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コモンルーム[V]

20200122V_0

SYSTEM
シリカが入室しました。
シリカ
うむ。
SYSTEM
フランシアが入室しました。
フランシア
はい
場を作っておきましょう 時系列はやはり、シリカが仕事に行く前でしょうし
シリカ
だろうな。
昨日やったやつの前か後かはどちらがいい。
フランシア
前にしましょうか
シリカ
よかろう。
フランシア
では、私が導入を担当します
シリカ
任せた。
 
 
 
 
 
 
 
リアン地方イルスファール王国 〈星の標〉
国内でも有数の冒険者ギルド支店として知られるこの店は
依頼達成率もさることながら、多くの冒険者を魅了する料理に関しても、食をよく知るものからすると有名である
量の調整、ドワーフ料理、リルドラケン料理、コボルド料理からリアンの郷土料理。他地方からのレシピや創作料理などもある
そのためか、仕事でなくても足を運ぶものも少なくはない
依頼も捌けた頃合い、冬の日の午後
遅めの昼食を、フランシアとシリカはここで摂っていた
フランシア
藤色の瞳に金色の髪の少女は、白いブラウスにベージュ色の厚いカーデガン。白いスカート姿で。白いコートとマフラーを席の1つにかけて ランチセットを前に、対面の友人の健啖家ぶりを見ていた
シリカ
その娘の対面に座るのは、黒のニットに同色のスカートを着た長い白銀の髪の娘。
隣の席に白いロングジャケットを掛け、注文した料理の数々を、運ばれるごとにすぐに平らげていく。
その恐ろしいまでの健啖ぶりと、側頭部に生えた黒い角さえなければ、目の前の娘と同様、両家の令嬢らしくも見えたかもしれないが……
――足りん。次を持ってこい」 通りがかった店員へと、空の皿を手に持って次を注文した。
フランシア
「…お願いします」 困惑しているだろう店員に微笑を向けると見送って
シリカ
「いくら私が食べる方だとはいえ……」 目の前に食べるものが無くなると、対面の友人の前へと目を向けて。 「貴様も貴様で、もう少し食ったらどうだ」
フランシア
「シリカを見ていると、それだけでお腹が膨れてしまいそうです」 ふふ、と笑って 「ちゃんと必要な分は摂っています」
「もう少し、背が欲しいところですし…‥」
シリカ
「実際に口にしていないのに、腹が満たされるわけないだろう」 腕を組み、いつものように鼻を鳴らす。 「上背が欲しければ、それこそ食べねばいかんのではないか」
フランシア
「せめてシリカを超えたいです」 ほんの少し、友人より小さいのは分かっている事で
シリカ
「大した差ではないだろう。人間ならば、貴様くらいが普通だとも聞く」
「私など、種族の平均――といっても、アテにならんかもしれんが――それよりだいぶ低い上に、周りに巨人族などが居る環境に身を置いていたのだぞ」
フランシア
「……」 いめーじいめーじ
「……小さなシリカ、というのも新鮮ですね」
シリカ
「……そうか? ここでも、別に高い方ではないと思うが」
フランシア
「身長以上に、大きく見えるからでしょうか」
「追いかける背中は、高く感じるのかもしれません」 笑って 「父も、それほど背が高い方ではないはずですが、やはり大きく感じますし」
シリカ
「鎧を身に着けていることやヒールのある靴を履いていることが多いからかもしれんな」
「貴様の父はともかく……私のことを追いかけているつもりだったのか」
フランシア
「現実的なことを言われてしまいました…」
シリカ
「そういう物理的な話だと思ったからな」
フランシア
「対等と仰ってくれますが、やはり至らぬところがあるのは自覚していますから」
「自信を持って、並び立てたら、というのが」 シリカを見つめて 「今の目標です」
シリカ
「それは私も同じことだ。まだまだ道半ばどころか、昔の自分にすら追いつけていない」
「ふん」 腕を組み。 「実力的な問題というよりも、貴様の気構えの問題だろうな」
SYSTEM
ルトヴィークが入室しました。
 
――からん。扉のベルが鳴り、それがゆっくりと開かれる。
フランシア
「やはりシリカは厳しいです」口ではそう言うが、また笑って
 
開かれた先から入って来るのは、雑な服装の青年だ。洒落っ気は欠片もなく、有り合わせの安物だけで纏められている。
シリカ
「厳しくはない。現実的なことを――」 注文した料理の皿を従業員から受け取りながら、ドアの方を見た。
 
毛先に向けて色の抜けて行く黒髪は、服装と同じく整えられていない。雑に伸びたままだが、その合間からは鉄色の瞳が覗いている。
フランシア
「……」 シリカの視線を目で追って
ルトヴィーク
――……」 それだけであれば、特段目立ちもしないが。武具でも購入してきたのか、手には2mを超える大柄の包みを持っている。
シリカ
何故か一緒に運ばれてきていた野菜スティックをディップにつけずにそのまま齧って。 「どこかで見た顔だな」
ルトヴィーク
のそのそと歩きながら、ドアなどに包みをぶつけては小さく息を吐き シリカの声に視線を向けると、あー……とまた声を出した。
シリカ
「……」 何も見ずにとりあえず取ったけど、何故注文してもいないものが付いてきたのだろう。まあいいか。
ぽりぽりと野菜スティックを咀嚼し、呑み込んで。 「何か用か」
ルトヴィーク
「喧嘩してた奴」 アウローラと。視線を向けて言うと、その包みを重そうに置いた。
シリカ
「喧嘩? ああ、貴様の飼い主とか」
フランシア
「こんにちは…シリカの、お知り合いですか?」
ルトヴィーク
「別にそういうのじゃないけど」 さして気にする風でもなく、適当に包みを立てかけて
「そうなの?」 >シリカ
シリカ
「まあ、一応は知り合いなのではないか。仕事を一緒したことはあるからな」
ルトヴィーク
「それくらいだよ」 名前も朧気だし。フランシアにそう言って
「知り合い?」 こちらはシリカに、フランシアを示して
シリカ
「ああ。私が寝泊まりしている屋敷の主の娘だ」
フランシア
「シリカがお世話になりました。フランシア・リンザーと申します」 胸に手を当てて一礼する>ルトヴィーク
シリカ
「しかし、それくらいとはな。一応、私は自身よりも貴様を優先して怪我を癒してやった覚えがあるのだが」
フランシア
「その説明の仕方は酷いのではないですか」 とシリカに頬を膨らませて
シリカ
「何処が」
ルトヴィーク
「……あんたの飼い主?」 違うんだろうか。フランシアにはルトヴィーク、と短く返して
シリカ
「飼い主ではない。どちらかといえば私が飼い主だ」
フランシア
「…ええと。友人です。大切な」 やんわりと、飼い主という言葉を否定して
ルトヴィーク
「ああ、……」 頭を掻いて 「あのへんな奴を壊す時は助かった」 >癒し
フランシア
「…」 シリカの発言には困ったように笑って
ルトヴィーク
「…………食い違ってるけど。友人でいいの」
フランシア
「それが正しい認識です」 ルトヴィークに頷いて
シリカ
「……」 人参スティックを1本手にして齧った。こういう場面で友人などとわざわざ口にするのは恥ずかしい。
「助かったと感じたのならば、せめてその相手の顔や名くらいは忘れずにおくことだ」
「まあ、別に私は忘れられようが構わんがな」
ルトヴィーク
「そう、……」 フランシアには頷いたが、シリカの返答は得られないことに首を傾げ
フランシア
「よろしければ昼食をご一緒にいかがですか…と言っても、もう摂られているかもしれませんが」
ルトヴィーク
「……名前は重いから。顔は覚える」 
フランシア
「重い…というのは」
ルトヴィーク
フランシアの提案に少し間を置いて、シリカはいいのかとばかりに一瞥する。
シリカ
「好きにしろ」
ルトヴィーク
適当な椅子を引いて、近くに包みをずらし
「死んでも着いて来るだろ、名前って」
ルトヴィーク
そいつが死んでも、だな
シリカ
「よくわからんことを言うな」
フランシア
「……個人という価値が、大きいのですね」 貴方の中で、と
シリカ
追加で運ばれてきていたカレーライスに手をつけつつ。
ルトヴィーク
「邪魔になるだけでしょ」 シリカの返事にはどう返したらいいかと少し悩んでから、フランシアにはぱっと浮かんだ言葉を返す。
「そいつが死んでも、顔だけなら思い出す事もあんまりないけど」
「名前を知ってたら、周りの奴が言ってたら思い出すだろ」 こちらはシリカに向けて
シリカ
「それを邪魔と感じるかどうかは、その時々だろうな」
フランシア
「…ええ、忘れるのは難しいです。ですがそれは、」
シリカ
「死した者の名が枷になることもあれば、何かしらの原動力となることもある」
フランシア
「それだけ相手に価値を見出していて、大事だった事の証左ではないでしょうか」
ルトヴィーク
「原動力? ……何か、この辺りが気持ち悪くなるだけじゃない?」 胸と腹の合間に触れながらシリカに答えて
「……誰の名前でもそうだよ」 フランシアの問いには、頭を掻いて
シリカ
スプーンを咥えたまま、きょとんとした顔を見せて。 「……くく、存外人間らしいではないか」
ルトヴィーク
「……」 やや眉を顰めてシリカに視線を向ける。 「なにが」
フランシア
「誰かが、居なくなるということが、貴方の中でそれほど大きな出来事、なのでしょうね」
シリカ
「人の死に対して、一々何がしかを感じている所が、だ」
フランシア
「……誰だって、そうだとは思いますが」
シリカ
「私は別にどうでもいい奴が死んでも、殺しても何とも思わん」
ルトヴィーク
「そこの友達は?」
「気持ち悪くなる?」 もう一度、胸と腹の合間に手を当てて
シリカ
「こいつが死んだら、か」
「そうなるかは分からん。こいつは生きているからな」
「だが――まあ。良い気分ではなかろうな」
フランシア
「……あまりいい想像と話題ではありませんね」
ルトヴィーク
「でも、冒険者(おれたち)には良くあることだ」
フランシア
話題を切り替えるように声を出して 「注文をしましょう。何か好きなものはありますか、ルトヴィークさん」
ルトヴィーク
「だから名前を――」 声を発したフランシアに口を閉ざして
シリカ
「そうだな。こんな稼業では、誰のものであれ、死は避けては通れん」
ルトヴィーク
「……なんでもいい。パン」 >フランシア
シリカ
フランシアの強引な話題の切り替えに、テーブルに頬杖をついてきゅうりスティックをかじった。
フランシア
「ではえーと…」 パンと言われても困ってしまうので 「‥ご馳走させてください」 ランチセットを1つ頼むのでした
シリカ
「くく、私の言うなんでもいいとは大違いだな」
ルトヴィーク
「自分の分は出す」 礼は言わずに言って シリカに視線を向ける。
シリカ
「何だ。私の分ならやらんぞ」 ぽりぽり。
ルトヴィーク
「……なにが」 先程の声と同じ、やや不満そうなトーンで口を開く。
「いい。今新しいの来るし」 いいし。
フランシア
「シリカの仰る何でもいいは、方向性がありますからね」
シリカ
「貴様の言ったなんでもいいは、どうでもいい。私の言ったなんでもいいは、どれでも快く受け入れてやるという意味だ」
「……」 あるのか? って目で見た。>フランシア
フランシア
「どれでも、とおっしゃいますが。野菜よりは魚、魚よりは肉……といった具合に」
「最近はそう言う傾向もバランスよりになってはいますが」
今のようにと野菜スティックを見て
シリカ
「野菜だってちゃんと食べている」 ほら、と大根スティックを示して見せた。
「……」 先読みされて不機嫌そうな表情になった。
フランシア
「はい」 微笑んで
ルトヴィーク
「……」 二人のやり取りを見ながら、先に運ばれてきたスープを一つ啜って
シリカ
「まあ、死ぬ気でもないのならば、食事はきちんと摂っておくことだ」
ルトヴィーク
「よく食うんだな。……あんたも?」 両者に声をかけながら 全く冷えていないスープを躊躇わずに飲み込んだ。
フランシア
「お気をつけて……急に飲むと火傷することがありますから」
シリカ
「こいつは大して食わん」
ルトヴィーク
「死ぬ気はない。から、必要な分は食べるよ」 火傷を、と言われた頃には既に赤く腫れている。
フランシア
「私は、普通だと思いますが……シリカはとても良く召し上がります」 「見ていて、気持ちがいいです」
ルトヴィーク
「あんたが食べ過ぎなんじゃないの」 食器の量的に
シリカ
「私は貴様の食の細さがし……不安になることがあるぞ」 >フランシア
「まあ、他人よりは食う方だろうな」
「死ぬ気がないのならば、食える時に、良い物を正しく食っておけ」
ルトヴィーク
「血が足りない時は俺もそれくらい――は食べないな。もう少し減らす」
フランシア
「大丈夫ですか?」 赤く腫れた箇所を見つけて ハンカチを当てる 「水を一杯いただけますか」 と店員を呼んで
ルトヴィーク
フランシアから伸ばされたハンカチを、反射的に手首を掴む事で止めようと手を伸ばす。
シリカ
「戦うための力を得るための食事で、逆に身体を傷付けていては笑い話にもならん」
フランシア
「食べてます。お屋敷でも残さず──」 手首を掴まれて言葉も途切れる
シリカ
「飼い主以外からの施しは不要だそうだ」 肩を竦めた。
ルトヴィーク
「何、これ」 反射的に伸ばした事もあり、やや力を籠めて手首を握る。
フランシア
「…失礼しました。腫れていらっしゃったので」
シリカ
「手を離せ。そいつは貴様の身体を案じてそうしている」
ルトヴィーク
「……」 手を動かして距離を取りながら シリカの言葉に頷きながら手を放した。
フランシア
「……」 もう一度頭を下げて 手を引っ込める
ルトヴィーク
「大丈夫」 こちらも真似る様に頭を下げて 「何ともないから」
フランシア
「飼い主…というのは」 空気を変えようと 声を上げて 「どういう意味でしょうか」
シリカ
「だそうだ」 カレーと野菜スティックを平らげて、頬杖をついた。
ルトヴィーク
視線はそのままシリカに流す。
シリカ
「ああ。そいつの保護者面をしている女がいてな」
ルトヴィーク
運ばれてきたランチセットを、拙い手つきで食べ始める。シリカの言葉は肯定も否定もしない。
シリカ
「高慢ちきな奴だった。あれを自分の女とする奴は、相当趣味が悪いぞ」
フランシア
「保護者……ですか」 シリカの評価を聞くと、「…個性の強い方のようですね」 困ったように笑って ルトヴィークを見る
ルトヴィーク
「でも、俺は嫌いじゃないから良いよ」 フォークを逆手に持って肉を取り
「それに」 フランシアに視線を向けて口を開き
シリカ
「まあ、どんな奴に付くかはその者の自由だからな。感想は漏らすが、止めろとは言わん」
ルトヴィーク
「…………いや、違うかも」 フランシアを見たまま首を横に振って
フランシア
「それは何よりです」 大事なことですと頷いて 「……?」
言葉を切ったルトヴィークには小首をかしげる
ルトヴィーク
「ちょっとだけ似てるかもなって思っただけ。そうでもないと思う」
シリカ
「あれとこいつが似ていてたまるか」
――ああ、いや」
フランシア
「……何かありましたか?」 もしかして、と
ルトヴィーク
「だって、――」 口を開きかけた所で、シリカの言葉に口を閉ざす。
シリカ
「……趣味が悪い所は似ているかもしれんな」
ルトヴィーク
「でしょ」 「あとお節介だ」
フランシア
「……ええと‥」
シリカ
「あの女はこいつ」 ルトヴィークを顎で示して。 「貴様は私。どちらも付き合う相手としては趣味が悪いというか、変だ」
「そいつが言ったように、世話焼きな所も共通しているかもしれん。あの女がそうかどうかはよく知らんが」
フランシア
「……なんというか」
ルトヴィーク
「色々煩いよ、アウローラも。あと怒る」
フランシア
「アウローラさんと仰るのですね……なんとなく、お話はできそうな気がします」
シリカ
「やめろ。フランシアとあやつが話している所など、想像しただけで嫌だ」
フランシア
「…‥やはり、何かありましたね?」
ルトヴィーク
「喧嘩してた」 
シリカ
「あちらが一方的に突っかかってきただけだ」
フランシア
「シリカが特定の誰かをそこまで嫌うことは、普通ないことですから」
「……」 額を抑えて
ルトヴィーク
「……」 そうだっけ。結局何で怒っていたのか良く解ってないんだよな。
フランシア
「アウローラさんというのは、冒険者においてどの役割を果たされる方なのですか?」
シリカ
「妖精神の神官だ」
ルトヴィーク
「…………なんか、治す奴」
フランシア
「……」 また額を抑えて
ルトヴィーク
ランチセットをひどく雑に食べ終えながら
「どうかしたの」 額を抑えたフランシアに
フランシア
「いえ、相性がここまで悪い相手というのもそうは居ないでしょうね、と」
「アステリアの神官様なのですね……なるほど…」 ダルクレムの神官であるシリカと相性がよかったら逆に怖い
ルトヴィーク
「でも、帰りはそんなに喧嘩はしてなかったと思う」
シリカ
「同行するにあたって、わざわざ奇蹟を用いて制約まで掛けさせたからな」
フランシア
「………」
「そこまで強行的な方だとは……いえ、」
「……シリカは、基本受け身でした、か?」
シリカ
「此方から手を出した覚えはない」
ルトヴィーク
「……まあ。アウローラが何か言ってた、かな」
シリカ
「私はいつもどおりだ」 まあ、そのいつもどおりが人によっては神経を逆撫でするようなものなのだが。
フランシア
「……なら、いいのですが」 使わせる何かがシリカ側にあったとしてもそれは驚かないので ひとまず頷いて
ルトヴィーク
「よく、わかんないな。そういう、神を信じるとかは」
シリカ
「他人にとってはどうかは分からんが、私にとっては剣と同じだ」
ルトヴィーク
「剣? ……殺す為の物って事?」
シリカ
「それだけではないがな」
ルトヴィーク
「……」 思案する様に小さく俯いて
シリカ
「声を聞こえ、此方の声を聞き届け、力を借り受けることが出来る。確かな利があるから、その存在を信じ、利用しようと思えるのだ」
フランシア
「ダルクレムのモチーフは、そのまま剣ですしね」
シリカ
「その力を借り受けて為せるのは、何も殺すことだけではない」
ルトヴィーク
「………でも、剣にできるのはそれくらいだ。同じじゃないの?」
シリカ
「力を用いて威を示し、相手を屈従させることも出来る」
「剣といったのは、あくまでたとえだ」
ルトヴィーク
「屈従……」 それはした事はないな。殺すだけであれば、いくつもあるが。
シリカ
「利用出来る力、といった方が正しいかもしれんな」
「あの時、貴様の傷を癒し、助けたのもそれだ」
ルトヴィーク
「……ん」 ぎこちなく頷いて 「アウローラのとは、随分違う」
シリカ
「神が違うからな。利用できる力は似たようなものでも、何のためにそれを振るうかはまったく異なる」
ルトヴィーク
「……人と同じか。どうしたら手伝ってくれるかなんて、それぞれだし」
シリカ
「結局、元は私たちと変わらん人間や蛮族だというからな」
ルトヴィーク
「……あんたの神はどんな奴なの?」
シリカ
「説明してやれ、フランシア」
フランシア
「……解釈は異なりますが、アステリアもダルクレムも古代神、多くの方が信仰なさる──、」 言葉を切って
「"戦神"ダルクレムは、"解放の剣"イグニスを最初に手に入れた神で、第一の剣の神々の盟主であったライフォスの敵だと言われています」
「戦いを尊び、信者は自らの戦いそのものをダルクレムへの貢物として捧げることが多いです」
「信者は主に、蛮族……バルバロス達に多く、彼らに加護を与える奇跡も豊富です」
ルトヴィーク
「……」 ちら、とシリカに視線を向けて
フランシア
「我々人族からすれば、相容れない敵手…ということになりますね。基本的には」
ルトヴィーク
「だからか、アウローラが何か言ってたの」
シリカ
「というわけだ。満点の回答だな。さすがは始祖神の信者のリンザー小隊長殿だ」
ルトヴィーク
「……」 ん?
フランシア
「シリカ」 もう、と
ルトヴィーク
「じゃあ、仲悪かったのか」 あんたらも。
シリカ
「冗談だ」 フランシアにひらひらと手を振ってから。
「まあ、奴が不満に思ったのは、私がその信者であり、神官であることを伝えるのが遅れたからというのが大きいだろう」
フランシア
「……」少し思い出すように瞑目して 「最初は、怖かったですね。雰囲気も今よりも武人寄りというか、他人を試すような所がありましたから」
ルトヴィーク
「ああ、先に言えよって事?」
シリカ
「私たちは――」 出会った頃を思い返してみる。 「悪い、という程ではなかったとは思う」
フランシア
「……」 それで納得がいった様子で 「……やはりお店を通じて、その辺りなんとかしてもらったほうが良いと思います…」
シリカ
「今も変わったつもりはないぞ」
フランシア
「緊張感があったと言うか」
「今は私が慣らされてしまいましたから」 ふふ、と笑って
シリカ
「そういうことだな」 ルトヴィークに頷いて。 「まあ、ガルバも一々そこまで気を回してはおれんだろう」
「一応、もう少し上の冒険者ランクの認定を受けられないかと相談はしたのだが、上の方が、まだごちゃごちゃうるさいらしくてな」
ルトヴィーク
「ん」 頷いて 「まあ、次はああならないだろうし。……あるのか、解らないけど」
シリカ
「貴様が勝手に慣れたのだ。人のせいにするな」
ルトヴィーク
「…………仲悪いのか?」
シリカ
「悪くはない」
ルトヴィーク
「良くは?」
フランシア
「仲良しですよ」
ルトヴィーク
「そう」
シリカ
「……」
ルトヴィーク
これ邪魔だからもどしてくる。食器を持ち上げて、一度席を立つ。
フランシア
「……間違ってますか?」 目を細めて 眺めやる
シリカ
「ああ、ついでにカウンターの奥に居るやつにいって、ミルクプリンを持ってきてくれ。5つな」 ルトヴィークの背中にそう声を掛けつつ
ルトヴィーク
「5つ」 「……5つ?」
首を傾げながら歩いて行く。
シリカ
「……な、何だ、その目は」 視線を戻せば、フランシアに問い詰めるような目で見られていて、言葉がつかえた。
フランシア
「いいえ」 問い詰めたわけじゃないのですが 「素直じゃないのはいつもの事ですから」
シリカ
「……ふん、悪いか」
フランシア
「悪いとは言っていませんよ」
ルトヴィーク
「5つだって」 「――あるの?」 「――うん、じゃあ待ってる」
シリカ
「……というか、分かっているのならば一々尋ねるな。そういう所を意地が悪いというのだ……」
フランシア
「……意地悪でしょうか」 それを言うなら、シリカの方がと思うのですが と心のなかで
シリカ
「……不満そうだな」
フランシア
「……」 視線を逸して 「たまには、素直な気持ちというのも聞いてみたいなと」
シリカ
「思った事はだいたい口にしている」 腕を組み、そっぽを向くようにカウンターの方を向いた。
ルトヴィーク
――戻ったよ。5つでいいんだっけ」 キャロラインに持たされたお盆にプリンを乗せて歩いて来ると、机のスペースにお盆ごと置いた。
フランシア
「はい。すみません。ルトヴィークさん」 友人の癖を目にして 少し気持ちが納得した
シリカ
「ご苦労」
「貴様たちも食え。ひとつずつな」
「残り3つは私のだ。やらんぞ」
ルトヴィーク
「大丈夫」 持ってきたプリンをそれぞれ配って 
「……どんな味するの」 
シリカ
「食えば分かる」
フランシア
「……」 一口食べて 「やはり外で食べると、違って感じますね」 頷く
ルトヴィーク
「……」 訝しみながらスプーンをさして
一口目で大量に掬い出して口へと持っていく。
シリカ
「まあ、屋敷で使用人たちが作るものとは味は違うな」 スプーンで掬って、プリンを味わう。
「……うむ」 この違和感なく入ってくるなめらかな食感と甘すぎない味が良いのだ。満足げに頷いた。
ルトヴィーク
「……」 んー
「嫌いじゃない」 言いながら二口目をするりと口へと持っていく。
シリカ
「そうか。食べ物をそう感じられるのは良いことだ」
ルトヴィーク
「いつもはあんまり気にしてない」 頷いて
「……ねえ、聴いていい?」
フランシア
「……?」 小首をかしげて
シリカ
「何だ」 一つ目を食べ終え、二つ目に手をつけ始める。
ルトヴィーク
「なんであんたらは冒険者なんてやってるの」
シリカ
「生き延びるためだ」
フランシア
「目標への、道筋だから、でしょうか」
ルトヴィーク
「生きる為? ……他にもあるんじゃないの」 両者に頷いてから、一度シリカに視線を向けて
シリカ
「特に無いな。蛮族領に居られなくなり、此方に落ち延びてきて……。再び力を手にするために、生き延びねばならん」
「そのためには、これが最適だった。人族社会において、他に私に適した仕事もないだろうしな」
ルトヴィーク
「……殺すのは、楽しい?」
この言葉は、シリカへというよりは両者に宛てたものだろう。フランシアにも一瞥して
シリカ
「ふむ」 質問に対して、少し考え込む。
「相手を下すことで、自分の力を証明することが出来るのは、愉しい。だが、殺すことそのものが愉しいかと問われれば、そうでもないな」
フランシア
「殺すことは、敵であっても味方であっても……気持ちの良いことではありません」
ルトヴィーク
「……でも、道筋だからやるの?」 フランシアに返して、
「あんたは闘う事が好きで、殺す方じゃない、……のかな」
フランシア
「…はい。それで自分の進む道を、否定することはしません」
ルトヴィーク
シリカへと返して 頭をごりごりと掻く。
「……そう。苦しくない?」
フランシア
「苦しいですよ」 何かを思い出すように呟いて
「でもそれで、止めてしまったら」
シリカ
「戦う事が好きだというわけでもない」
フランシア
「…‥なんといいますか」
ルトヴィーク
「……」 フランシアの返答には首を傾げながら 「力の証明、っていうのがしたいだけ?」 >シリカ
シリカ
「戦神の使徒としては、そうだな」
フランシア
「無意味だったと思いたくないのです。自分が汚した手が、きっと誰かを助けるものに出来るということを……諦めたくないのです」
ルトヴィーク
「……汚した手は汚した手だと思うけど」
シリカ
「汚れた事をなかった事にしようとしているわけではない。それ自体は認めているのだろう」
フランシア
「はい」
「それを忘れたいとも、なかったことにしたいとも思いません」
シリカ
「それを受け止めた上で、無駄にはしたくないと、そう言っているのだ、こいつは」
ルトヴィーク
「ああ」 頷いて
――それなら、少しだけ解る気がする。……かも」
シリカ
「ふん、わざわざ苦しむ道を行こうとするのは理解しかねるな」
フランシア
「私の道ですから。……私が背負うものですから」
シリカ
「好きにすればいい。それは貴様の勝手だ」
ルトヴィーク
「……潰れないならいいんじゃない」
シリカ
「潰させはせん。私以外の者にはな」
ルトヴィーク
「自分は邪魔するって?」
シリカ
「こいつが分を弁えず無理を押し通そうとした時はそうする」
フランシア
「……」 困ったように笑って
ルトヴィーク
「だって。……気を付けておいた方がいいんじゃない」
フランシア
「ありがとうございます」 ルトヴィークに笑って
「気をつけますね、シリカ」
ルトヴィーク
首を横に振って答えて 
シリカ
「ああ。次は前のように優しくしてやるとは限らんからな」
「さて……」 最後のプリンもいつの間にか食べ終えていた。テーブルに手をついて立ち上がり、ジャケットを羽織った。
ルトヴィーク
「ん。……行く?」
シリカ
「ああ」
フランシア
プリンを半分程残して マフラーとコートを手に立ち上がって
シリカ
「少し身体を休めた後は、食った分動かねばならんからな」
フランシア
コートを羽織ると マフラーを首に巻く
ルトヴィーク
「……」 まあこれだけ喰えばな。食器を見て
シリカ
「……」 フランシアの残したミルクプリンに手を伸ばして、彼女の使ったスプーンを使ってそれを食べた。
フランシア
「……」 ふふ、と笑って 「すみません、シリカ」
シリカ
「残すくらいならば言え」 ふん、と鼻を鳴らして。
「ああ、そうだ」
ルトヴィーク
立てかけておいた包みを手に取って よいせ、と持ち上げる。
シリカ
「悪くないと思ったのならば、今度は貴様の飼い主とでも一緒に食うといい。貴様から誘えば、少しは違った顔も見られるのではないか」
ルトヴィーク
「……」 少し考えて 「うん。言ってみる」 
シリカ
ルトヴィークにそう告げると、ロングジャケットの裾を翻して。 「屋敷に戻るぞ、フランシア」
フランシア
「では失礼します。ルトヴィークさん。また、何処かで」 頭を下げて
「はい」 シリカに頷くと 追いかけて
ルトヴィーク
「ああ。次があれば宜しく」 シリカとフランシアの背中に投げかけて
空になったプリンのカップに視線を落として、小さく頷いた。
シリカ
首だけ振り向いてルトヴィークを一瞥してから、店を出ていった。
フランシア
もう一度軽く頭を下げて シリカに続く
シリカ
私はこれでふぇーどあうとだ
ルトヴィーク
二人の様子には気付かずに、プリン、といくつか呟いて
暫くしてから満足したように頷くと、会計を済ませる。
そのまま包みを持ち、時折壁や階段の手摺にぶつけながら自室へと持ち帰っていった。
ルトヴィーク
俺もおしまい。
シリカ
うむ。
フランシア
私も大丈夫です
ルトヴィーク
プリン漬けにしよう。
シリカ
ではこれでしまいとしよう。
ルトヴィーク
うん。しまいにしよう
フランシア
お疲れさまでした。お付き合いありがとうございました
シリカ
こちらこそな。
ではまた次の機会に。
ルトヴィーク
また。
SYSTEM
シリカが退室しました。
ルトヴィーク
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ルトヴィークが退室しました。
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フランシアが退室しました。
背景
BGM