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- ジルベルトが入室しました
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- ベアトリスが入室しました
- ベアトリス
- うむ
- ジルベルト
- ようこそ、マイレディ
- ベアトリス
- さてな
- 酒場にでも入れば遭遇するぞ
- ジルベルト
- 酒場で良かりしか、そこから連れ出すもよし
-
-
- ベアトリス
- むしろ連れ出すのは私かもな
- ある男の叶わぬ願いと妄執によって生み誰された“失われた大陸”アムネウスを再現した
- ジルベルト
- ああー、痛恨の入力中ミスって投稿><
- リテイク><
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- ある男の叶わぬ願いと妄執によって魔域の中に再現された“失われた大陸”アムネウスでの冒険から数日が経過した。
- 現代とは異なる文化、異なる価値観を持った世界での日々はどこか現実感に欠いていて、消滅した今となっては夢幻だったのかと錯覚しそうになる。
- しかし、そこで出会った人々も、その願いも、確かに存在していたのだという証は形として今この時代にも存在している。
- その証の一つである騎士の剣を携えた男は、今日も《星の標》に現れると店内を見回すのだった。
-
- ジルベルト
- 「―――」サラリとした金の髪に碧眼、貴公子然とした男だ。身に着ける衣服も物腰もどことなく優雅で、絵に描いたような騎士、といった風情だ。
- 冒険者の集まる酒場を訪れるには場違いにも思えるが、彼もまた一介の冒険者に過ぎず、実のところ騎士ではない。
- ベアトリス
- とんとん、と軽い足音が階段から響く。足音の主、階段から降りてきたのは白一色のワンピースを纏った、金髪赤眼の娘だ。
- 着ている物は豪華さもない、いっそ簡素なものだが、彼女にはよく似合う。
- ジルベルト
- 「……」目当ての人物の姿が見当たらないので踵を返そうとした時、階上からの足音に気付いて振り向いて、その人を見つける。
- ジルベルト
- 時間帯はまぁお昼前くらいでいいかなと
- ベアトリス
- 階段を降りて酒場までやってくると、給仕を呼ぼうと視線を彷徨わせ、ジルベルトと目があった。
- ジルベルト
- 「やあ、ベアトリス」片手をあげ、笑みを浮かべて挨拶をする。
- ベアトリス
- 「ジルベルトか」 軽く頷き目を閉じ
- ジルベルト
- マイ・レディ、マイ・プリンセス、マイ・ロード、マイ・マジェスティ――あのお遊びの日からずっとそう呼んできた呼び名のどれでもない。
- 「ジル、でいいさ」元より、それが本名で、元々は家名も何も持っていないただの平民だったのだ
- 「良かったらお茶でもどうだい? もちろん、パンケーキも添えて」
- ベアトリス
- 「──ふむ」 暫く考えて 「話をしたいと言っていたであろう。暇であるならついてくると良い」 と踵を返す
- ジルベルト
- 「ああ」と頷きつつ、どこへ向かうのだろうとその行く先に目を向ける。
- ベアトリス
- 「うん。そういえば、我が名を呼んだな」心境の変化は察しが付くが とんとん、と元来た階段を登る
- ジルベルト
- 「元々、ころころと呼び名は変えていたろう? そういう気分でね」行く先を察するとさっとベアトリスに並ぶと手を差し伸べ、エスコートしようとして、苦笑した
- ベアトリス
- 「まあ好きに呼べばいいがな。うん?自分の部屋にいくのにエスコートは要らんぞ。そもそも知らぬであろう」
- ジルベルト
- 「本当に部屋に招いてくれるつもりだったのか。不用心じゃないかな」
- ベアトリス
- 「なんだ。女に部屋に招かれたら狼藉をしても良いと勘違いするような気質だと自己紹介したいのか?」
- 「特に余人の耳に入れたい話でも無かろう。光栄に思って素直に招かれよ」
- ジルベルト
- 「少女趣味だという噂が広まって、ご婦人に声がかけ辛くなってしまうと思ってね」肩を竦めて失礼な事をいう
- 「有難き幸せ、身に余る光栄感謝いたします」恭しく一礼した。こういうところは変わっていない
- ベアトリス
- 「安心すると良い。噂が広まっても、私を見れば納得するだろう。あれほど美しいなら仕方ない、とな」
- ジルベルト
- 「ははは、違いない」
- ベアトリス
- 「さて、まあ、何の出迎えの用意も無いが」 鍵を開けて中に招き入れた
- 元々用意された部屋にいくばくかの家具があるだけのシンプルな部屋だ
- 窓際の花瓶や、幾つか置かれたぬいぐるみが生活感を出している
- ジルベルト
- 「華美な装飾を廃した質素の中にも趣のある宮殿だことで」
- ベアトリス
- 「あまり華美なのは好まぬ。嫌いというわけでは無いが。ああ、椅子を使うと良い」 ベッド脇に置かれたテーブルと椅子を示し、自分はベッドに腰掛ける
- ジルベルト
- 「ああ、ありがとう」おどけた感想を述べたものの、じろじろと部屋を物色するように眺めまわしたわけでもない。宿の一室などどこも同じようなものだ。私物を凝視するのもマナーに反する。礼を述べつつ席につく
- ベアトリス
- 「うん。お前の提案にのって菓子と茶くらい持ってくればよかったか……」 足をぷらんぷらん
- ジルベルト
- 「あの家臣団に言って運ばせるというのは」言ってから、彼女なら実際にそれが出来かねないと気付いて口をつぐみ
- 「―――あれから、きちんと休めたかい?」冗談めいた装いを潜めて、気遣う表情でそう訊ねた
- ベアトリス
- 「それが出来る様になるにはもう少しといったところだな。まあ出来たところで自分で行ったほうが遥かに早いのだが」
- それに階段を降りることはできても、持ったまま登るのは難しい、と続き
- 「うん。問題無いぞ。元々そうそう疲れは残らぬ身体だ」
- ジルベルト
- 「それは逞しいね、その小さな体のどこにそんなに元気が詰まっているのか」どこか懐かしむようにそう述べて
- 「俺は……正直言って堪えたよ。これが手元に残っていなければ、夢か幻だったんだと片付けていたかもしれない」
- ベアトリス
- 「見たであろう。私の本当の姿を。故に頑丈だ」 大したことではない風に告げ 「うん」
- ジルベルト
- 最後の皇帝から託された、彼女の騎士の剣に目を向ける。あの体験が確かに在ったという証だ。
- ベアトリス
- 「だから、死人と会話などすべきではないのだ」
- ジルベルト
- 「人間だろうとエルフだろうと、ナイトメアだろうと疲れもすれば腹も減るだろうに」
- 「死人、か……確かに、とっくに終わっていた話だったんだろうな。最初から」
- ベアトリス
- 「それを許せない男が居たから、出来た魔域ではあったがな」 嘆息し
- ジルベルト
- 「俺達はただ落ちかけていた幕を引いて終わらせただけで、他の誰が行ったとしても結果は同じだったのかもしれない」
- ベアトリス
- 「どうだかな。私などはその通りだろうが」
- 「結局、奴らとは殆ど言葉を交わさなかった。意図的に無視をしていた部分もある」
- ジルベルト
- 「何か思うところがあったんだろう、君も」
- ベアトリス
- 「見ていられなかっただけだ」
- 「正直に言えば機嫌も悪かったしな」
- ジルベルト
- 「それは、彼女かい、それとも――はは、それは本当に正直だな。実際そう見えたよ」
- 「そう分かっていて、君を気遣う余裕が無かった。すまなかった」
- ベアトリス
- 「謝るところではない。あの場でお前に気遣われたところで、そっけなく返すだけだったであろう」
- 「だいたい、機嫌の悪さは自らのせいだ。空回りしたことでへそを曲げるなど、子供のすることであろう」
- ジルベルト
- 「それでも、だよ。スプーン一杯分の気遣いくらいが出来なくては騎士以前に紳士失格だと叱られてしまう」
- ベアトリス
- 「であるならば、今フォローがあったから良い。許す」
- ジルベルト
- 「ありがたき幸せ、なお一層励みましょう」胸に手を当て一礼
- 「それで? 我が儘お子様姫殿下は何をそんなにご立腹だったんだい? 確かに、気分の良い事ばかりのある場では無かっただろうけれど」
- ベアトリス
- 「なんだ、それを蒸し返すのか」
- ジルベルト
- 「若き日の苦い思い出として飲み下すつもりならそれでも構わないよ」
- 「大きな失敗をしたという訳でもない、俺と違って変に拗らせるような事もないだろうさ」
- ベアトリス
- 「私は、魔域の中では、終わったこととして出来るだけ自分の心情は廃して考えようとしていた」
- ジルベルト
- 「俺は…そのつもりでいて、つもりでしかなかったと思い知らされたクチだよ」
- ベアトリス
- 「……まあその上で、人側についた方が他の者にも納得しやすかろうと、シリカを説得するつもりであったのだが、まあ空回ってな」
- 「別にそれ自体は良いが」
- ジルベルト
- 彼女相手には自分も空回りしていたのだから苦笑するほかない。
- ベアトリス
- 「他の2人にもそうする意味は無かったと気付いたのでな」
- 「やはり慣れぬことなどするものではない」
- ジルベルト
- 「君はまだ成人はしていないんだろう…? しない方が気は楽だけれど、そのくらいは失敗したって構やしないさ」
- ベアトリス
- 「あとはまあ、軽口に軽口を返して怒らせたからな。それくらいは流せるくらいには話もしたと思ったが、少しショックだった」
- ジルベルト
- 「その点は俺も反省箇所かな。ただ、俺もあそこまで苛烈な女性もなかなかお目にかかった事はないかな」
- ベアトリス
- 「まあ、そこについては仕方ない。誰かの言葉が私を不快にさせるように、私の言葉や態度がヤツの気に障らせたのだろう」
- ジルベルト
- 「きっと、俺や君では想像もつかない場所で想像もつかない経験をして来たんだろう。向こうも同じことだったんだ」
- ベアトリス
- 「──うん、今となってはの話だ」
- ジルベルト
- 「機会があったら詫びも込めてパンケーキでもご馳走するとしよう」
- ベアトリス
- 「私は特に詫びるつもりは無いぞ」
- ジルベルト
- 「なら、親睦を込めて、で良いさ」
- ベアトリス
- 「出来ると良いがなぁ」 眉を潜め
- 「──ところで」
- 「私は成人しておるぞ?」
- ジルベルト
- 「そうだね」肩を竦め 「うん?」
- ベアトリス
- 「人の基準でいえば15であろう? それならば超えている」
- ジルベルト
- 「人の基準以外に当てはめても、かい…?」
- ベアトリス
- 「一応、エルフも成人は15だ。私もその中で育ったから、成人はしている」
- 「もっとも、まだまだ子供扱いではあったが。奴らは長寿で、私は不老。私の感覚もエルフに近い」
- ジルベルト
- 「…それは失礼、ああ、いや、本当に、すまなかった」珍しく慌てたように目を白黒させて頭を下げた
- ベアトリス
- 「──まあ仕方ない。見た目では人間だ。人間の成人よりは幼く見えるのであろう」
- 「そこで止まってしまったのだから仕方ないのだ……本当に」 仕方ないといいつつ不満げだ
- ジルベルト
- 「不老、か……」クラッドもそうだった。彼は実際に千年を超える孤独を過ごしたというが、姿は若々しいままだった。
- ベアトリス
- 「エルフの中に生まれたのは幸運やも知れぬな。別離は人間のそれほど多くは無かろうさ」
- ジルベルト
- 「成長の速度にも差があるんだろう。今の君はそのままで美しいし、いずれ成長を重ねてもっと美しく育つんだろう」
- 「出来れば存命のうちに花開いて欲しいけれどね」
- ベアトリス
- 「ナイトメアがゆっくり成長するとは聞いたことがないがな、うん。勘違いしているだろうが、お前の想像よりは年齢はずっと上であると思うぞ」
- ジルベルト
- 「俺よりも、かな…?」
- ベアトリス
- 「うん?お前は幾つだったか」
- ジルベルト
- 「20……いや、21、か」
- ベアトリス
- 「うん。年上だな」 こくり
- ジルベルト
- 「なんてこった……はは、あの魔域でも大概驚かされてばかりだったが、今、一番の驚きだよ……ははは…」
- ベアトリス
- 「エルフの中にいたと言ったであろう。感覚が人間と違いすぎるのだ」
- 「人間でも、15で成人といっても、実際は18くらいまではまだまだ子供として扱われるだろう。エルフはそれが数十年単位で続くからな?」
- ジルベルト
- 「未熟者扱いが何十年も、か……それは堪らないな…4、5年だって居心地が悪かったってのに、それは堪らないな…」首を曲げ天井を仰いで
- ベアトリス
- 「それも人間の感覚故だろうなぁ……」
- ジルベルト
- 「俺は君が12,3歳の…あぁ、気を悪くしないで欲しいんだが、とにかく、そのくらいの年頃で、貴族の出身のお嬢さんだと思っていたんだ」
- ベアトリス
- 「ふむ───」
- ジルベルト
- 「才能に溢れていて、自信家で我が儘で、ユーモアがあって……似ているな、と思ったよ」
- ベアトリス
- 「それは、お前の主にか」
- ジルベルト
- 「ああ。見た目の話じゃない、どう贔屓目に見ても君には勝てない。お世辞抜きでね」
- ベアトリス
- 「分かってる、というかそれは主に失礼ではないか…?」
- ジルベルト
- 「良いんだよ、散々振り回されたんだから。そばかすに赤毛の癖っ毛で、ドレスで木に登って鉤裂きを作るようなお転婆だ」
- ベアトリス
- 「ふむ──いや、私をそう見ていたのかお前」ジト目を向けてから、少しして嘆息して「だが、もう居ない、か」
- ジルベルト
- 「俺は平民生まれで家名なんて大したものもない、名前だってただのジルだった。あの我が儘姫に見つかってご覧の有り様さ」
- ベアトリス
- 「ああ……そうか。お前、仕立て上げられてしまった訳か」 苦笑し
- ジルベルト
- 「今思えば、俺を出汁にまとめて教育する肚だったんだろう。迷惑は話さ」
- 「地図に書くのも恥ずかしくなるようなちっぽけな領土しかない国の、でっちあげの騎士が俺さ」
- ベアトリス
- 「それが嫌だったのか?」
- ジルベルト
- 「あの赤毛のチビがどこかに出荷(嫁)されるまでくらいは付き合ってやろうとは思っていたさ。待遇はただの機兵の時よりずっと上だったしな」 普段よりも荒っぽい口調で、だが懐かしむように目を細めて語る
- ベアトリス
- 「────」 柔らかく目を細めて語るジルベルトを見る
- ジルベルト
- 「……5年経って、あいつが13になると嫁ぎ先が決まってね。よくある政略結婚って奴さ。ありがたい事に俺も護衛役に付いていく羽目になったわけだ」
- 「偶然だったのか襲撃だったのか分からないが、途中で蛮族の部隊と遭遇した。まぁ、たぶん、偶然だったんだろうな。 こいつら何してんだって顔をしていたよ」
- 「ハリボテの騎士とその仲間たちは奮戦してどうにか連中を撃退して……けど、一番守らなきゃいけなかった奴を守れなかった。 守れなかったんだ……」
- ベアトリス
- 「──そうか」 重く、それのみを口に出した
- ジルベルト
- 「その場で死んでいればまだ忠義に尽くしたって言えるんだろうけれどな」
- 「カッとなったそいつは槍を手に一人で追撃に向かって……どういうわけか生き永らえている最中だ」
- ベアトリス
- 「全く、重い話をしてくれる──あらかた、予想はしていたが」
- ジルベルト
- 「たぶん、国ではお尋ね者だろうな。警護の失敗に敵前逃亡、打ち首でも手ぬるい」
- 「ティタニウス卿に比べれば年季が違うさ。それに、」
- 「騎士の忠義やら貴族の心得だか、そんなものは付け焼刃で見には着いてなかったんだろう」
- 整えられた前髪を手櫛で乱雑に掻き上げ、自嘲気に漏らした。
- ベアトリス
- 「さてな──」
- 「お前が一般から見てどうかは知らん」
- 「だが私とすれば、十分に彼女の騎士であった様に思う」
- ジルベルト
- 身には、だ
- ジルベルト
- 「……見てきたように言うんだな。それも年の功か?」
- ベアトリス
- 「おい。年上とは言ったが老人扱いはするな」
- 「単に思っただけだ。」
- ジルベルト
- 「そんな我が儘で気分屋の老人は……」いや、老人もそういうところはあるな?
- ベアトリス
- 「私なら、そういう者がついていてくれれば、十分に騎士として扱うさ」
- ジルベルト
- 「……分からないんだ。 最期に、名前を呼ばれた……ジル、ってな」
- 「恨み言でも痛い、苦しいとでも言えば良いってのに、何を言おうとしたのか分からないんだ…」
- 「……だから、止め時が分からないんだ。俺を騎士にさせたのはあいつだ。なら、いつまで俺は騎士ごっこを続ければいい?」
- 「……すまない」
- ベアトリス
- 「───良い」
- 「私には答えを返すことは出来ぬ。それは、お前が見つけなければならぬものだろう」
- ジルベルト
- 「……ああ」
- ベアトリス
- 「そのために剣を握っているのだろう?」
- ジルベルト
- 「強く握り締めていないと落としてしまいそうだからな」
- 「重たいんだ。自分の分だけでも手一杯だってのに、その上、ティタニウス卿の分までなんてな…」
- ベアトリス
- 「だが、放り出すことをこそお前は耐えきれまい」
- 「なに、少しくらいの手伝いはしてやろう」」
- ジルベルト
- 「ああ」
- 「それをしたら、俺は一生騎士になれないまま死んでいくんだろうからな」
- ベアトリス
- 「お前が道を見つけるまで、まあ、弱音を吐きにくるくらいは構わんぞ」
- 「なんなら膝を貸してやっても良い」
- ジルベルト
- 「足しげく、少女の部屋に通いつめて愚痴をこぼしていくか? まるで駄目男の見本だな」
- ベアトリス
- 「誰にも見られなければよかろう。男などというものは、本来そう強いものではあるまい」
- ジルベルト
- 「やめてくれないか、心がぐらつきそうになる」苦笑して>膝を貸す
- 「此処に来て、強くそう思うよ。ああ、この店って言う意味でも、この宮殿に招かれてって言う意味でもだな」
- ベアトリス
- 「うん。一途で馬鹿な男のために、一人くらい味方してやる女がおらねばな」
- ジルベルト
- 「俺はひ弱な騎士もどきだ。剣に振り回され、女にも振り回されっぱなしだ……」
- ベアトリス
- 「そのもどきを続けられるものはそうおらん」
- 「私はお前に好感を抱いたぞ。うん」
- ジルベルト
- 「いつか、こいつの重さに耐えられるようになったら……今度は、この剣で叙勲ごっこを頼んでもいいかい……?」
- ベアトリス
- 「──お前、それは」
- 「いや、まあ、良かろう」 うむ、少し赤くなったが
- 「しかし、それならば、あまり多方面にいい顔をしないことだな」
- ジルベルト
- 「ありがとう――貴女の慈悲に深い感謝と信愛を」席を立ち、片膝をついて礼をした
- ベアトリス
- 「……私は、さっきまでのお前の方が良いと思うぞ」 礼は受け取るが
- ジルベルト
- 「そうかい? この方が大体のご婦人に受けが良いんだが」
- 「どうやら叱られそうだから、今後は遊びは程々に――でいいかな? マイ・レディ」
- ベアトリス
- 「うん。そうした方が私の歓心は買えるな」
- 「今後はジルと呼ぶとしよう」
- ジルベルト
- 「それは千金の価値があるな。なら、あの家臣団の誰よりもお役に立てるところをお見せしましょう」
- 「……、御心のままに。マイ・プリンセス」
- 「不肖、ジル。これより艱難辛苦を乗り越えて階下よりパンケーキを入手して参りましょう」
- ベアトリス
- 「うむ。大義である。委細任せた」
- ジルベルト
- 「必ずや武勲をあげ、戻って参ります。では――」真面目ぶった顔で部屋の外へと向かい、戸を閉め
- ベアトリス
- 「────」
- 「――っ、く…っ……」
- 扉の向こうから響いてきたのは、堪え切れない笑いであったか、それとも――
- ベアトリス
- 「まったく、何をやっているのか」
- 「月次な言の葉しか出ぬとは、薄いな、私も」 外の声は聞こえないふりをした。戻ってきたら笑顔で迎えてやるとしよう
- その日、騎士ジルベルト・ドレッセルは、4段重ねアイスクリームチョコレートソースかけ、ロイヤルミルクティーという大物を見事持ち帰るという大金星を挙げたという……
- ベアトリス
- 満面の笑みが見られたことだろう
- 華麗なるスプーンの騎士の猛々しい戦果に賛辞を!
- ジルベルト
- こんなところかな!長々とお付き合いいただきありがとう!たのしかった!
- ベアトリス
- スプーンで口に運ぶ栄誉をやろう
- ベアトリス
- 感謝ー あまり言葉が出てこなくてごめんね
- そしてやばい時間になっていた
- ジルベルト
- アドリブだからしゃーない
- そうよ、やばい時間よ
- ベアトリス
- また今度やりましょう
- ジルベルト
- ええ
- ベアトリス
- 今日はおやすみだ──
- ジルベルト
- ではでは~
- いつも挨拶でジルと呼んでくださいと言ってるのが紛れもない本音であることが分かってしまった…女々しいやつめ
- ベアトリス
- めめしいやつめ
- たまによしよししてやらねばな
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- ベアトリスが退室しました
- ジルベルト
- ばぶぅ
- !SYSTEM
- ジルベルトが退室しました