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コモンルーム[X]

20200215X_0

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フランシアが入室しました。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
ギガースと呼ばれるゴーレムにまつわる依頼を受けて、ホリスへと向かう船の中
金色の髪、藤色の瞳の少女は船の甲板に出て 暗い海を眺めていた
フランシア
「──」夜の海は、どこか落ち着くような気がした いつもは、少し怖いのに
 
仲間と一緒に情報を検討した後、一言申し出て外の空気を吸いに来たのだ
フランシア
「……」 1つの箱を、彼女は手にしている 手のひら大くらいのもので、梱包もしっかりとなされたものだ
カードが挟まったいた痕跡は、こうして出発した後眺めやってから気がついたもので
中身は分かっている……。開けたわけじゃないけれど、きっと、チョコレートであること
そして、それがきっと…手作りであることも
「……」 あの後話が出来なかったことが、尾を引いている 自分で用意していたチョコレートも、置いてくることが出来なかった
「『私は、貴女が欲しい』……か…」 彼女が口にした言葉を、思い起こし 口にしてみる 言葉の意味はわからないが、ドレイク語ではないかと思う。
音も覚えている。言葉に詳しい人に聞ければもしかして・・・とも思うのだが
聞いて良いものなのだろうか、とも思うのだ
「……シリカ」 小さく、呟く
あの行動、あの瞳の色、艶っぽい声の形……言葉の意味は分からなくても、裏付けるものは幾らでも浮かぶ
普段から大事にしてもらっていることも分かっていた
念入りな自分の身体への確認は、…本当は恥ずかしがり屋な彼女が常に真剣な目でやっていたし
私の部屋で眠る頻度も、増えていた とても、とても仲良くなれたと
大事な、大事な友だちであると……そう思っていた
「……」 けど
「……私は」
口に出さないと収まらなくなるくらい、感情が渦巻いていて
「私は馬鹿ですね……」
きっと、また見過ごしているのだ
相手から見た、自分への想いを
コルネリアのときのように
「──、」 胸が詰まる
「……」洗い出してみる シリカの言葉を、シリカの行動を
「……でも」
「……でも」
洗い出して、どうする
彼女の想いが、自分の想像と合致している場合
私は、……応えられるのか
父上は?世継ぎは?家の事は?周りは?騎士の家のつながりは?
「………」 首を振って
そんな事どうでもいい、そんな事、関係ない……そう言えるだけの強さが欲しい
欲しいのに……
「……シリカが一番…」 これに嘘はない、偽りは無い
ただ彼女が、もっと深い意味で捉えていたとしたら
「………」 つよい、強い自己嫌悪の感情が湧き上がる
情報を整理すればするほど、気持ちを整えようとするほど、明確な好意が浮かび上がってくる
「……シリカ」 会いたい
なんで一緒にいられないんだろう。なんでここに居ないんだろう
言葉で、表すには、きっと 足りない
「……」帰ったら、帰ったらちゃんと話そう。話して…それから
「もう一度聞かせてくださいって……分かるように言ってくださいって…言わないと…」
「…言わないと…」
「わからない事、だらけなんですよ…‥私は…」
「鈍いんですからね」 チョコレートの箱をなでて
船室へ戻る前に、しばし佇む
帰ったらシリカとすることを、したいことを想像しながら
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フランシアが退室しました。
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