- SYSTEM
- エメロードが入室しました。
- SYSTEM
- ヴェルトが入室しました。
- ヴェルト
- ふう
- エメロード
- 自分で誘ったのに遅刻ですかぁ?
- ヴェルト
- 今日は冒険者になる日だ。
- ごめんなさい…ごめんなさい…
- 下手かもしれないけど、描写は僕がするね…
- じゃあいきます
- エメロード
- 行ってらっしゃいませ、ご主人ざまぁ
-
星の標・ラウンジ
- 早朝のことである。この時間帯は、依頼を受ける冒険者も、新しく冒険者として登録しにくる面々も多い。
- 特に星の標は数々の業績を残しているため、最近では加速度的に冒険者の数も増えていると聞く。
- 加えてずぶの初心者ではなく、ある程度の実力を持った人間も登録することも多いのだが──、今回の登録者はそれなりの実力は本当はあるものの、その開花に恵まれなかった1人の青年の話。
- ヴェルト
- 「──意外と早くもらえてしまったけど。いや、順番に並んでたら2,3人くらい抜かされちゃったけど」と、ガルバから登録者用の髪をもらい、その紙を眺めるのは人が良さそうな金髪の青年だ。少しあどけない顔をしているが、どこか人好きするような雰囲気を讃えている。
- ただし、どこかどんくさそうな雰囲気もしているだろう。
- 彼は礼儀正しく席に座り、その紙と睨めあう。別に難しいことが書いている訳ではない。
- むしろはじめての登録者は「これでいいのか?」と確認するものが多いほど簡素な内容である。
- だが──青年はペンを持つと悩み始めた。
- エメロード
- 髪を貰ってどうするんですかご主人様、クスクス、将来禿げるんですか?
- ヴェルト
- ぐぅ……
- ヴェルト
- 「(名前──いや。どうしよう。家族には迷惑かけたくないし、でもきちんと親孝行はしたいし。これはパスして)」
- 「(特技──操霊術はなんとなく。でも妖精魔法は──いや、妖精に馬鹿にされてるし、特技になるのかな……これもパスして)」
- 「(ぶ、武器……、これは槍なら……でも、前のが埋まってないし)」
- 「(その他備考……。釣り師……? 天気予測士いやいや……あれは”悪戯妖精”のおかげで)」と思っていて
- 「か、書けない……」と頭を抱えた
- ガルバ
- 「……」用紙を受け取ったというのに一向に書き始めず、もたつく青年を辛抱強く待っているが、正直何やってんだあいつという気持ちが無いではない
- ヴェルト
- かろうじで、槍だけ書いて……、そこから紙と睨めあいっこになる青年。いや、普通に全部書けばいいのだ。名前も偽名でもいいのだ。操霊術も、妖精魔法も使えればかけばいいのだ。
- しかし、それができない。これが彼である。良く言えば正直者。悪く言えばどんくさい。
- エメロード
- そろそろか ところで呼び名はなにがいいですか?
- ヴェルト
- なんかヴォルト坊ちゃんをベースに、御主人ざまぁとか、10パターンくらい
- バリエーションありそうじゃない?
- ヴェルト
- 「(ど、どうしたものか……)」
- ヴェルト
- ヴェルト
- エメロード
- 坊ちゃん?ご主人様? 旦那さまではありませんし、無能(ヴェールトロース)様?
- ヴェルト
- 無能様www
- 坊ちゃんじゃないかな? 無能様もいいそう
- せっかく自分で道を選んで踏み出したというのに、生来の要領の悪さを発揮して出だしから無駄に躓く青年。
- そんな青年の鼻腔にふわりと、甘く、どこか気持ちを落ち着かせるような香りが届いた。青りんごの薫り……屋敷でよく彼女が好んでつけていた香水の匂い
- 背後から白い腕が伸びる。ペンを持つ手にそっと重ねられるしなやかな指。
- そのまま青年の手ごとペンを握ると、彼自身が書くよりもずっと流麗な字で名前の欄に『ヴェルトラム』と綴った。
- 「はぁ」というため息が耳元をくすぐる。背中に温かく弾力のある感触が2つ。青りんごの薫りがより甘く、鼻腔をくすぐる。
- ヴェルト
- 「──あ」と、嗅いだことがある落ち着く匂い。手の感触。そして、嫌というほどみた。けれども、本当に綺麗で流暢な字を見て目を開く。
- 「(あ、これすき)」とかなんか思いつつ
- 手と背中、耳元に感じていた感触と気配は、青年が振り向く前にスッと離れていく。
- そこに立っているのはストロベリーブロンドの髪を長く伸ばし、豊満な肢体を目に毒なくらい大胆なメイド服に収めた(収まり切っているといえるのか)一人の娘だ。エメラルドグリーンの瞳に呆れの色を浮かべている。
- ヴェルト
- 「えっと……ありがとう。メロ」と、振り返るまでもなく気付いていた。その対象に感謝を述べ……。ん、何かおかしいぞ。と悩み始める。
- 「あ、あれ……メロ?」
- エメロード
- 「はぁぁ……」メロ、と呼ばれた娘は再び大きなため息を吐いてみせ、
- 「坊ちゃんはとうとう名前の一つも満足に書けなくなってしまったんですか? 流石にありませんよ」口をついて出たのは辛辣な一言だ
- ヴェルト
- 「い、いや……というかなんでメロがここにいるの……? いやいや、それはいいとして」
- 「名前を書けなかったのはその……家族に迷惑かけるかなと。でも三男の僕がちゃんと冒険者として仕事できてることを言うのなら、ちゃんと書いた方がいいかなと思って──えっと、その」
- エメロード
- 「『ヴェルトラム』ではなく『無能』とお書きするべきだったんでしょうか?」質問に答えず、意地の悪い、小悪魔的な笑みを浮かべ
- ヴェルト
- 「ごめんなさい。どっちつかずでした──」と、メイドに頭を下げるという奇妙な光景が
- 「ぐぅうう……反論できない……」
- 「この経歴書の白紙具合みたら、無能ってよばれても、何も言い貸せない……」と、経歴書を見る
- 名前ヴェルトラム 使用武器 槍 以上
- 返せない
- エメロード
- 「大体、ご主人様に偽名での受け答えなんて器用な真似が出来るとも思えませんし、こういう職業でわざわざ家名を公表するなんて、むしろ非推奨ですよ」
- 「そういうのは成功してから許される事だと思わないんですかぁ?」
- ヴェルト
- 「うっ……」と、メイド姿の彼女に言われた。確かに良く考えればそうであった。
- 「うぐっ……」図星に図星を重ねられるとどうなるか。
- 何も言い返せなくなるのである
- 本来ならば、そもそもなぜ君がここにいるんだ。と言い返すべきなのだろう。しかし
- 「ごめんなさい……」と、また謝っていた
- 彼女はエメロード。青年の実家に仕えるメイドだ。幼いころからの付き合いで気心が知れた仲だが、こうして歯に衣を着せない辛辣な言葉をよく投げかけてくる。
お人好しの青年が言い返せないのを良いことに言いたい放題といっても良い。
- ヴェルト
- 「質問いいかな……?」と、何故か青年がメイドに質問を請う妙なシチュエーションができている
- エメロード
- 「何ですか、今後の身の振り方についてですか?」
- ヴェルト
- 「いや、それもそうなんだけどさ……そこ突かれるともうどうしようもなく苦しくなるんですけどさ」と、ようやくここで、本来最初に聞かなければならないことを聞くのだ。
- 「メロ、なんでここにいるの?」
- エメロード
- 「はぁ…」三度目の溜息を吐いて、腕を組んだ。組んだ腕が半ば隠れてしまうのはご愛敬だが
- 「ヴェールト様が残していかれた稚拙で乱雑な置手紙については、メロが旦那様にきちんと説明をしておきました」 その言葉は疑問に対する答えというには少々趣が異なるものだった。
- ヴェルト
- 「そんなに乱雑だった? 一応、説明するべきことはしたと思うんだけど……」と、メロに伺いを立てるように。
- 「だめだったみたいだね……。ごめんなさい……」と、ため息からのコンボからもう予想はついていた
- エメロード
- 「あれが説明だというなら、パスタとピッツァも材料が同じだから同じものだというくらいには乱雑でしたが何か?」
- ヴェルト
- 「──大分違うね……」と、素直である。おそらく自分にもわかるような例えを彼女はしてくれたのだろうと、解釈してしまう。
- エメロード
- 「武術の師範から少しばかり筋が良いと言われて、真に受けてしまっているだけで、一過性の病気みたいなものだと思いますので、それまで思うようにさせてあげたらいかがですか? とお伝えしたうえで」
- 「メロが同伴いたしますのでどうぞご安心ください、と申しましたら快諾いただけました」満開の花のような笑みを浮かべてそう続けた。
- ヴェルト
- 「うぐぅ……」一過性の病気という言葉にはかなりグサっときてしまう。今までの自分がしてきたこと。釣り、天気予報し、宝石、商売、領地経営etc、少しやってみたが、いずれも挫折。いや前者2つは、妖精の力があればできないこともないが……。
- それでも熟練しない自身の腕のことを言われるのは痛い。事実であるのだが──。なのだが。
- 「あ、ありがとう……。メロ。いつも迷惑かけてばかりでごめん──ってん?」と、ここでおかしさに気づく
- 「同伴……?」
- 「どうはん」
- エメロード
- 屋敷における彼女の評価は高い。力こそ乏しいが、器用で利発で、なんでもそつなくこなすので家人からとても信頼されている。
- 「同伴とは『いっしょに連れて行くこと』を意味します、お分かりですか?」
- ヴェルト
- 「アッハイ。分かる、さすがにそれくらいは分かるけど。つまり──」
- エメロード
- 「この場合、どちらがどちらを、という事になるのかはさておきますが――」
- ヴェルト
- 「め、メロもついてくるってこと──ッ! いやいや、ちょっとまって、流石に冒険者で魔物と戦うこともあるんだ──そんなことメロのがきけ──」と、言いかけて
- 瀟洒で完璧で、ちょっと官能的な今までの彼女が走馬灯のように浮かび上がり。彼の中の結論ができる。
- 「多分、僕の方が危険だな……」信頼からかそう言葉がでてしまった。
- エメロード
- 「旦那様にはお暇をいただきましたので、メロも冒険者をする事にいたします」
- 「よくお分かりで。いかがですか? お帰りはあちらですが」故郷の咆哮を指差して
- ヴェルト
- 「メロは冒険者でも上手くやっていくだろうな……」と、故郷の方角を見て
- と、普段の彼ならばメロが言うのならそうかもしれないと、踵を返したかもしれない。だけど、もう一度、彼女に書いてもらった冒険者登録用紙を見る。
- 「──………。このままだと結局、家族の役に立てないままなんだよな……。迷惑をかけてるのは今も、メロにもそうなんだけど」と、振り向いて。ようやくペンを握った。
- エメロード
- 「お邪魔にはならない程度に訓練を積んだつもりではございます」楚々とした佇まいでスカートの両端を摘まんでカーテシーを見せ
- 「少なくとも、ヴェルト様よりは」
- ヴェルト
- 自分ができること、先ほどまで書けなかったことすべて書いていく。操霊術、妖精魔法。魔動機術。並べればそれなりの経歴に見えるだろう
- 「ぐぅ……メロならそうなんだと思う。何でもできるもんな……」と、彼女の嫌味ったらしい言い方にも、特に不快な気分を見せず、そして、登録用紙をかき上げた
- 「これでいいと思う…?」と、何だかんだ甘えてしまうのだが。きちんと必要事項を埋めた紙をメロに見せる
- エメロード
- 『少なくとも、ヴェルト様よりは』 その言葉がかかっているのは邪魔にならない、というところにではなく――
- 「メロは自分に出来る事と出来ない事ははっきりと分かっておりますので」用紙に書き込まれた3系統もの魔法、どれも彼女には扱えなかったものだ
- 「何でもかんでも節操なく手を出す浮気性のご主人様らしい経歴で結構なことかと思います」
- ヴェルト
- 「──うぐぅ……」と、冷たく返されたが。結構な事かと思いますは、彼女の最低限はいいだろうという答えでもある。
- ふと、久しぶりに聞いたかもしれない。結構な事かと思います。その言葉に
- 「ありがとう。それと──メロ。来てくれてありがとう。その──いつも迷惑かけてばかりだけど……一緒に冒険者をしてくれるなら心強いよ」と、ようやく緊張が解けた顔を見せた。多分、また罵倒されるなあと思いつつ。それでも言わなければ済まなかったのだ。
- 「ところで、メロは。登録用紙は──」言いかけて
- 「もう書いてますよね……」がくりと項垂れた
- エメロード
- 「昨日のうちに済ませています。宿ももうとってありますので、ご案内しますね」
- ヴェルト
- 「──え、嘘……僕より早くついてたの……、あ、宿のこと忘れてた……」
- 「……はい……」と、登録用紙を提出すると、子犬のようにメイドについていくのであった。
- ただガルバには『大変お待たせして申し訳ございませんでした』と謝罪していた。こういう変な所で律義なのである。
- エメロード
- 「これから長く滞在する事になるんですよ? 行き当たりばったりで質の悪い宿につかまったら大きな損失じゃないですか」
- ヴェルト
- 「確かにそうだね…。僕ならともかく、メロが一緒に来るなら質の悪い宿になんか到底泊まらせられない」
- 「それこそ。一応。僕が冒険者になるためにためてきたお金を切り崩してでも良い宿を──って、もう手配しているんだよね」
- 「──ハイ」
- エメロード
- 「ええ、きちんとツインでとってあります」
- ヴェルト
- 「流石だ…」
- エメロード
- 「……冗談です。伝わらないとは思いませんでしたが」
- ツインルームといえば一部屋にベッドが二つ、だ
- ヴェルト
- 「え?」と、普通なら気づくであろう。男女のツインの意味を流してしまうこの鈍感さ。
- やはりぼんやりしているのである
- エメロード
- 「では、宿に着いたら冒険者ランクの取得に向けて講習をさせていただきますね」
- ヴェルト
- 「ちょっとまって! 仕事をこなさないと、ランクは──あっ」と、気づき
- 「教養面とか手続きとか、そういうところか……はい。お願いします……」と、流石にわかったようで
- エメロード
- 「旦那様には一時の気の迷いと説明しましたが……坊ちゃんはそうではないのでしょうから」
- 「途中でリタイアするにしても、せめて名剣程度にはなっていただきませんと、メロの監督不行き届きになってしまいます」
- ヴェルト
- 「そうだね。今度こそ、そうありたい──何回もそういってきたけど。今度こそそうありたい」と、俯いて今までを思い出しながら。けれども、名剣程度になっていただかないとという言葉に
- 「うん。だから、頼むよ。メロ」と、はっきりと彼女の目をみつめて。改めて返した。
- エメロード
- 「……」その名の由来になったエメラルドグリーンに主の姿を映し込んでしばし立ち尽くし
- 「本当に、しょうがないご主人様ですね」くるりと後ろを向いてそう言った。
- ヴェルト
- ごめんなさいと、再び申し訳なさそうな顔をしつつ。彼女についていく青年。その後、メイドに罵倒されながら講習と、冒険者の基本を叩き込まれるのはまた別の話だろう。
- エメロード
- 「さあ、早く手続きを済ませてきてください。――ああ、いえ、結構です。メロが済ませて参ります」
- ヴェルト
- 「あ、ちょっと──あ、あ……」と、動く前にメロに持っていかれてしまった。
- エメロード
- 何故か顔を背けたまま、用紙を奪い取ると足早にカウンターへと向かい、テキパキと手続きを完了させた。
- ヴェルト
- 「──またやってもらってしまったな……」と、頭を悩ませていた
- かくして、グラナートロート家の三男坊ヴェルトラウムは、冒険者ヴェルトラウムとして第一歩を踏み出すことになったのだった。
- ヴェルト
- 初仕事がどのようなものになるかはそれこそ、未来しか知る由もないだろう。だが無能なりにはパーツはそろっている……のかもしれない。
- ヴェルト
- こんな感じかな…
- エメロード
- ええ
- ヴェルト
- 今日のメロはとてもやさしかった
- エメロード
- 坊ちゃんらしい締まらないスタートでしたね
- ヴェルト
- 締まらないスタートでしたね…
- エメロード
- メロがいつ厳しくしたというんですか>
- ヴェルト
- いつも優しい><
- 後は☆1卓がたつのを
- まつだけね
- 今日完成させておこう(GM後
- エメロード
- こっちで立てて同行者にしてもいいし
- 機会を待つのも良い
- ヴェルト
- うむ
- とりあえず導入サンキューよ。楽しかった。
- エメロード
- こちらこそ
- ヴェルト
- ☆3まで成長していく様をみていかなきゃ…
- メロはママなんじゃないか…???
- エメロード
- 今度とも末永く可愛がってくださいませ
- ヴェルト
- わーい
- 取りま撤収しよう。おつおつー
- エメロード
- おつかれさまー
- SYSTEM
- ヴェルトが退室しました。
- SYSTEM
- エメロードが退室しました。