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コモンルーム[Y]

20200122Y_0

SYSTEM
ユーノスが入室しました。
SYSTEM
クリムヒルトが入室しました。
ユーノス
……
クリムヒルト
どうした
ユーノス
いえ、まだ怒っていらっしゃるかと。
〈星の標〉で宜しいですか? どこかあれば、それでも。
クリムヒルト
引きずる程の事ではない
ああ、構わん
ユーノス
では
 
 
 
 
 
  
――王都イルスファールにある冒険者ギルド支店のひとつ、〈星の標〉。
日中のこの宿は、およそ静かである時間の方が短い。
朝の争奪戦から、昼頃までの敗者復活戦(ここでは突発の依頼などを指す)。夜にはちらほらと戻ってくる者もいる。
活気がある、というのが的を射ているだろうが――
この日の〈星の標〉は、中々に賑やかであった。
 
ユーノス
――……ふう」 埋まっているカウンター席を一瞥しながら、他に使う者がいないか一度見回しながら、小さなテーブル席へとつく。
この日は冒険者として店を訪れたというよりも、神官としての仕事を終え、夕食を摂りに来たのだろう。
普段は持ち合わせている背負い袋は近くには無く、机にはいくつかの書類とペン、注文したであろう珈琲とサンドイッチが置かれている。
ううむ、と目頭を押さえながら一つ息を吐き――ゆっくりと周囲へと視線を移す。
ユーノス
さ、どうぞ。
 
からんからん、と 一組の男女が店を出て行くのと入れ替わるように 深い紅のフードを被った小柄な人影が入店する
槍を肩で支えながら 左手で保持し ゆっくりとカウンターへと進んでいく
クリムヒルト
ガルバと短いやり取りをして わずかな額の銀貨を受け取ると 漸く店内を見回した
とても賑やかだ。冒険者達がたむろしているのを見て 少女に見える女性は、小さく息をついた
ここのシチューを気に入っている女性は、このままここで夕食を取るつもりだったが、いつも以上に店は混んでいた
ユーノス
――……」 栄養を摂っているのかも解らない、矮躯の少年や、ピアノを演奏する女性と、その音色に耳を傾けているのか、独りでぼんやりとしている青年などをぐるりと見回し 
――、……」 最後に、店内を見回す顔見知りの少女を瞳に映すと 少し考えた後、ゆっくりと手を振ってみせた。
クリムヒルト
「──、」致し方ない。そう結論付けると 出入り口に向けて足を向けようとして 「………」 独りの少年が手を振る姿が目に入る
葛藤は一瞬だった が 結局、シチューを求める腹の虫に、少女は敗北したのだ 「……」 一つ息をつくと 少年が座るテーブルへと足を進めた
ユーノス
手のひらで、2人掛けのテーブルの向かいを示し 小さく首を傾げてみる。
少女の葛藤の事など微塵も理解はしていなかったが、歩を進める様子を確認すると、眼に見えて喜び、頷いてみせた。
クリムヒルト
「……」 礼を言う訳でもなく、黙って席に着いて 「……何の用だ」 とハスキーな声で問う
ユーノス
「……」 そう来るのか。心中で呟き
「……自分も、まだ食べておりませんでしたので。夕食はもう、摂られましたか?」 やや間を置き、サンドイッチに視線を向けると思いついた様にそう口にした。
「一人よりは、見知った方と……と思いまして。いかがでしょう」
クリムヒルト
「……」小さく息をついて 「……まだだ」短く回答する
ユーノス
その返事を聞いて、微笑みながら返事を待つ。
クリムヒルト
「席が他にない」 微笑みが目に入ったのか、声音があからさまに不機嫌なものになって
ユーノス
「ええ。だからお誘いしました」 頷きながら、書類をひとつ手に取る。
クリムヒルト
「……シチューとバケットを頼む。それからエールだ」 店員を呼びつけて、手短に注文する 
ユーノス
そのまま書類を纏めていく。視線を落とすのならば、ある"奈落の魔域"について記載されているものだと読み取れる。
クリムヒルト
「……」 フードの中から書類に目を走らせて 「仕事か」
短く呟く
ユーノス
「……」 とん、と書類を纏めて 「仕事というよりは……自分の使命、だと思っていますよ」
クリムヒルト
「イーヴ……"奈落の盾神"の声を聴いたが故か」
ユーノス
「ええ。故に、"奈落の魔域"を閉ざすことも、それを拓く魔神を討つ――」 言葉を切って、自嘲気味に笑って 「手伝いをすることも、自分の使命です」
「そういう意味では、あの列車の。あの場に居合わせた事も、或いはお導きなのかもしれない」
クリムヒルト
「………ふん」
「心がけだけは、評価してやる」
ユーノス
困った様に笑って、サンドイッチに手を付ける。 「いいんですよ。ご理解を頂けずとも、使命(それ)がそうであるという事には変わりありません」
クリムヒルト
「……魔神を自ら討とうとは思わなかったのか」
ユーノス
サンドイッチを運ぶ手を止めて、苦笑を浮かべながら、んん、と呻く。
クリムヒルト
「……手伝いという前」
「あたかもそうあるべしと思っていたと、感じたのでな」
「答えずとも、良い」
ユーノス
「……いえ。話のついででも、知ろうと思って頂けたのであれば。それに、隠す事でもありませんし」
「脚を、一度壊しているんです。今は辛うじて動きますが――戦士の真似事を続けていれば、いずれ完全に壊すだろう、とは」 言われていますね、と続け 珈琲を一口飲む。
クリムヒルト
「……」足をかばう様に動いていたのは、そのせいか 「なるほどな」
ユーノス
「自分も、貴女の様に在りたかった事は」 カップを置いて、紅玉の瞳を覗き込む。
「否定しません。……できません、が正しいか」
クリムヒルト
「──、そうか」
シチューとバケット。そしてエールのジョッキがテーブルに置かれる その場で銀貨を渡し フードを外す
ユーノス
フードを外し、露わになった白髪に視線を一瞬向けて もう一度、瞳に戻す。
クリムヒルト
銀細工に瞳の色と同じ宝石の髪飾りで後ろ髪を纏め 猛禽の羽とルビーで彩られた耳飾りも露になる
ジョッキを掴み 口を付けて一息に呷る ごっごっ と喉が鳴る音がして
「──うむ」 ジョッキを置いて 頷く
ユーノス
「……」 ちら、ともう一度白髪――ではなく、それを彩る装飾品に視線を移していたが
クリムヒルト
ジョッキの中身は僅かな泡を残して空になり 「……じろじろとなんだ」
ユーノス
「お酒、好まれるんですね」 意外そうに言って、向けられた言葉には両手で否定する様に示して
「いえ、美しいな、と」 真顔で答えると、視線をもう一度装飾品へと向ける。
クリムヒルト
「これは飲んだうちに入らん」
ユーノス
「……お供する際は気張らねば」 
クリムヒルト
「……」胡乱な表情をして 「‥‥これか」 髪飾りに触れて
ユーノス
「ええ。……ご自身で?」
クリムヒルト
「……何故、私が作ったと思った」
ユーノス
「……」 やべえ、という表情を一瞬だけ浮かべて
クリムヒルト
シチューに手をつけながら
ユーノス
「クリムヒルトさんが、ご自身で買うかな……とは…………」 声量は徐々に落ちて行く。
クリムヒルト
「ふん……」明らかに不機嫌になって 「無愛想なものは、飾る事すら不要というのがお前の持論か」
ユーノス
「不要、と言いたい訳では。興味がある印象ではなかった、というだけでありまして」
「…………も、申し訳ございません」 ゆっくりと頭を下げる。
クリムヒルト
「……」 この少年の推論も外れではないのだが、それを答えてやる義理もなく
フードを被り直す事で 会話を打ち切った
ユーノス
「…………」 フードを被り直した様子を見て 残念そうに少し肩を落とす。
クリムヒルト
バケットを小さくちぎり、口に運んで咀嚼する
ユーノス
何か、何かあったか。ええと、そうだ。
クリムヒルト
すまない。早く戻れたら10分程度だが長いと20分程度だ
少し席を外すぞ
ユーノス
――ご、ご自身でおつくりに……?」
ユーノス
承知致しました。自分も10分少々席を外させて頂きますね
クリムヒルト
戻った
クリムヒルト
「……何をだ」
ユーノス
「先程の、髪飾りなどは」
ユーノス
失礼しました、自分が遅れてしまった。
クリムヒルト
「……」 むす、とした様子で 「答える必要があるのか」
ユーノス
「はい、少なくとも自分には」
クリムヒルト
「………」普段なら斬って捨てて無視を決め込むところだが
「……そう言う事もある」 短く小さくそう呟いて
クリムヒルト
気にするな
ユーノス
「……」 「も」
「もう一度、見させて頂いても……?」 人差し指を立てて
クリムヒルト
はからずとも席を用意してくれた少年に そう答えてやった 「調子に乗るな」
ユーノス
「……であれば」 少ししゅんとしながら、斬り捨てたクリムヒルトの言葉に頷いた。
クリムヒルト
シチューをすくって口に運ぶと フードの中で満足そうに表情が動いた フードが無ければ、その様子は少年にもはっきりと見て取れたかもしれない
ユーノス
サンドイッチを伸ばした手をもう一度動かして、口へと運ぶ。
視線は一点して、クリムヒルトの顔――ではなく、フードへと向いている。
クリムヒルト
「──今度はなんだ」 シチューが半分ほど残った状態で 匙を置いて
ユーノス
「……いえ、本当に、本当に綺麗だったものですから」 頷いて 「しかし、気にさせてしまうのはよくありませんね、控えます」
クリムヒルト
「……」 小さく息をついて 「その辺りの知識でもあるのか」
ユーノス
「え」 想定していない返答を受けて 首を傾げながら
「ああ、はい。……家の絡みで、服飾には少しばかり」
クリムヒルト
「綺麗だなんだと言うのは誰にでも出来る」 「確りとした目が無ければ、その言葉は音に過ぎん」 
「……そうか」
ユーノス
「目が確りと……かは、わかりませんが」 頭を掻いて 「携わったものとして、遣わせて頂きたい――、とは」
「僭越ながら」
クリムヒルト
「一から彫り上げた訳ではない」 それだけだ、と言って シチューを片付ける事に再開する
ユーノス
「では、その」 食べ始めた小さな体に、薄く微笑みながら
「いつか、依頼をさせて頂いても宜しいですか?」
クリムヒルト
「本職に頼め」
「…エルフはやめておけ。納期がとんでもなく長いからな」
ユーノス
「いえ、貴女の作品を見て思った事ですから」 続いた言葉には苦笑して
クリムヒルト
「……ふん」
シチューを片付け終わると すっと席を立ち
ユーノス
「唐突な依頼である事は理解しています。ですので、クリムヒルトさんの気の向いた時にでも、……」 席を立ったクリムヒルトを見上げて、言葉を切る。
クリムヒルト
「気まぐれに期待するな‥‥もっと確実な道を選べ。小僧」
ユーノス
「冒険者としては、そうします。ですが、仕立て屋(テイラー)としては――
「自分の感性を信じます。そしてその感性が貴女の作品をというのであれば、やはりそれを信じますよ」
クリムヒルト
「──」 その言葉には何も答えず 脚を出入口の方に向けると、そのまま歩き出して
扉を越えて、そして夜の街に消えていった
ユーノス
――……」 その背中を見送って
「……」 さ、とペンを走らせる。そのままさらさらと記していき
「綺麗、だったな」 ぼうっと、少女の消えた闇へと視線を向けていた。
ユーノス
自分からはこれで。
クリムヒルト
うむ
ユーノス
しない、とは
仰りませんでしたね
クリムヒルト
既製品(スマルティエ)を弄っただけだ
気まぐれに期待するなとは言ったぞ
ユーノス
完全な拒否でないなら、十分ですよ
クリムヒルト
物好きな奴だ
ユーノス
では、またお会いしましょう。
クリムヒルト
ああ
)))
SYSTEM
クリムヒルトが退室しました。
ユーノス
しつこくてお人好しでネッチョリ系ですからね。
)))
SYSTEM
ユーノスが退室しました。
背景
BGM