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コモンルーム[Z]

20200204Z_0

SYSTEM
ルトヴィークが入室しました。
 
 
 
 
 
 
王都イルスファール、〈星の標〉――その2階のある部屋で、青年は寝台に寝転がっていた。
身体の疲れ――痛みを感じない青年には、倦怠感だけであるが――もある。とかく、普段通りではなかった。
 
ルトヴィーク
ゆっくりと、静かに流れる時間は嫌いではない。
煩いよりはずっといいし、口を開く必要がないのもいい。
傭兵時代(むかし)の様に駆り出されることもない。自分が好きなように、好きなだけ働け(ころせ)ばいい。
仕事を請けていない間は急ぐこともない。何も考えずに、ただじっとしていられる。
――……」 そう、ちょうどそこの小窓を覗いて、大好きな空を眺め続けていたって、誰も咎める事はない。
けれど、今は。
「…………」 晴れ渡る空を見るのは、少しだけ嫌だと思った。
 
 
ルトヴィーク
気が付けば、また眠っていたようだった。身体のだるさはまだなくならない。
空はまだ晴れたままで、雲の一つもかかっちゃいない。
そんな事を期待したのは、多分はじめてだったと思う。
「…………はら、へったな」 
独り言を呟いてみれば、乾いた喉が反抗する様に違和感を覚えさせてくる。
気に入らないな、と思ったけれど。乾いたのだから、潤さなければいけない。
腹も空いた。何か、肉かパンか食べよう。それと――
いや。
今はもう、食べたくない。……食べたくない。
「ん……」 ぐ、っと頭を掻いて ゆっくりと身体を起こす。
戻ってからずっと眠っていたから、きっと寝過ぎなんだろう。頭がくらくらするのが、少し鬱陶しい。
脱ぎ捨てたままの服を着て、ゆっくりと立ち上がる。
扉を開こう、として。
「………………」 大好きな音が、聞こえてくる事に気付いた。
 
 
ルトヴィーク
「……驚いたな」 音が聞こえた事が、じゃない。
そんな事を思えた事に、驚いた。……ここに来て、色々あったから、なんだろう。
扉に触れた手を放す。降りたら、多分この音は聴こえなくなるし、
またあの声を聴くのは、嫌だった。
少し考えて――でも、喉と腹が変だ。回らない頭は重いし、胸の辺りが何か煩い。
星の標(ここ)〉じゃなくても、飯は食える。――だから、(ここ)から出ればいい。
適当な上着を羽織って、ある程度の金を持つ。あとは特に、必要ないだろう。
窓を開くと、外の音のせいで、あの音は少し聞き取りづらくなった。
「……」 ぐ、と力を入れて 窓から抜け出る。落ちる先は店の裏――
 
 
ルトヴィーク
失敗した。
あんまりにも頭が働かないから、普段みたいに降りる事が出来なかった。
違和感はあるけど、血は出てないから多分大丈夫、だろう。
ゆっくりと身体を起こして、店の中の音に耳を傾ける。
2D6 → 8[5,3] +7-1 = 14
[
]
――、」 ピアノの音は、まだ続いていた。
店の壁に背をつけて、ゆっくりと目を伏せる。
――、……」 た、たん。たん、……たん。
聞いた事のある曲だった。少しだけ、覚えているくらいには。
じっとして、耳を傾けて――
 
 
ルトヴィーク
――演奏が終わる。
それは、今までも何度も経験してきた事だったけど、
終わる事がわかる事は、あんまりなかった。
もう少しだけ続けばいいのに、とか。思った気がする。
アウローラの音が聞こえなくなっても、少し待ってみる。次があるかもしれないと思ったから。
「……終わり、か」 あんまり待ってないかもしれないし、すごく待ったかもしれない。
ぼんやりする頭じゃ、あんまり考えつかなかったけど。
この音(ピアノ)は聴きたいけど、あの音(こえ)は、今は聴きたくなかった。
――いや、聴きたいけど。言葉が、よくわからない。何て言えば良いのかわからなくて、やっぱり腹の上が変だ。
立ち上がって、ゆっくり歩く。また、演奏が始まるかもしれないから気になったけど
次は、なかった。
 
 
ルトヴィーク
適当に飲んで、適当に食って。
気付いたら、アウローラの神殿にいた。
今日は、約束の日じゃなかったけど――ローラの所に行こうと思った。アウローラが、今はいないって解ってるから、だけど。
――なあ、ローラに会いにきたんだ」 俺から声をかけると、神殿の奴は少し驚いた様にしてた。
いつも、向こうがアウローラを呼んでたからだと思う。自分から声をかけたのは、はじめてだったかもしれない。
2D6 → 8[3,5] +7 = 15
入る前、俺を見ながらクビワツキ、とか言ってる人がいる事に気付いた。
どういう意味かは知らないけど、そういう風に呼ぶ奴がいる事は知ってる。……よくわかんないし、どうでもいいんだけど。
でも――確か、アウローラは。良い顔はしてなかった、かもしれない。
嫌われたのは、俺がそう言われる様な事をしてたからかもしれない、とか
考えながら――連れていかれた。
 
 
ルトヴィーク
ローラは、まだ俺にはあまり触らせてくれない。
言われた様に、手を下から伸ばしたりとか
目を見ない――犬は目を見ちゃいけないらしい――とか
そういう事をやってはみるけど、うまくいかない。
「ローラ」 名前を呼んで、手を下から差し伸べてみる。
「おいで」 なるべく静かに、ゆっくり。確か、そう言われてた。
つん、として、いつも通りローラはこっちに寄ってきてはくれない。――と、思ってたのに。
この日は、ゆっくりと俺の手に鼻を近づけてきた。あまりない事だったから、少し驚いた。
「……」 また噛まれると思ったけど、ゆっくり頭を押し付けてくるローラは、
なんとなく 今の俺と同じ顔をしてる気がして、
「……やめろよ」 そんな顔をするのは。
「……」 いつも、アウローラにするみたいに手に寄ってくるローラは
「……」 たぶん、顔だけじゃなく
「……ごめんな」 同じような事を、思ってるみたいに見えた。……気がした。
「俺じゃなくて、アウローラが良かったよな」 そうしたら、多分もっとお前も喜んだろうと思う。
「……でも、俺は」 もう片方の手も伸ばしてみても、ローラは嫌がらなかった。普段なら、すぐ逃げるか噛むのに。
「アウローラだけじゃなくて」 ゆっくりと持ち上げて、腕の中に収めてみる。――いつか言われたみたいに、ローラは暖かかった。
「お前も一緒だと、いいな」 少しだけ暴れたローラは、ゆっくりと大人しくなって
安心してくれているのか、わからないけど。俺なんかの腕に、丸まった。
「アウローラに会いたいよな。……俺も、だけど」
その後、少しして
神官に声をかけて、ローラを頼んで。
次の約束を取り決めて、――〈星の標〉へ向かう道を、大きく遠回りして
ゆっくり、帰った。
大好きな空色は、宿につく頃には真っ黒になっていて、
早く明ければいい、なんて
 
 
SYSTEM
ルトヴィークが退室しました。

出目統計

23456789101112合計平均
23456789101112合計平均
ルトヴィーク
0.0%0.0%0.0%0.0%0.0%0.0%2100.0%0.0%0.0%0.0%0.0%2回8.00
背景
BGM