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コモンルーム[X]

20200121X_0

SYSTEM
ニオが入室しました。
SYSTEM
フェルが入室しました。
ニオ
受け持つわ。開幕は
フェル
はい
ニオ
場所に希望はあるかしら
フェル
どこがいいですかね。あんまりデアルカないから
信長──
ニオ
じゃあ、またフェルの部屋でいいわね
フェル
いいですよ
 
 
 
 
 
 
 
リアン地方イルスファール王国 〈星の標〉
国内でも有数の冒険者ギルド支店の2階は、冒険者達の部屋になっている
正確には、2階から上の階というべきだろうが、そこには様々なものが入居している
フェルと呼ばれる冒険者も、その宿の住人で、個室を借りている
1階で食事を調達して、ないしは食事を済ませて君が部屋に戻ると、ベッドの方に違和感がある
フェル
「───」 違和感はあるのだが──
 
シーツが1人でに影を作っていたからだ
誰かが丸まるようにして、ベッドに入っている そう言うように見える
フェル
「なにやってるんです」 こういう事をするのは一人しか心当たりがないのだ
 
「──ん……」 少し抜けた声が返ってくる もぞもぞと動き出して
ニオ
「……こんばんは」 顔を出すのは、黒と銀の髪に、灰色と黒の瞳の少女だ
フェル
「こんばんは」 首を傾げながら取り敢えずベッドに腰掛けた
ニオ
「寝てたの。居なかったから」 くーっと伸びをして
フェル
「なるほど」 回答があったので良しとする 「食事とお風呂に行っていたので」
ニオ
欠伸を1つ 「…おかえりなさい」
フェル
「ええと、ただいま?」 首を傾げたまま 「………まあ、間違ってはいませんね」
ニオ
「」
「ええ」 ベッドに腰かけるように足を移動させて 「良い夜、ね」
フェル
「別に、あなたがここで寝る分には構いませんが、服が皺になりますよ」
「良い夜でしょうか。分かりません」
ニオ
「ああ、」今気がついたという様子で 「そうね、気を付けないと」
フェル
「はい。そうした方がいいでしょう」私は無頓着ですけど
そう言うと、いつもと変わらない顔で服を脱ぎ始める
ニオ
「……」 脚をぷらぷらとさせながら その様子を眺めて
フェル
特に恥ずかしがる素振りも見せず、裸の上に白いYシャツといういつもの部屋着に
脱いだ服は吊るすなり畳むなりして置いておく
「それで、今日はどの様な用向きで?」 そこで視線を向けた
ニオ
「……気まぐれが、半分」
フェル
「はい」 ちょこんと腰掛け直し
ニオ
「もう半分は、」 自分の唇に人差し指で触れて 「ちょっとしたお願い」 微笑む
フェル
「はぁ、お願い」 隣のいるニオの目を見つめた
ニオ
赤い瞳を見つめ返して どこか艶然と 「──ねぇ」 フェルに顔を近づけて耳元で囁くように
「ニオのお人形に、ならない?」
フェル
「はい?」 そういう用向きかな、と身体を近づけたところ、言葉を聞いてきょとんとして停止した
「よく意味が分かりませんが」
ニオ
変わらず耳元で 「ニオのものに、ならない?」
フェル
「………あなたのものに、ですか」 「一応、理由を聞いても?」
視線を外して、宙を見る
ニオ
「ニオの望むことをして、ニオの邪魔をしなくて、ニオだけのお人形……」 フェルの頬に触れて
「そうなってくれそうだから。あなたは」
フェル
「なるほど、私はそう見えるのですか」
ニオ
「ちがう?」
フェル
「ええ、申し訳ありませんが、私に人形という役割は出来そうにありません」
ニオ
「…そう」
フェル
「ニオの事は好きですよ。一緒にいても邪魔にもなりませんし、相性も悪くありません」
「でも貴女に全て捧げられるか、というと、どうでしょう」
ニオ
「残念、ね」 冷めたような視線を送って 少し下がる 「フェルなら」
「してあげたのに。大事に」
フェル
「本当に望むなら、貴女になら、命くらいはあげても良いですけど」 「全て、というには、先客がいます」
ニオ
「吸血鬼の人?」
フェル
「ええ。もうとっくに居ませんけれど、未だに私は、彼の者でいたかったと思っています」
ニオ
「……ニオも、そうなの」
フェル
「そう、とは?あなたには、居るのでしょう」
ニオ
「居るわ。居るけど」
フェル
「けど?」 覗き込む
ニオ
「良いんじゃないかって、思ったの。ニオにもニオが居て」
「そうすれば、誰も困らない。楽だわ。とても、とても」
フェル
「まだ本調子じゃないんですか」
ニオ
「ううん……良い調子よ」
フェル
「そうですかね。そうは見えませんけど」
ニオ
「いい方法なのよ。とても、とても…ね」
「そう?」
フェル
「………ふむ。いえ、あなたがそう言うなら、勘違いかも知れませんね」
ニオ
「もう、変じゃなくていいの」 ベッドに身体を倒して 「もう、困らないの」
「とても、素敵な気分だわ……」
フェル
「………そうですか」 少し冷めた目つきになり
「本当に、人形として欲しいのなら、私はやはり成れませんね」
ニオ
「……そう」
フェル
「今までくらいが良いと思いますよ。そこから一歩踏み込むと、あまり良い結果にならないと思います。お互いに」
ニオ
「残念だわ……鎖、試せると思ったのに」
フェル
「私、鎖がついていたことはありませんので」
ニオ
「こうされると、ね」 じゃらり、と鎖が鳴り、ニオの腕に絡みつく 「いいのよ。締まって…ニオが固められていくみたいで」
「はっきりして、気持ちいい……」声に艶が乗って 「……ずっとこうしてもらって、ニオたちはニオたちになったの」
フェル
「分からない感覚ですね」 「私は、飼われていても、繋がれたことはありません。望みを伝えられれば、それを私なりに行うだけ」
「命令されるのは、楽という意見は一致しましたが、貴女のそれとは齟齬があるみたいです」
ニオ
「感覚としては、」 んー…と口元に指を当てて 「似ているわ。フェルがぎゅっとしてくれる時と」
「そうかもしれないわ、ね」 フェルに頷いて 身体をまた起こす
フェル
「…………」
ニオ
「?」 小首を傾げて 無言になったフェルを見る
フェル
「今日はそういうつもりは無かったんですけど」 起き上がったニオをまた倒して上に覆いかぶさった
ニオ
「……欲しくなった?」 手を伸ばしてフェルの頬に触れる
フェル
「欲しい、というか、なんだかもやっとしたので」
「今日はちょっと覚悟して下さいね」
ニオ
「…この前のお礼、まだだもの、ね」
フェル
「なんだか、壊してしまいたい気分です」
ニオ
「いいわ。好きにしても」 腕を下ろして、脱力する
フェル
「──ええ、勝手にします」 いつもより鋭い目つきで正面から告げ
フェル
暗転ですね──
ニオ
「──……」赤い瞳を見つめて フェルを抱きしめる様に手を伸ばした
ニオ
ええ
フェル
優しくなんてしてあげませんでした
ニオ
慣れているわ

 
落ち着いた後 ぐったりとしたニオと息の荒いフェルがベッドに横になっていて
フェル
「……………」 優しくしない、なんて言った割には、しっかり抱きついている
ニオ
「──、久しぶり、ね」 小さく呟くように 
フェル
「なにがですか」 背中や髪を撫でたりし
ニオ
フェルの背中に腕を回しながら 「ここまで、乱暴にされたの」
「でも、やっぱり」
「上客、ね。フェルは」
フェル
「失敗しましたけどね」 乱暴
ニオ
「満足させちゃったから?」 甘やかに指を動かしながら 首筋に触れて
フェル
「壊せなかったので」 首を傾け
ニオ
「……そう」
「ニオを壊したいなら……」 
フェル
「ええ」 抑揚なく答え 「良いですよ」 首筋を見せる
「ん……」
ニオ
「……ニオをものにしなきゃ、ね」 フェルの首筋に顔を近づけながら そう呟いて
背中に腕を回して 牙を立てる
フェル
「向いてませんね……んっ……」 強く抱きしめ、その行為を受け入れ
ニオ
「──はぁ‥ん…っ…」 恍惚そうな声をあげて ごくり、ごくりと飲み下していく
「──はぁ……」 暫くしてから、ゆっくりと、吐息を漏らして 「……ごちそうさま」
「フェルは……」 背中を撫でるようにして 耳元で囁く 「素敵だわ。ぎゅっと、してくれるもの」
フェル
「っ、ん……は……それくらいのことなら、いつでも」 小さく答え、力の抜けた手で抱きしめ
「そのくらいしか、できませんし」
ニオ
「……そうね。ニオも、これくらい」
「でもこうできるのが……楽だわ」
フェル
「……そうかもしれませんね」
ニオ
「……少し、眠るわ」
フェル
「ええ、私も」
ニオ
「齧らないで、ね」 耳元で囁いてから 目をつぶって
フェル
言われて耳を甘噛した
ニオ
「ん‥…もぅ……」 目はつぶったまま薄い表情に笑みを載せて
フェル
そのままいたずらの様なことをし続けたけれどそのうち眠りに落ちていきました
 
次の日の夜にまた、ニオはひらりと窓から出て行く 最初から一人だったかのように 部屋には静けさが戻って
またかってに来るかもしれないし、もう来ないかもしれない
フェル
「………」 一人に戻った部屋で、いつもと同じ様に、焦点を定めず宙を見上げ
「なんて、馬鹿」 独りごちて、その日はそのまま寝ることにしたのでした
ニオ
こんなところかしら
フェル
こんなところです
ニオ
お付き合いありがとう。
フェル
自分で行動しない癖になんとなく嫉妬してるフェルちゃんです
ニオ
ええ、ええ
素敵よ
フェル
ではお付き合いありがとうございました──
ニオ
また遊んでね
)))
SYSTEM
フェルが退室しました。
SYSTEM
ニオが退室しました。
背景
BGM