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コモンルーム[W]

20200119W_0

SYSTEM
ルトヴィークが入室しました。
SYSTEM
アウラが入室しました。
 
 
 
 
 
 
――王都イルスファール、冒険者ギルド支店〈星の標〉。
かつてその名を轟かせた"剛腕"が開いているその支店には、数々の"剣"が存在する。
それらは日ごとに依頼を請けて店を発ち――やがて戻ってくる。
この日も、そうだった。
 
 
ルトヴィーク
――ちょっと」 依頼から帰還し、報告を終えた直後。青年は少女の腕を強引に取った。眉間に皺が寄っている事は普段通りであるが、鉄色の瞳には普段とは異なる色が灯っている。
アウラ
「……っ」 引っ張られて 「──自分で歩けます」 抗議のつもりで声をあげる
ルトヴィーク
その手を掴む、握る力は緩まない。引く力も弱まるどころか強くなり、扉を押し開いて店の裏へと向かっていく。
アウラ
そのまま引かれるままに 共に移動して
 
 
 
手がゆっくりと放されたのは、件の空地だ。
他者からの介入もそう多くなく、静かに会話が出来る地点。
その隅に少女を引いて行くと、青年は口を開いた。
ルトヴィーク
「……アウローラ」 低く、乾いた声は、怒っているよりも焦っている様な声色だ。
「怒ってる、……多分」
アウラ
「──、はい」 困った様子で 名前を呼ばれれば応える 「ルトヴィーク、かえ──」る間際も言いましたが、と 言葉を続けようとして
「……たぶん怒っている、ですか」
ルトヴィーク
「……ああ」 胸と腹の間を示して 「気持ちが悪いんだ、ここが」
アウラ
「……」目を細めて きっとそれは、まったく感じないよりもいい事だろう
ただ、怒らせてしまっている という事実は変わらない
「……私は無事ですわ。服が、少し、破れてしまったくらいで」
ルトヴィーク
「…………」 暫く口を閉ざしており、ここに至っても口を開かないのは、言葉が見つからないからだ。目の前の少女の反応を見ても、それを感じても、言葉は見つからない。
「死ぬかもしれなかった」 「……いつもより、ずっと」
アウラ
「ルトヴィーク……それは、冒険に出ているのであれば当たり前のことですわ」 優しい声音で諭すように
「後ろに居ても魔法は飛んでくる事はあります。今回はそれが、魔物の襲撃だったというだけで」
ルトヴィーク
「……魔法と魔物は違う」 ぼそぼそと呟き、苦しそうに顔を歪める。
「…………」 「怪我は」
アウラ
「傷1つ残していませんわ…大丈夫です」
ルトヴィーク
「見せて」 じっと目線を合わせ
アウラ
「──、足なのですが、その、お見せするのは…」ちょっと
ルトヴィーク
「……? 残してないんじゃないの」
アウラ
「言葉だけでは信じて貰えませんか?」
ルトヴィーク
「治っているなら見せない理由が解らないし」
「そういった奴は何人も死んだ」
思い出した様に表情が少し陰り、口を結び 「……それは、いやだ」 
アウラ
「……分かりました」
手ごろな木箱に腰かけて
スカート部分が一部裂けた神官服 小型ナイフで完全に下まで破れた箇所を拡大すると スリットの様な状態になる
そこから、右足を出すと 膝のすぐ上の腿から膝にかけてタイツが破れている箇所が露出する
店の窓から出るゆるい灯りに白い肌が照らされる
「……その箇所です」 顔を少し背けて 申告する
ルトヴィーク
少し屈み、傷が残っていただろう箇所に視線を向ける。
――痛む?」 配慮も無く、その破れた個所に触れると それを柔く押し込んだ。
アウラ
「──痛みはありませんわ」 顔は背けたままで
ルトヴィーク
「……」 顔を背けた事を訝しむ様に視線を向けて
「嘘を吐いてる?」
アウラ
「…‥嘘ではありません」 息をつくようなそぶりを見せて
「……こうして肌を晒す事が、恥ずかしいのです」
ルトヴィーク
「じゃあ、何でこっちを――」 見ていないの。隠し事をしているんじゃないのか、と続く言葉を呑み込むと、首を傾げる。
アウラ
「…‥もっとも、今ので恥ずかしくなくなりましたが」
ルトヴィーク
「……じゃあ、良いだろ。こっち見て」
アウラ
傷の具合を確認するように触れるルトヴィークを見て 「傷は残っていないでしょう?確認はしたのです」
ルトヴィーク
「……痛まないんだよな」 視線を向ければ、普段とは異なり 不安の色を浮かべた表情で、再度アウラへと問いかけられる。
アウラ
「痛みません。大丈夫です」
少し、おかしさも感じるのだが、真剣な問いには真摯に答える
ルトヴィーク
「……解った。もう、着て大丈夫」
アウラ
足をスカートの中に戻すと ピンのようなもので破れた端を留めて
「ここだと少し寒いですわね」
ルトヴィーク
「……入る?」 
アウラ
「二人でお話を続けたいならこちらでしょうけど」
ルトヴィーク
「……」 ごそ、と自分の荷物を見て
アウラ
「──今回は貴方の傷も少なくてよかったです」
ルトヴィーク
「つける?」 多少の暖かさはあるけれど、と頑丈なランタンを見せて
「……アウローラを見に行ったから、狙われなかっただけ」
アウラ
「いえ、灯りで不審に思われてしまいますでしょうし」
「二人でお話がしたいですか?」
ルトヴィーク
問いには躊躇わずに頷いて 
「……寒いなら、戻る方が良い」
アウラ
「ルトヴィークのお部屋は、星の標だったでしょうか」
ルトヴィーク
「? ……うん」 
「そこの二階」
アウラ
「そちらでも構いませんわ。貴方さえ良ければ、ですが」
ルトヴィーク
「わかった、じゃあ……」 「でも、服は替えなくていいの」
「……ここにいても同じか」
アウラ
「ええ、一度戻らない事には」 苦笑して
ルトヴィーク
頷いて、その手を取る。先程とは異なり、強引なものではなく、ただ促す為の物だ。
アウラ
その手を握り返して
 
 
〈星の標〉の二階、ルトヴィークの自室の扉を開けば――
その部屋はあまりにも何もなかった。
ただ眠るだけの寝台と、恐らく装備が置かれているのだろうと思われるスペース。
その二つに限って言えば乱雑に散らばっているのだが、そもそも部屋にある物の数が酷く少ない為
相対的にそこまで汚れている様には見えない……という状況だ。
ルトヴィーク
部屋の中の描写をしちゃったからあれだけど
店内~部屋前まで手を取ったままだと思うけど、剥がす?
アウラ
問題ないでしょう
ルトヴィーク
解った。
ルトヴィーク
扉を開き、そのまま部屋へと入る。寝台から布団を巻き取ると、それを抱えて 備え付けの椅子に座る様にアウラを促す。
アウラ
「……」 ふと言ってしまったけれど 思えば殿方の部屋を訪ねるのは初めてかもしれませんね 「ありがとう」 着座して
ルトヴィーク
「うん」 頷きながら、後ろに回ると掛布団をその肩にかけて
「足りる?」
アウラ
「ええ。大丈夫です」 気遣いに少しの驚きと嬉しさがあって 微笑みを返す
ルトヴィーク
「……さっきの続きじゃないけど」 そのまま寝台に座り 「もう一つだけ」
アウラ
「なんでしょうか」
ルトヴィーク
「また、あの時みたいに……魔法とかじゃなくて、敵が近くにいるなら」 
「その時は、ちゃんと呼んで」 視線を合わせて、静かに言葉にした。
アウラ
「帰り際にも申し上げましたが、」 「次は呼びます。ただ、次が来ない様にしてくれますでしょう?」
「それに、」
「やっぱりあなたは、呼ばなくても来てくれそうな気がします」 ふふ、と笑って
ルトヴィーク
「バカだ」 毒気を抜かれた様に視線を逸らし
「ちゃんと呼んでくれ。そうしたら、俺は行くから」 逸らしたまま呟いて、何が言いたかったのかわからなくなってしまったように頭を掻いた。
「……冷たくなる前に、呼んで」
アウラ
「‥‥‥大丈夫です」
「今回の事も、勝算があったからこそでしたし、貴方や味方を信じていたからこそでもあります」
「……ただ、そうですわね」
「貴方が求めているのは、そうした説明ではなさそうです」
「……自分は無茶をしておいて、人にはするなと仰るのですわね」
ルトヴィーク
「……」 言葉に詰まる。
「俺とアウローラじゃ、出来る無理が違う……」
アウラ
「だから自分はいいけれど、私はダメ。と仰るのですわね?」
ルトヴィーク
「…………」
「……ダメだ」 首を横に振って、視線をゆっくり向ける。
アウラ
「理由をお聞きしてもよろしいですか?」
ルトヴィーク
「……」 むぐぐ。眉根を顰めつつ
「アウローラは死ぬかもしれないけど、……俺は死なない」 口にしてから少し違和感を覚えながら
アウラ
「──」目を細めて 「それは理由になっていませんわ」
ルトヴィーク
「……死んで欲しくないから、無理もしないで欲しい」
アウラ
「──困った方ですわね」 優しく笑ってみせて
ルトヴィーク
「考えたんだ、前に話してから」
「……合ってるか、解らないけど」
言いながらアウラの手を取ろうと左手を伸ばす。
アウラ
こちらからも手を差し出して
ルトヴィーク
「もう、寒くないから また寒くなりたくないって」 差し出された手を取り、指を絡める。
「だから、……」 整理する様に言葉を切って 「死んで欲しくない、……んだと思う」
アウラ
「……そうですか」
「冒険に出る以上、命の危険はあります‥…ありますが」
「無理はなるべくしないようにします。危ないと思ったら、貴方の名前を呼びます」
「それでよろしくて?ルトヴィーク」
ルトヴィーク
「……それがいい」 頷いて、安堵したように肩の力を抜く。
アウラ
「……ありがとうございます。大事に思って下さって」 手を握り返して
ルトヴィーク
「お礼を言われる事なの」
アウラ
「お礼を言いたくなる事だったのですわ」
ルトヴィーク
「……そっか」 そういうものなのか、と思考を切って
アウラ
「ルトヴィーク、私からも一つお願いしてもよいですか」
ルトヴィーク
そのまま寝台に身体だけ横にしようと重心を移した所で声をかけられ、首を傾げる。
「何」
アウラ
「必ず、帰ってきてください。ローラ(わたくし)の所に。何があっても」 
ルトヴィーク
意図を理解するのに数秒を要し――ても解らない。
「ローラの為に?」
アウラ
「ええ…ローラの為に」
ルトヴィーク
「……ん。飼い主、だもんな」
アウラ
「貴方の大事な命の1つですから」
「しっかりと、守ってあげなければ」
ルトヴィーク
「守る? ……飼うって、守る事なの?」
アウラ
「命を預かるというのはそう言う事ですわ」
ルトヴィーク
「そう。……じゃあ、ローラは俺が守るよ」 アウラに視線を合わせて、先程までの揺れた眼ではなく、これまでの無感動な眼でもない眼で頷く。
アウラ
「ええ……そうしてくださいね」 頷いて 横になろうとしているのであれば かけ布団を纏めて立ち上がる
ルトヴィーク
「……帰る?」 普段よりも低いトーンで声をかけ、その動きを眼で追う。
アウラ
「眠るのであれば、子守唄を歌ってからにしましょうか」 掛け布団を返してやって
ルトヴィーク
「……」 上体を起こして
「俺も行く。ローラにも顔を見せるから」
アウラ
「では、そう致しましょうか」
ルトヴィーク
「ああ。……行こう、アウローラ」
アウラ
掛け布団を軽く畳んでベッドに置くと ルトヴィークが起きるのを待って
ルトヴィーク
寝台から身体を起こすと、アウラの手を取り
歩調を遅め、合わせながら歩き アステリア神殿へと向かって行った。
ルトヴィーク
とりあえずこれくらいかな
アウラ
こんなところでしょう
ローラを守って下さいね
ルトヴィーク
約束しただろ。ローラは俺が守るよ
アウラ
ええ。ええ
またお会いしましょう
では
ルトヴィーク
ああ、また。
)))
アウラ
)))
SYSTEM
ルトヴィークが退室しました。
SYSTEM
アウラが退室しました。
背景
BGM