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コモンルーム[V]

20200212V_0

!SYSTEM
シリカが入室しました。
シリカ
うむ
!SYSTEM
フランシアが入室しました。
フランシア
お待たせしました
シリカ
うむ。
フランシア
おかえりなさい。シリカ
シリカ
魔域から戻ってきた後は屋敷に帰るだろうが、フランシアが居るかどうかだな。
うむ、ただいま。
フランシア
どちらが良いですか?私も戻ってきたところと
もういるとでは
シリカ
戻ってきたところでよかろう。
開幕は担当しよう。
フランシア
分かりました
お願いします
シリカ
 
 
イルスファール王都リンザー家別邸。
この家の一人娘は今冒険者と呼ばれる稼業に就いており、その友人であるシリカもまたこの屋敷に世話になっていた。
“奈落の魔域”の攻略という、今までは縁がなかった依頼。中での出来事も、ただ敵を見つけ、倒すだけというわけではなく、仲間との温度差もあってか、いつも以上に疲労を感じていた。
屋敷に帰り着けば、使用人たちが出迎え、てきぱきと入浴、食事、着替えなどをシリカに促す。後回しにしたい気分ではあったが、フランシアは不在だということで、仕方なく彼女たちに従い、
一通り終えた頃には、すっかり夜が更けてしまっていた。
使用人たちから解放されてもまだ友人は帰宅していないらしく、暇を持て余したシリカの足は、自然とフランシアの部屋へと向けられた。
勝手に部屋に入るのはやや憚られるものの、下手に物を弄ったりしなければ大丈夫だろうと判断し、彼女の部屋へとやってきた。
部屋主の居ない部屋で、彼女の私物に触れないとなれば特にやることもなく――退屈そうにベッドに転がると、疲弊した身体はいつの間にか眠りに落ちていた。
シリカ
寝ているから適当なタイミングで入ってきていいぞ。
 
シリカが眠りについてしばらくして
シリカ
「…………」 一人の時は、寝息らしい寝息も立てず、眠りといっても随分浅いものだ。幼い頃から染み付いた癖は、そう簡単に抜けはしない。
 
この家の一人娘もまた、帰宅する。ホリスにおいて、出現した脅威──古代のゴーレムに対処するために奈落の魔域へと挑む依頼を受けていて、そのゴーレムに対処する鍵を得るために、一時的に王都まで戻ってきていた
シリカ
それでも少し表情が安らかなのは、そこに残る微かな友人の香りを感じるからだろうか。
 
家人たちに挨拶をし、シリカが帰宅している事を知ると。まずは着替えるために自分の部屋へと向かう
フランシア
「……ああ、でも…」 先に会いに行かないと怒るでしょうか…と思い起こして 少し迷ってからまず友人の部屋を訪ねた
「……?」 ノックしても反応がなく、鍵もしまったままだ お風呂に行っているのかもしれないと頷くと自分の部屋へと改めて向かう
かちゃ、と 基本施錠はしないので そのまま入ると 灯りをつける
シリカ
――……」 ベッドの上には、入り口に身体の正面を向ける形で身体を少し丸めている白銀の髪の娘の姿がある。
フランシア
「……」 扉をしめ 1つ息をつくと 視線は室内に行って…… そこに友人を見つける 「……ああ」
「こちらにいらっしゃいましたか…」 すっかりいついてしまっているから、やはり一緒の部屋がいいのかもしれない。と思いつつ
近づいて様子を見る
シリカ
――……」 入ってきた空気と香りに、微かに鼻が動いた。
フランシア
「……」 疲れているとは聞いているので、起きる様子がなければそっとしておいて着替えようと 寝顔を眺める
シリカ
「……戻ったか」 次いでゆっくりと目を開けば、目の前の娘の姿を見て、小さく呟いた。
フランシア
「あ……」 シリカの声を聞けば声を漏らして 「‥すみません、起こすつもりはなかったのですが」
「ただいま戻りました。シリカ」
シリカ
「いや、私も眠るつもりがあったわけではない」 どうせすぐに起きるつもりだったと上半身を起こした。 「……ああ」
フランシア
ふんわりと微笑んで 「お疲れの様子ですし、そのまま寝ていてください。私は着替えさせてもらいますね」
シリカ
「分かっている。鎧を脱ぐななどとは言わん」そう言われるとぽすっともう一度身体をベッドに横たえて。 「怪我は」
フランシア
「ありません。腕のいい神官さんも同行していたので」 マントを外し、鎧を外していく
シリカ
「そうか」 腕を枕にして、フランシアの着替える様子をぼーっと眺める。
フランシア
黒い鎧下になって それも脱いで 下着姿になると 手早く部屋着に着替えていく
白いナイトガウンに同色の寝間着 「……お待たせしました」 ゆっくりとそちらを振り向いて
シリカ
「……」 堅固な鎧に守られ、露出する事の少ない肌は白く保たれていて美しい。そんなことを考えていたら、いつの間にか着替えは終わっていたようで―― 「別に待ってはいない」
フランシア
「長いお仕事でしたね…」 ベッドの方まで歩いていくと、シリカの近くに腰掛けて
「私は、一時的に戻ってきてるだけで、また発たねばなりません」
シリカ
「私たちの体感ではそこまで日数は経過していなかったはずなのだがな。奈落の魔域とは妙なものだ」
「……そうか。出発はいつだ。明日か? それとももう少し先か」
フランシア
「多少猶予はありますが、その間に済まさなければならない用事もありますから」
「こうしてお話できるのは、少し先になりますね」
シリカ
「だが、今日はもう出る事はないのだろう。話に付き合え」
フランシア
「魔域、ですか…人によってはそれ専門という方もいらっしゃるようですが…私も今の仕事は魔域が絡んでます」 
「ええ、喜んで」にっこりと微笑んで 頷く
シリカ
「何が起こるか予測がつくものでもないからな。決して気は抜くなよ」
フランシア
「…はい」
シリカ
「私の訪れた場所も、自然発生したものではなく、人為的に造られたものだったらしい」
フランシア
「人為的に……」
「私の方もそのようなのです……もし、ああしたものが作り出せるのであれば、王都やユディスに…いえ、実際幾つかは起こっているようですね」
「……どのような、場所でしたか」
シリカ
「そうか。……まあ、確かにその中でなら自分の望む物が手に入ると言われれば、求める者が多くとも不思議ではない」
「私の訪れたのも、失ったものを取り戻そうと願う愚かな男が造り出した場所だった」
フランシア
「…失ったものを」
「‥そうした願いを抱えて作られるものでもあるのですね」
だとすれば、ゴーレムを目覚めさせんとする彼にも、なにか目的があるのだろうか
シリカ
「愛した女、だったそうだ。……結局歪んだ形でしかそれを再現出来ず、最期はその女と組んだ私たちに討たれるという、愚か者には相応しい末路を迎えたがな」
フランシア
「そうでしたか…」
「……どうしても手に戻したいもののためなら、何もかもを捨てる事は」
シリカ
「人間は、すぐに死ぬ。戦いに身を置く者ならば尚更な」
フランシア
「……」 無いことではない、のかもしれない と 少し俯いて
シリカ
「……」 ふん、と鼻を鳴らして。 「愚かな男ではあったが、私は奴のしたことを否定するつもりはない」
「私とて、目的と、それを成すための力があるのならば、その力を手に取り望みを叶えようとするだろうからな」
フランシア
「…お父上の仇を討つ、ことですね」
シリカ
「……別に、そこまで仇討ちに拘っているつもりはなかったのだがな。弱い者は淘汰されるのは、あちらでは当たり前の事だ」
フランシア
「……」それ以外にも目的がある、というのは初耳だ きょとんとした表情をして
シリカ
「ただ気に食わないから、父を裏切り、討った兄を殺す。そういうつもりだった」
フランシア
「…‥」過去形で語っているのは 「…何か、新しい目標でも出来ましたか?」 敵手を恨むというよりも、よほど良いことに思えた
「私にできることであれば、何でもお手伝いしますよ。シリカのためなら」胸に手を当てて 微笑んで
シリカ
「……いや」 ふ、と自嘲するような吐息を漏らして。 「意外と私も、感傷的な人間だったということだ」
「気に食わないと思う根底には、私を拾い、育ててくれた父に対する思いがある事は否定出来ない」
フランシア
「それは、当たり前のことです」
「……情がない人だとは、思ったことはありませんよ」
シリカ
「失われるのが当然の世界だ。失ったものに対して一々感傷に浸っていては、時間を無駄にする」
「そう思う事で、私は自分を強く保とうとしていたのかもしれん」
「……情のある性格でもないがな。感情で刃を鈍らせることは無い」
フランシア
「……私の知ってるシリカは、戦いにおいては、妥協する人ではありません」
「ただ、戦いを離れた場所では、」 その目を見つめて 「それほど変わった人とも思っていません」
シリカ
「……ふん、それは貴様の感性が私に毒され過ぎているだけだ」
フランシア
「それを引け目に感じる必要は、無いのでは?」
「少なくとも私は、」
「毒されたなんて思っていません。私は、私の価値基準でシリカが大事なだけです」
シリカ
――そうか」 ため息を吐くようにぽつりと呟くと、身を起こし――
フランシアの手を強く引き、ベッドの上に仰向けに倒した。
フランシア
「──っ」 急にベッドに倒されて 一瞬息が詰まる
シリカ
腕を立て、フランシアに覆い被さるように、間近から見つめる。
フランシア
「シ‥…リカ…?」
驚きを含んだ表情で 見つめ返して
シリカ
「……先程貴様の顔を見、声を聞いて、私は安堵を覚えた」
「貴様は命の短い人間で、武器を取る上に……底無しのお人好しだ。放っておけば、すぐに死ぬ」
「……私は――」 云うべき言葉は、いくらでも思い浮かぶ。
いつものように率直に、思うがままに口にすればそれでいい。相手がどう思おうと、自分の心のみに従って、身勝手に振る舞うのが蛮族()の生き方だ。
フランシアを失いたくない。その全てが欲しい。ただそれだけの言葉を紡ぐだけだと、口を開いて、
フランシア
息がしにくい、時間が止まったみたいに、シリカから目を離せない
シリカ
「……――」 声が詰まる。人族の中(こちら)で生きたせいで、理解ってしまった。この先を望んでいるのは自分だけでしかないということ。周りの人間たちの中にはそれを望んでいない者も居ること。そして何より、彼女を不幸にしてしまうこと。
数瞬の内に思考が頭の中を巡り、ようやく出てきたのは――
フランシア
「……シ…」 こんな表情の友人は、見たことがなくて 「……シリカ」
シリカ
『……私は、貴女が欲しい』 力強い発音ながらも、何処か切なさを含んだ、フランシアには理解できない小さな言葉で。
――ッ……」 その言葉を口にした直後、片手で口元を覆い、起き上がった。
睦言のような言葉を口にしたという羞恥からではない。
フランシア
「……」 意味はわからない。おそらく彼女が生来覚えていた言語だとは思う。ただ、含まれていた感情は… 
シリカ
彼女に伝わらぬ言葉で口にするという、自分と向き合う事から逃げたことを恥じた故の行動だ。
フランシア
「……だ、…大丈夫ですか」 
シリカ
己の不甲斐なさに腹が立つ。構わず切り開くという覚悟も、力もない事が、情けなくて仕方がない。
どの口で、あの男の想いを否定し、どの手でそれを砕いたのか。
――……」 起き上がった瞳からは、先程まで灯っていた熱のようなものが失われていて。 「……ああ」 フランシアの問には、小さく頷いた。
フランシア
「…‥」 かけるべき言葉は、浮かんでは消えていく 疑惑が、ほんの少しだけ、確信へと至る扉が開く
シリカ
「……部屋に戻る」
フランシア
「あ…」
シリカ
ベッドから立ち上がると、振り向く事なくドアへと歩きはじめ、
「……依頼に出るのならば、気をつけろよ」
消え入りそうな声音で伝え、扉で互いを隔てた。
フランシア
「……」 身体を起こす 返事もうまく返せなくて シリカが出ていくのを見送る
「……どうしたら…」 俯くようにして 呟いて
彼女ともう一度話す時間を作るには、依頼を片付けなければならない
「……」 勘違いであるならばいい。ただ、それが事実であった場合…… 「私は……」
「……私は」 俯いたまま、また呟いて
そのまま、横になる シリカの香りがする気がして それが分かる自分に、少し戸惑っって
ゆっくりと、目を瞑った
フランシア
私からは以上です
シリカ
こちらもこれでいい。
フランシア
……どうしたら
良いのでしょう……
シリカ
私にも分からん。
フランシア
…お付き合いありがとうございました
シリカ
うむ。
またいずれな。
フランシア
はい
!SYSTEM
フランシアが退室しました。
!SYSTEM
シリカが退室しました。
背景
BGM