆっくりと席を立ち 見様見真似で脱いでいた上着を着直す。
「どこに行くの」
アウラ
「このまま商業区画を少し回りましょう」
ルトヴィーク
「ん、……服とか、良く解らないから」 アウラの方へと近寄って、付いて行けるように
アウラ
席から立ち上がって コートを預かると身にまとう 「そうですわね…」 じ、とルトヴィークを見る 彼もスタイルは悪くないのだ
ルトヴィーク
視線を向けられると、小さく首を傾げる。丸侭大きくした小動物の様にアウラへと視線を向ける。
アウラ
「…‥」その様子が少しおかしくて、笑みが浮かぶ 「とりあえず、プロに任せるのが一番ですわね。お店を探しましょう」
会計を済ませると 店を出る
ルトヴィーク
「解った。……、」 店を出る手前、少し首を傾げて 
「アウローラ。触っていい?」 出るのとほぼ同時に、声をかける。
アウラ
「え?ええ。大丈夫です」 一度聞き返すような素振りを見せつつも頷いて
ルトヴィーク
頷いて、アウラの左手を取る。エスコートするようなものとは程遠く、少年が少女にするような、強引に連れ立って歩く様なものだ。
「行こう、アウローラ」 道も知らないだろうに、一歩前に出ると 極々僅かな笑みを浮かべて頷いた。
アウラ
「……」ふふ、と笑って 「ええ、ありがとうございます」
「では、」 ルトヴィークを立てるように 「あちらの道に入っていただけますか?」
ルトヴィーク
一歩踏み出した先で、はたと気付いた様に歩を止めて。どっちだろう、と口を開こうとした所で
――、解った」 アウラの指示に頷いて、示された道へと歩を進めていく。
アウラ
少し遠回りするように誘導されつつも
商業区を見ていって 一つの店に辿り着く
女性用、男性用共に取り扱いつつ、ウィンドウスペースが存在する大きな店は、アウラには似合いそうだった
「ここなら大丈夫でしょう」
ルトヴィーク
「……高そうだな」 店の外観を眺めながら、通りにあるその店に辿り着いても結んだ手の力は緩まない。
「アウローラも使ってるの?」
アウラ
「使う店の一つですわね」 頷き
ルトヴィーク
「……」 アウラの服を一瞥して、そっか、と小さく零した。
アウラ
「大丈夫ですわ」
「そうだ」
ルトヴィーク
「……?」
アウラ
「私もちゃんと試着の際は同席しますわね」 うんうん、と 店の待機スペースで待ってるつもりだったようだけれど そうしましょう、と頷いて
ルトヴィーク
首を傾げて 「何かあったの?」
アウラ
「いえ、おまかせする時は、口を沢山挟まないように、待っている事が多かったもので」
「お互いのセンスの食い違いが起こることもありますし、こっちの方がいいのでは?と思ってしまうと口に出すことが多かったのです」
ルトヴィーク
「……アウローラらしいよ」 うん、と頷いて
アウラ
「相手の方がプロなのですから、そうした事は極力しないでほしいと妹に怒られたこともありましたか」
ルトヴィーク
ウィンドウスペースに並べられている紳士服を眺めながら、アウラの話を頷きながら聞き入れる。
「でも、俺は店の奴が選ぶより、アウローラに選んで貰う方がいいかな」 硝子に触れながら、視線をアウラへと向ける。
アウラ
店員の1人を呼び止めようとして 「そう、ですか」
ルトヴィーク
「うん。……難しいなら、大丈夫」
アウラ
「…いえ、」 ちょっと目が細まり 「難しくはありませんわ」
「そうですわね……黒で統一してしまうのも手ですが」 ルトヴィークの手を引いて 服が並ぶコーナーへと進んでいく
ルトヴィーク
小さく息を漏らしながら、アウラの手に引かれて歩いて行く。商品よりもその小さな背をじっと見つめたままだ。
アウラ
「グレーなども似合いそうです。空が好きとのことだったので淡い青のシャツとか‥‥」
「そこに立って頂けますか?」
ルトヴィーク
「ん」 表情には出ないものの、名残惜しそうに手を放して
指示された位置に立つ。
アウラ
手を離して一着のシャツを棚から取り出して ルトヴィークの首元に当てる
腕を取ると、そのまま袖の長さを確認して
ルトヴィーク
静かにその様子を見守りながら、やはり視線はアウラへと向けている。
アウラ
「これを3着程…、後は白もあったほうがいいですわね、同じサイズのものを………。?」
「どうかされまして?」
視線が服というより自分に向いていることに気がついて
ルトヴィーク
「……ううん」 言葉に出来ない、というよりは言葉が見つからない。曖昧に答えて 「暖かいなって」
「……多分思った」
アウラ
「暖かい…ですか?」
ルトヴィーク
「良く解らない。……大丈夫、何かある訳じゃないから」
アウラ
「……」 笑みを一つ作ると シャツを淡い青と白のシャツを6枚ほど持ち上げて
「ではこちらを持っていてくださいね」
ルトヴィーク
「ん」 受け取って 「持っていればいい?」
アウラ
「はい」 頷いて
ルトヴィーク
頷いて、指示に従う。
アウラ
「それから、ズボンの方は…と」
「青に合わせるなら紺とかでもいいですわね…黒も一足…」
ルトヴィーク
「……」 手に荷物を持ったまま、アウラの様子をじっと眺めて
アウラ
「それからジーンズも…」 「そこに立ってくださいな」
ルトヴィーク
「っと、うん」 指示された位置に歩いていって
アウラが手にしている荷物の量を見て、また少しだけ、微かな笑みを浮かべた。
アウラ
腰下辺りを確認しつつ 「サイズは後は実際着ていただいて調整と……」 頷くと ルトヴィークの腕にまた乗せる
ルトヴィーク
ハンガーのように、両腕と肩に荷物を提げて どんどん埋もれていく。
「……こんなに要るの?」
アウラ
「まさか」
「一着を着回すつもりではありませんわよね?」
ルトヴィーク
「……」 今までは2.3種類を適当に回してた気がする。
「……そうした方がいいなら、そうするけど」 はたと思いついた様に首を傾げて
「アウローラも、沢山持ってるの?」
アウラ
「そうしないから。必要なのです」
「ええ。それでも実家にいるときよりは少ないですが」 頷いて
ルトヴィーク
「……大変だな」 これだけたくさんあると
アウラ
「さ、これでまだ半分ですわ」
「次はセーターとアウターを見に行きます」
ルトヴィーク
「は、」 「んぶん」 この量で? と言わんばかりに、腕に下げた品々を見る。
アウラ
「選んでほしいとおっしゃったのは」
「貴方ですわよ、ルトヴィーク」 笑って
ルトヴィーク
「……」 それでもこの量は驚いたけど、とは言葉にせず
「そうだな。……でも、一回置く所探してもいい? 落ちそうだ」
アウラ
「まだお会計もまだですしね」 頷いて 「レジで預かっていただきましょう」
ルトヴィーク
「うん。……」 ゆっくりと指示されたレジへと持って行って また戻って来る
アウラ
「セーターも色違いを1つずつ…群青とかその辺りを…」 呟きつつチョイスチョイス
ルトヴィーク
その様子を後ろで眺めながら、チョイスされたものは受け取って
アウラ
コートは黒地に銀の装飾が襟元などにつけられたものを1着選んで 「春物もついでに…‥」 ううーんと
ルトヴィーク
普段とはまた異なる顔を見せる姿をじっと眺める。
アウラ
「春物は…‥また買いに来ましょうか」
ルトヴィーク
「……次があるなら、そうしようか」
アウラ
「そういう言い方はあまり好きじゃありませんわよ」 目を細めて 腰に手を当てる
ルトヴィーク
荷物を抱えたまま、その様子に口を噤む。
(……ああ、) これは怒った時のアウローラだ。それも、口を開く程度に怒っている時の。
アウラ
「…その時のために、今を頑張って下さい」
ルトヴィーク
「……」 ん、と喉を鳴らして
「じゃあ、頑張るから。……だから、また来よう」
アウラ
「はい」 微笑んで頷いて
ルトヴィーク
ほっとしたような様子でその返事を聞いて 「……他は、どうしようか」
アウラ
「アクセサリー等は興味が出てき始めてからですわね」
「後は靴くらいでしょうか」
「靴については、戦士の方ですから、いつも選んでるもので大丈夫だと思います」
ルトヴィーク
「うん。動き易いのは知ってるから、それにするよ」
アウラ
「なので後は」
「試着です」 うん
「さ、行きますわよ」 背中を押して 「レジに預けているものも含めて、貰ってきてくれなければ意味がありませんから」
ルトヴィーク
「……」 この量をか。言葉にはしないが、荷物を眺める視線で察されるだろう。
アウラ
「なにかご不満が?」
ルトヴィーク
「ん、っと」 背中を押されて、ゆっくりと歩き始める。
「……ないよ。見ていてくれるんだろ」
アウラ
「ええ」 嬉しそうに笑って
それから1時間ほどかけて
アウラによるルトヴィークの着せ替え会が始まり
結局総購入額はなぜか試着後の1.5倍になったという
ルトヴィーク
……増やしたんだな。
アウラ
ちょっとだけですわ ちょっとだけ
「…お疲れ様でした」 どこかやりきった者特有の表情を見せて アウラは微笑んだ
ルトヴィーク
「…………」 不満はない。その言葉に嘘はない。
ただ、疲れた。珍しく疲労の色を見せながら、アウラの言葉に頷いた。
「アウローラ」 
「楽しかった?」
アウラ
せっせ、とルトヴィークに荷物を抱えさせながら 自分も小さなもの──ベルト類やちょっとした装飾品が入った──紙袋を手にもって
「はい。誰かに服を選ぶというのも、楽しいものです」 頷いて
ルトヴィーク
「なら、良かった」
アウラ
「普段気を遣わないから、余計に。ちゃんとしたものを着ていただけるのは嬉しいですわ」
ルトヴィーク
荷物を一瞥して、試着する際にやはり自分でも気になってしまった髪をどうしたものかと小さく目を細める。
「……じゃあ、お願いがあるんだけど」
アウラ
「お願い、ですか?」 小首をかしげて
ルトヴィーク
「……お願い、なのかな」 首を傾げて 「アウローラは、どんな髪が好き?」
アウラ
「…ああ」
ルトヴィーク
「……"好き"、ってこれでいいんだよな」 使い方。
アウラ
「そうですわね…」 ふふ、と笑って 荷物で身動きが取れないルトヴィークに近づいて 「触れてもよろしくて?」
ルトヴィーク
すん、と鼻を一つ鳴らして 「うん、いいよ」
アウラ
髪の長さを確認するように 触れて 「長さはたぶん、短いほうが好きですわね。ただ、長い髪もお似合いですから」
「切ってしまうか、後ろでまとめてみるのはいかがでしょう」
ルトヴィーク
「……その二つなら、どっちでもいい?」
髪に触れやすいよう、小さく屈んでおきながら 動物がする様に、匂いを盗む様に嗅ぐ。
アウラ
「どちらが好きですか?」
「私は、どちらでもいいです。けど」
「決めるのはルトヴィークです」
ルトヴィーク
「……解んないな。気にした事もなかったし……だから、アウローラが良い方が知りたかったんだ」
「だけど」
アウラ
「では、」 あ、と気がついたように
ルトヴィーク
「……、ん?」
アウラ
「お揃いにしましょうか」 ふふ、と笑って
「短くしてみましょう。髪はまた、伸ばせますから」
ルトヴィーク
それを聞いて、少し嬉しそうに 以前よりも深い、けれどまだまだ薄く拙い笑みを浮かべた。
「……同じ事考えてた。一度切って、また伸ばして……それから選んだらいいって」
「次が、またあるんだから」
アウラ
「…はい」 微笑んで 「そうです、ゆっくり、選べますから」
ルトヴィーク
「ありがとう、アウローラ」 アウラの肩口に、そのまま顔を埋める様に姿勢を低くしていく。
アウラ
「……」 ぽんぽんとその頭を撫でるようにして 「では、次会う時までに切ってきてくださいね」
ルトヴィーク
撫でられれば、その分擦り寄って 「……解った。そうする」
「帰ろうか、アウローラ」
アウラ
「はい。帰りましょう」
 
大量の荷物を抱える青年と、それを先導する、いくつかの荷物を持つ少女とが連れ立って歩き
一路にアステリア神殿――少女の部屋へと向かって行く。
少女を部屋まで送り届け、少し言葉を交わし 青年はゆっくりと帰路に着く。
 
ルトヴィーク
これくらいかな。何かあれば
アウラ
お疲れ様でした
いえ、大丈夫ですわ
これで、少しは
ルトヴィーク
お疲れ様。
アウラ
ボーッと立ってても怖がられることは少なくなるでしょう
ルトヴィーク
どうかな。髪と服だけだから
……わかんないけど。
アウラ
それだけでも印象はだいぶ変わりますわ
大丈夫
では次は依頼でお会いしましょう
お疲れ様でした
ルトヴィーク
うん。
お疲れ様
アウラ
)))
ルトヴィーク
)))
!SYSTEM
アウラが退室しました
!SYSTEM
ルトヴィークが退室しました
背景
BGM