- SYSTEM
- ルトヴィークが入室しました。
- SYSTEM
- アウラが入室しました。
- アウラ
- お待たせしました
- ルトヴィーク
- ……頑固だもんな
- アウラ
- なにか?
- ルトヴィーク
- なにも。
- じゃあ、前の続きか、別の日か決めよう。
- アウラ
- どちらでも良いですわ やりたいことがあるなら別日でも
- ルトヴィーク
- じゃあ、そうだな
- 数日後、くらいでぼかしておくけど
- 始めるね
- アウラ
- お願いします
-
-
-
-
-
-
- ――もう、こんなことをするとは思っていなかった。
- 骨細工は兄さん達から教わった。一つくらいはらしい事は覚えておけ、って。
- 不思議と嫌じゃなかったし、形を残すのも、そんなに抵抗はなかった。
-
- 角を伸ばして、圧し折る。こういう時、痛いっていうのが解らなくて――後から聞いたら、他のナイトメアも角は痛くないらしいけど――良かったと思う。
- こんな事を言ってたら、また怒らせてしまいそうだから
- 伝えはしないけど。 ――これでいいか、と思えるものが、二つ出来た所で
- また、腹の上、胸の下辺りが暖かくなったことは、覚えている。
-
-
- アウラ
- 少し席を外します
- ルトヴィーク
- わかった
-
- 王都イルスファール、〈星の標〉――から、アウラのもとへ一つ、手紙が届く。
- 差出人は、「ルトヴィーク」。印象とは異なるだろうか、記された文字自体はそう拙くはない。
- アウラ
- もどりました
-
- 手紙の中身は、渡したいものがあるから、〈星の標〉まで来て欲しい……というものである。
- 普段であれば、何も言わずにアステリア神殿を訪れる事が多く
- 呼び付ける、という事自体は、これがはじめての事だったかもしれない。
- ルトヴィーク
- おかえり。
-
- 手紙からは、微かに月下香の匂いが漂ってくる。彼の文字を見た事がないのであれば、それも君に差出人が本人である事の裏付けになるだろう。
- ルトヴィーク
- とりあえずこれくらいで。届いた、までが導入にさせてほしい。
- アウラ
- 「……」手紙を確認してから、折りたたんで 私信を貰うのはいつぶりだろうか 封筒に手紙を入れ直して 引き出しの中にしまう
- 今日も幸い、休みの日だ。 ベージュ色のハイネックのニット・セーター。黒のロングスカート。ストッキングなどを身に着けて
- 一人部屋を後にする 「それにしても…‥」 着替え終わってからひとりごちるように
- 「彼から、渡したいもの。ですか」
- ちょっとイメージが、つかなかった
- 頭を切り替えるようにドアに視線を向けて 白いコートとマフラーを手に取ると 黒いブーツを履いて出発する
-
-
- アウラが〈星の標〉を訪れてみれば――昼下がりの店内は、穏やかな時間が流れていた。
- 争奪戦は既に終わり、出立も済んでいるのだろう。
- 純粋に昼食を摂りにきた者達と、残りの敗残兵、
- それから、人を待つ者が店内には集まっていた。
-
- ルトヴィーク
- それはアウラへの手紙の差出人も同じ事で、ぼうっと店の外を窓から眺めながらじっとしていた。
- ただ、窓の外の者からの視線を集中させている理由がひとつある。
- 普段よりも青白い肌、それから側頭部から伸びる一対の角――[異貌]状態にあった。
- 右側の角は根元に近い位置からへし折られており、それも相まっているのだろう。
- 「……あ」 入口の扉に近い窓を、選んで見ていたからか
- やってきたアウラの姿も確認できたようだ。小さく口を開いて、ぼうっとしていた視線がそちらへと向けられる。
- アウラ
- からんからんというドアベルの音と共に 冬の装いの少女が入店する
- 店内を見回して そして気がつく
- 一度通り過ぎてから また視線が戻るようにして
- 「……ルトヴィーク…?」
- ルトヴィーク
- 「うん」 声を掛けられると頷いて 普段通りの、抑揚のない声で返した。
- アウラ
- 窓際の席へと移動していって 「…ごきげんよう。どうされたのですか、その角は」
- ルトヴィーク
- やってきたアウラに、自分も席を立とうとして
- 「あれ」 両手で側頭部をぺたりと触れて
- 「――ああ、仕舞い忘れてた」 ずるずると[異貌]を解除すると、肌色は少し人に近づき、角は瘤へと戻っていく。
- アウラ
- 「……」 もしかして、彼女の真似を‥・? と一人の女性の姿が脳裏に浮かぶ
- 「……街中でその姿はあまり褒められたものではありませんわ」
- ルトヴィーク
- 「……うん。いや、何回か使ったから」 これ、と瘤を擦り
- アウラ
- 「使う…?」 怪訝そうにしつつ
- ルトヴィーク
- 「うん。……上、行こう」 席を立ち、アウラへと手を差し伸べる。
- 「渡したいものがあるんだ、アウローラに」
- アウラ
- 「……分かりました」 追求は後にしましょう、と決めて 頷いてルトヴィークの手に重ねる
- ルトヴィーク
- 重ねられた手を見ると、極々僅かにそれを握り返す。
- ふと気づいたようにその手を自分の両手を重ねて包むと、ゆっくりと引いて二階の自室へと招いた。
-
-
- ルトヴィークの部屋は、以前来た時とは様相が異なっていた。
- 以前は、ろくにものが無かったのだが――この日は違う。
- 広く空いていたスペースには、細々とした機材が広がっている。
- 知識があるのであれば、何かの飾り物を用意しようとしていた、様に見えるかもしれない。
- 散らばっている何かの破片は、先程伸びていたルトヴィークの角の様にも思える。
- ルトヴィーク
- 「――はい」 部屋に入るなり、以前と同じ椅子を引いて持ってくると
- アウラへと座る様にそれを示して見せる。
- アウラ
- 「……」 周囲を確認するようにして ハンガーにコートとマフラーをかけると
- 「……ええと」 これはどう見ても角の破片。折れていた右の角 そして装飾品を作るための道具の数々
- ひとまずコメントは差し控えて 着席する
- ルトヴィーク
- 「……? 何」 座ったアウラに首を傾げながら、
- 以前来た時と同じように その肩に掛布団をかける。
- アウラ
- 「ありがとうございます‥…渡したいものというのは」
- ルトヴィーク
- 「ああ、うん」 机の上に置かれていた包みを一つ手に取って、
- それをそのまま、アウラへと渡す。特に何でもないもののように、取ってと言われたものを渡すように、当然だとばかりに。
- アウラ
- 包みを少しためらいがちに受け取って 「……開けてみてもいいですか?」
- ルトヴィーク
- 「うん。その為に造ったから」
-
- 封自体は簡素なもので、
- 最低限、包むことで贈り物として見えるか……というくらいだ。
- アウラ
- 袋を開けて、中身を確認すると、手のひらに落として見る
-
- とはいえ、それはあくまでも素材自体がそうであるというくらいで 包む作業自体は、プロのそれとは程遠いが、しっかりと気にかけて造られたと察せられる。
- 手のひらに落ちて来るのは、一つの首飾りだ。
- 圧し折った角の根元は綺麗に整えられており、角自体もしっかりと削られ、
- ある程度の加工は済まされている。――こちらもではあるが、あくまでもアマチュアのそれであり
- 店に売られている様な、立派な出来には届かない。
- ルトヴィーク
- 印象としては、これくらいまで角を削って小さくしてから首飾りにしたもの、って思ってくれたらいい。
- https://pds.exblog.jp/pds/1/201009/17/25/d0164425_236148.jpg
- アウラ
- なるほど
- ルトヴィーク
- 角部分は黒、通しているネックレス部分は白の紐、かな。
-
- サイズについては調節出来る様、結び目は少し緩くなされている。
- ルトヴィーク
- 「――えっと」 手のひらに落としたアウラを見て、少し困った様に言葉を選んで
- 「前、その。部屋にあった飾りを気にしてたみたいだったから」
- アウラ
- 「……角飾り、ですわね」 呟くように 少量の戸惑いが音にはのっていた
- 「……」 その言葉を聞いて ぎゅ、と手のひらで包むように角飾りを握って
- ルトヴィーク
- 「アウローラに渡そうと思って作ったんだけど」
- 「久しぶりだから、巧く出来なかった。……でも、それがちょっとだけ巧くいったんだ」
- アウラ
- 「……そうですか」 それこそ、上手くいくまで 作ったのだろう。その痕跡が部屋の様子から見ては取れる
- ルトヴィーク
- 「あんまり、良い出来じゃないかもしれないけど」 アウラの部屋にあった、いくつかの装飾品を思い返して
- 「またアウローラの為に造るから、次はもう少し、巧くやるから……今はそれで貰ってくれる?」 頭を掻いて、締まらない様子で首を傾げてみせた。
- アウラ
- 「……」 胸中は複雑そのもので 何も知らない誰かからの贈り物なら、間違いなく突き返していただろう
- 「…‥ありがとうございます。ルトヴィーク」 ルトの言葉に頷くようにして 少女は受け取りを許諾した
- 「……ただ、一つ約束をしていただいてもいいですか?」
- ルトヴィーク
- 「……」 沈黙に、何も感じなかった訳ではないが やがて頷いたアウラに、小さく頷いた。
- 「約束?」
- アウラ
- 「このネックレスの素材は、貴方の角。それは間違いありませんわね?」
- ルトヴィーク
- 「うん、そうだけど」 頷いて、瘤を示してみせた。
- アウラ
- 「これを作るために、貴方は何回自分を傷つけました?」
- ルトヴィーク
- 「え、っと」
- ひとつ、ふたつ。みっつよっつ、とぱたぱたと指を折って
- 「――7回、かな。それと、もう一つ残ってるのがあるけど」
- アウラ
- 「次また、作っていただけるなら」
- ルトヴィーク
- 「元の大きさが、それとは違うから」 首飾りを示しながら、瘤を叩き
- アウラ
- 「今度は違う素材で作ってみてください」
- 「私は、貴方が自分を傷つけて作ったものを頂いても、困ってしまいますわ」
- ルトヴィーク
- 「……でも、これが一番」
- 「御守りって奴に、なると思ったんだ。傭兵時代、聞いた覚えがあって」
- アウラ
- 「お守り…ですか」
- ルトヴィーク
- 頷いて 「……違う?」
- アウラ
- 「いえ、角飾りは確かに‥」 違いません、と
- 「……ただ、やっぱり」
- 「角を折ったりすることはしてほしくはありませんわ」
- ルトヴィーク
- 「……」 「痛いとか、そういうのはないけど」
- アウラ
- 「痛みがないのは、…知っていますが」
- 「例えば、私が自分の髪で編んだなにかを貴方に渡したとしましょう」
- ルトヴィーク
- 「嫌だ」
- アウラ
- 「何かが損なわれると‥…それと同じですわ」
- ルトヴィーク
- 言い終える前に答えると、少し解った様にして
- 「……それは嫌だから、それなら」
- 「もうしない。……」 例え話ではあるが、だからそっちもするなよ、と言いたげだ。
- アウラ
- 「…‥分かっていただけて嬉しいですわ」 ようやく笑って
- ルトヴィーク
- 「ん。……貰ってくれて、ありがとう」
- アウラ
- 手のひらの中に収まる角飾りを見て 改めて眺める 「…お守り、というからには」
- 「身に着けねば意味がありませんわね」 ルトヴィークの方に角飾りを載せた手を伸ばして 「着けていただいてもよろしいですか?」
- ルトヴィーク
- 「……俺が、つけるの?」 その手に首を傾げて
- アウラ
- 「私に着けていただきたいのです。貴方の手で」
- ルトヴィーク
- 「……」 わからない、というように頭を掻いて ゆっくりと頷くと、角飾りを受け取りながら、背後へと回っていく。
- 一度結び目を解いて、首に回そうと手を伸ばして 「触っていい?」
- アウラ
- 「ええ」
- ルトヴィーク
- ゆっくりと角飾りを首に回して、逐一苦しくないか、と確認を取りながら
- 柔く結ぶと、正面へと戻ってくる。
- 「……こんな感じ、かな」
- アウラ
- ルトヴィークに任せるように 聞かれれば答えるが、彼が最適と思うところを決めるまでは決して口に出さない
- 「……ええ、」 頷いて 「ありがとうございます」
- ルトヴィーク
- 首を横に振りながら、アウラの胸に手を伸ばし 角飾りを指先で掴む。
- アウラ
- 反射的に ぱし、と軽く叩いて 「…あ」
- ルトヴィーク
- 「――……ん」
- アウラ
- 「…‥ごめんなさい」
- ルトヴィーク
- 「……」 何で叩かれたのかも、何で謝られたのかもわからない。
- 「え、っと」 「なんで?」
- アウラ
- 「……あまり、無遠慮に胸元に手を伸ばしてはいけません。それはそれとして、勘違いで叩いてしまいましたから」
- ルトヴィーク
- 「……」 んー、と小さく唸りながら、わかった、と声に出して頷いて 「それ、触っていい?」
- 角飾りを示しつつ。
- アウラ
- 「ええ」
- ルトヴィーク
- 頷いて、酷くゆっくりと手を伸ばして
- 「……前みたいなのはもう嫌だから。代わりに、お願い」 角飾りに手を触れ、小さく呟いた。
- アウラ
- 「……伺いましょう」
- ルトヴィーク
- 「俺を呼んで。俺が行くまでは――多分、こいつがアウローラを守るから」
- 「……呼ぶって言ってくれてたけど、俺が着くまでの御守り」
- アウラ
- 「…分かりました」 ふふ、と笑ってみせてから頷いて 「大丈夫です」
- ルトヴィーク
- 「……俺も、」
- 躊躇いがちに言うと、口にするつもりはなかったのか、少し言葉は詰まらせて
- 「アウローラを、呼んでも良い?」
- アウラ
- 「…ええ」 その言葉に 「勿論ですわ」 優しい笑みが浮かんで
- 「届かせます。貴方の居るところまで祈りを」
- ルトヴィーク
- 「うん。俺も、ちゃんと帰ってくる」
- 「アウローラの声が、また聴きたいから」
- アウラ
- 「……」 少し目を閉じて
- 「……今日は、どうしましょうか」
- ルトヴィーク
- 「……そう、だな」 頭を掻いて
- 思案する。何をするか、したいか。
- 暫く考えて、 「――アウローラの声が聞こえたら、それでいい」
- アウラ
- 「では、少し付き合って頂いてもよろしいですか?」
- 「貴方の服を選びに行きましょう」
- ルトヴィーク
- 「? うん、いいけど――、」 ああ、そういえば。
- 「……任せる」 よくわからないし。
- アウラ
- 「ええ。行きましょう…昼食を摂ってから、がいいですわね」
- ルトヴィーク
- 「下で良い? 人、少なかったし」
- アウラ
- 「ええ」
- ルトヴィーク
- 「じゃあ、行こう」 席を立って、座ったままのアウラに手を差し伸べる。
- アウラ
- 「コートとマフラーを取らせてくださいね」 手はすぐには取らずに立ち上がって
- ハンガーから下ろすと改めて手を重ねる
- ルトヴィーク
- その手を、少しだけ嬉しそうに取って
- そのまま階下へと歩いて行った。
- ルトヴィーク
- これくらい。
- アウラ
- ええ
- 危うく。声が聞きたいと言われて
- もう一度言ってくださいと
- いいそうになるのをこらえる私でした
- ルトヴィーク
- 言いなさい、なら
- 素直に言いそうなのにね。
- アウラ
- もっと深い関係になったらお願いじゃなくなりますわ
- ルトヴィーク
- そういうところは
- いいや。怒られそうだし戻るね。
- アウラ
- では、キャラクターシートの方に記載しておきますわ
- なにか?
- ルトヴィーク
- わかった。今は普通のフレーバーだよ。
- なにもないよ。
- アウラ
- ではお付き合いありがとうございました
- ルトヴィーク
- うん、ありがとう。
- )))
- アウラ
- )))
- SYSTEM
- アウラが退室しました。
- SYSTEM
- ルトヴィークが退室しました。