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コモンルーム[V]

20200113V_0

SYSTEM
ジャンヌが入室しました。
ジャンヌ
ヴィクトリーしにきました
SYSTEM
ニオが入室しました。
ニオ
聞こえるわ。違う意味に…
ジャンヌ
一体どういう意味に……。
ニオ
負かされちゃいそう
ジャンヌ
勝っちゃいますよ。
ニオ
導入は、こっちからした方が良さそうね
ジャンヌは場所はどこでもいいかしら
ジャンヌ
お願いしましょう。
大丈夫ですよ。
ニオ
わかったわ
 
 
 
 
 
 
 
リアン地方、イルスファール王国、王都イルスファール
ひとりの少女が、ふらりふらりと歩いている
黒と銀の髪、袖のないワンピースドレスにフリルのついた付け袖に赤い靴 顔立ちはどこか作り物めいていて 瞳は黒と灰色とで別れていた
人通りの多い場所、少ない場所、人々の交わす言葉、 "仕事"に入る前に最後の情報収集を行うべく、ニオは行動していた
マギテック協会から、ゆっくりと王城方面へと向かう道すがら
ライフォス神殿の前で、少女は足を止めた 新年の行事か何かが行われているのか、人が多く集まっていたからだ
ニオ
「……」 ライフォスの信者には、有力者が多くいる。とわたしが囁く 小さく頷くと 神殿の方へと歩いて行った
ジャンヌ
そんな人混みの中に、流麗な長い金色の髪をポニーテールにまとめ、神殿を訪れた人々に対応に追われている騎士神の神官の姿がある。
この地方では、騎士神ザイアはあまり広く知られた存在ではない。
それ故に、騎士神と関わりが深いとされる始祖神の神殿の一部を間借りして、騎士神の神殿として利用している。娘――ジャンヌ・ダルクもまた、騎士神の使徒として始祖神の神殿に住まい、その手伝いをして日々を過ごしている。
ニオ
「……ええ、そうね」 幸いあなたの恰好はそうした方々にも受けが良さそうです わたしからのアドバイスに独り言を返すように頷くと
ゆっくりと入り込んで行って──、そして 金髪に神官服の少女が視界に入る
ジャンヌ
年の明けたこの時期は、礼参に訪れる者の数もいつも以上に多い。人の好い娘は、頼まれるまでもなく、自ら申し出て、礼拝客の対応の補佐に当たっている。
「はい、それではあちらへどうぞ。礼拝にいらしている方が例年より多いようですから、お怪我には――」 案内に当たっている最中、ふと客とは異なる視線を感じた気がした。
ニオ
「……」 引きなさい。わたしはそう言う でも、足がくっついたかのように、離れられない
ジャンヌ
「気をつけてくださいね」 一瞬、視線の元へと目を向けてから、対応していた相手に再び笑顔でそう告げて。
「……すみません、少しお願いします」 傍に居た別の神官服の娘に一言断ると、人混みを縫うようにして、視線の主の元へと向かっていく。
ニオ
「……」 固まったかのように佇んで 少女が来るのを結局待ってしまう
ジャンヌ
――ニオさん」 口元に安心したような笑みを浮かべると、その名前を呼んで。 「こんにちは、ニオさんもお祈りですか?」
ニオ
「……人が、集まっていたから」
「…こんにちは、ジャンヌ」
ジャンヌ
「年が明けてしばらくは、毎年こうなんだそうです。……ここに集まっている人数だけでも、私の村の人口を越えていそうですね」 人が多くて大変です、と苦笑して返して。 「はい、お会い出来てよかった」
ニオ
「……いいの?、お手伝い」 しているみたいだけど、と
「……」 ジャンヌの村、というワードに 記憶が引きずり出される 同じ顔、違う髪色、そして千切れる首 千切った首
「……」 本物だったら……とぼーっとするように
ジャンヌ
「……実は大分前から、ピークの時間は過ぎたし、今日はもう上がるか、せめて休憩を入れろと言われていまして」 ついつい休憩なしで動き続けてしまっていることを、逆に咎められているんですと頬をかく。 「今他の方にお願いした時にも、そのままお昼ごはんでも食べてきなさいと言われてしまいました」
「……ニオさん?」 ぼーっとしているニオの顔の前で、手を軽く振ってみる。
ニオ
「……あ」
「…聞いているわ、そう…」
ジャンヌ
「人が集まっていたから……と言っていましたが、ニオさんはお散歩の途中でしたか?」
ニオ
「そんなところ、ね」
「街を離れる事になりそうだから、少しの間」
ジャンヌ
「……あら、お仕事でしょうか。怪我や病気には、気をつけてくださいね」
「今日お会いできたのは、幸運でしたね」
ニオ
「ありがとう」 薄く笑って 頷いて見せる
ジャンヌ
「良ければ、少しお茶でも如何でしょう? あまり遠くには出られないので、私の部屋になってしまいますけど……」
ニオ
「……ええ」 頷いて
ジャンヌ
「よかった」 胸に手を当てて微笑んで。 「それでは、どうぞこちらに」 優しくニオの手を取って、人混みを回り込むように導いていく。
ニオ
「……あ」 手を取られて されるがままに歩いていく
ジャンヌ
迂回して、神殿敷地内の庭を通り、裏口のひとつから神殿に併設された宿舎に入っていく。
ニオ
とても、とても疼く…吸血衝動とは、違う 殺意の衝動 わたしが囁く、ここで殺すのは不味い、と
ジャンヌ
宿舎内には人気は殆どない。皆、礼拝堂や神殿前で来客たちの対応に当たっているのだろう。
ニオ
「……分かっているわ」 独り言を呟くように
ジャンヌ
清掃の行き届いた通路を歩いて、ひとつの扉の前で足を止めると、鍵を開けて扉を開く。
「どうぞ、ニオさん」
ニオ
「‥…ええ」 少し、間を置いて頷いて 「お邪魔するわ、ね」
ジャンヌ
神殿内の宿舎、という理由もあるのだろうが、調度品には一切の派手さがない。
整理整頓は行き届いていて、生活に必要のないものはほぼ置かれていない。
年頃の娘の部屋としては、どうにも生活感が不足しすぎている印象は否めないだろう。
ニオ
「……」 室内を眺めて 「……増やせばいいのに、もっと」
ジャンヌ
「他の方々からもよくそう言われるのですが……何を置いたらいいのか、よく分からないもので」 苦笑しながらも、ニオに椅子を勧めて。
ニオ
「何でも似合うわ、ジャンヌなら」
ジャンヌ
「少し待っていていただけますか? 軽い食事と、お茶を用意してきますから」
ニオ
「……ええ」 分かったわ、と頷いて
ジャンヌ
「どうでしょう……。あまり派手なものとか、今風のものは似合わなさそうですけど……」
そう言いつつ、しばらく部屋を出る。
ニオ
着席して足をぷらぷらとさせる
ジャンヌ
見るもののない部屋は、人によっては落ち着くものだろうが、つまらなく、逆に落ち着かないという印象を抱くものもいるだろう。
ニオ
部屋を出て行った後 パックを取り出して中身を啜る
「……はあ…」 恍惚そうな声をあげて パックをくしゃりと潰して しまう
ジャンヌ
ニオ以外に音を立てるものはなく、ただその血を啜る音だけが響いて……
それが終わってから少しして、部屋主が戻ってくる。
ニオ
そのまま横になってしまいたいと思い、ベッドの方をぼーっと眺めつつ
ジャンヌ
ティーポットにカップ、少なめのサンドイッチを乗せたトレイを手に、扉を開いて、
「おまたせしました、ニオさん」
ニオ
「……」 声をかけられて ぴく、と肩が震えると 「…おかえりなさい」 とジャンヌの方に目を向ける
ジャンヌ
「お疲れでしたら、眠っていただいても大丈夫ですよ。しばらく宿舎は静かでしょうから、ゆっくり休めると思います」
ソーサーとカップをニオの前に置くと、ポットからハーブティーを注いで。 「どうぞ。あなたには、少し物足りないかもしれませんが」
ニオ
「……香りは、分かるわ」 ハーブティの香りに嬉しい、と感じる
薄い表情に笑みを作って
ジャンヌ
「ふふ、良かったです。ここしばらく、少し勉強してみたんですよ。どういうものがあって、どういう香りがどんな効能を持つのか。どう淹れれば上手く香りを引き立てることが出来るのか、とか」
ニオ
「…‥素敵、ね」 カップを持って 一口飲む
「……おいしいわ」
ジャンヌ
「……」 自分の分も注いで、少し置いてから口に運ぶ。ほう……と温かい吐息を漏らして。 「そう言っていただけると嬉しいです。ニオさんに気に入っていただけるのでしたら、頑張った甲斐がありましたね」
ニオ
「……?」小首を傾げて 「…ニオの、ため?」
ジャンヌ
「自分が美味しいものを飲みたい、という理由もありましたから、ニオさんのためだけ、というと嘘になってしまうかもしれませんが……」 困ったように笑って。 「でも、殆どはあなたに美味しい、いい香りだと思って欲しかったからだと思います」
ニオ
「……そう」 視線を下に落として
ジャンヌ
「私は趣味らしい趣味もありませんし、これを機にお茶の勉強をもっと深くしてみるのもいいかもしれませんね……」 むむむ、と唸りつつ、サンドイッチに手をつける。
ニオ
「……ジャンヌなら、何でもできるわ」 視線を上げ直して テーブルの上で両手を組んでそこに顎を載せて 足をぱたぱたとさせる
ジャンヌ
「そんなことはありませんよ。私、不器用ですから……料理も裁縫も、慣れるまでは結構時間が掛かってしまいましたし」
「斥候術などに関しては、どうしようもないくらいに才能がないと言われていますから……」 がっくりと肩を落とす。
ニオ
「でも、出来るようになったんでしょう?……お仕事は、そうね」
ジャンヌ
「ええ、一応……人並みには、多分」
ニオ
「……すごい事だわ」
ジャンヌ
「ニオさんだって、私に出来ないことが沢山出来るじゃないですか」
ニオ
「そうね、ニオもすごいもの」 薄く笑ってみせて
ジャンヌ
「……ふふ、自分でそう仰る方はめずらし――いわけでもないかもしれませんね」 知り合いを何人か思い出し、思わず苦笑した。
ニオ
「…ニオだって、……」 ううん、と首を振って 身体を起こすと サンドイッチを1つ手に取り 口にする
ジャンヌ
「ニオだって……なんですか?」
そんな様子をじっと正面から見つめながら。
ニオ
「……なんでもないのよ」 小さな口で咀嚼して こくんと呑み込む
ジャンヌ
「途中で止められてしまったら、気になってしまいますよ」
ニオ
「ニオだって……すごいはずなのに、」
「大事な人は、……中々相手してくれないから」
ジャンヌ
「大事な人……。そうですか、ニオさんは、その方にもっと自分を見て欲しいんですね」
ニオ
「……余計なことを、言ったわ」
ジャンヌ
「余計なことではありませんよ。大事なことです」
「誰かに必要とされたい、誰かの力になりたい。そう言った思いは、きっとあなたに想像以上の力をもたらしてくれるでしょうから」
ニオ
「……分からないわ」
「……分かりたくないわ」
ジャンヌ
「……分かりたくない、ですか?」 少し間を置いて出てきた言葉にきょとんとして。
ニオ
「……ニオは、お人形。お人形だから」
「考えちゃいけない。考えたくないの」
「…‥なのに、」
「………ジャンヌと居ると、色々考えちゃう」
ジャンヌ
――……」 席を立って、椅子に座るニオの傍に。目線の高さを合わせるように少し屈む。 「……いいえ、あなたは人形ではありません」
ニオ
「だからもう、……会いたく──」
ジャンヌ
「……ニオさんも、“あなた”も、人形ではなく、人間です」
「あなたが本当に私を嫌って、会いたくないと言っているのならば、素直にあなたから距離を置きましょう。でも……」
「あなたはこうして、私と言葉を交わしてくれている。……傲慢な物言いになりますが、あなたが私を嫌っているようには思えません」
ニオ
「………」 殺したい、殺したい殺したい殺したい……
ジャンヌ
「……」 目線の高さを合わせたまま、頭に手を伸ばして優しく撫でる。
ニオ
「……やめてっ」
手を払いのけて
ジャンヌ
「……本当に、嫌ですか?」 払い除けられた手は引かないまま、じっとニオを見つめて問いかける。
ニオ
「………ニオに入ってこないで……」 自分の身体を抱くように腕を交差させて
ジャンヌ
「出会った頃からそうでしたが……あなたは、何か助けを求めているように見えます」
「……そんな人を放っていられるほど、私は心が強くはありませんから」
ニオ
「……ないわ、そんな事」
ジャンヌ
「そうでなければ、今日私のお茶の誘いになんて応じてくれなかったでしょう」
「……あなたは先程、人形だから考えちゃいけない、考えたくないと言いましたが」
「私は、あなたがそうやって私の言葉に色々と考え、悩んでくれていることを、とても嬉しく思います」
ニオ
「……」 右腕を下ろす じゃらりと 鎖が床に落ちて、鳴る
「……まったく」 苦しげだった表情が無になり、 そしてゆっくりと 切り替わる
ジャンヌ
「……」 彼女の武器の音が聞こえても、静かに傍に佇んだまま。 「それであなたが納得出来るのならば、それでも構いません」
「でも――決してそれでは、心を軽くすることは出来ませんよ」
ニオ
「……これ以上は彼女がもちませんので」 切れ長の目がジャンヌに流れて
じゃらり、と右腕に鎖を巻き直す
ジャンヌ
「……あなたは、彼女を守っているんですね」
ニオ
「いいえ。"仕事"に支障が出るからに過ぎません」
「どうして今も彼女が残してもらっているのか、疑問です。わたしには」
ジャンヌ
「こうして私に情報を漏らしてしまう方が、あなたたちのお仕事に差し障ってしまうように思えますが」
ニオ
「仕事である事には変わりませんし、それはもう、ニオが口にしていました」
ジャンヌ
「……まるで、いつでも人格を消せるとでもいうような言い方ですね」
ニオ
「ご想像にお任せします。ジャンヌ・ダルク」
ジャンヌ
「……消させませんよ。たとえ消えても、私がまた呼び戻します」
「ニオさんも、あなたも。私にとっては友人ですから」
ニオ
「それは貴方の勝手です……さて、」 席を立って 「これで最後です、ジャンヌ・ダルク」
ジャンヌ
「はい。私の好きにさせてもらいます」
ニオ
「……と思いたいところですが、その表情だと、彼女を見つけ出しそうだ」
「…‥一つ、情報を置いていきましょう」
ジャンヌ
「……情報?」
ニオ
「〈不死者達の遺産(ノスフェラトゥ・コレクション)〉、これを知るものならば、彼女やわたしの状況が、分かるかもしれません」
ジャンヌ
「……」 心の中で、彼女の出した言葉を反芻して。 「なぜ、それを私に?」
ニオ
「では、失礼──、ご馳走様でした。ジャンヌ・ダルク」
「都合が良いからです……色々と、ね」
ジャンヌ
「……そうですか」
「ありがとうございます、ニオさん」
その姿を見送ろうとしてから 「――あ、」
「いけない、忘れてしまうところでした」
ニオ
「……なにか?」 振り向いて
ジャンヌ
部屋の机の上に置いてあった袋を手に取ると、それをニオに差し出す。 「これ、先日言っていたお渡ししたかったものです」
ニオ
「……」 ため息をついて 「受け取る理由はありません。ジャンヌ・ダルク」
ジャンヌ
「いいえ、あります」
「先日、ちゃんと指を切ってまで約束したんですから」
ニオ
「……」受け取っても処分すればいい 「では預かるだけ預かりましょう」
ジャンヌ
「中には、保温性の高い衣服が入っています。前にニオさんと一緒に眠った時に、少し身体が冷えやすい体質なのかなと感じたものですから」
ニオ
受け取って
ジャンヌ
「部屋着にでも、使ってください」
「もし気に入らなければ、捨ててしまって構いません」 微笑んで。 「その時は、また好みを教えてください。改めてお贈りします」
ニオ
「……」 息をついて 「ええ、そう言う事であれば」 話を合わせるようにして
袋を預かると、そのまま退室していった
ジャンヌ
「……私、こういうことに関しては、結構しつこいですよ」 そんな様子を見て、人差し指を顔の前に立てて悪戯っぽく微笑んだ。
ニオ
「……」 その表情を、無表情に眺めやってから
「……困った方だ」 そう呟いて出て行った
ジャンヌ
その呟きは聞こえたのか、聞こえていないのか、姿を見送ってから大きく息を吐いて。 「……うん、とりあえず受け取ってもらえたから、よしとしましょう」
「〈不死者達の遺産〉……だったら、太陽神の神殿から当たってみるのが良さそうかな」
幸いといっていいのかどうかは分からないが、彼女はしばらくこの街を離れるようだ。その間に調べろという意味もあったのだろう。
――まずは今日やるべきことをきちんとやってから、どなたかにお知り合いを紹介してもらいましょうか」
やることが決まれば、これ以上一人で休憩してもいられない。気合を入れ直すように軽く両頬を叩いてから、余ったサンドイッチを口に入れて、部屋を後にした。
ジャンヌ
こんなところですね
ニオ
ニオはもう少し続けるわ
ジャンヌ
では、後はお任せします
ニオ
ひっかいても痛くない痛くないってしてくるから
困ったわ
ジャンヌ
痛みはありますよ
 
 
 
 
 
イルスファール どこかの区画の路地裏
手ごろな箱に腰かけて 少女は、袋を開けて 中身を手に取る
ニオ
「……」 与えられるままだった これまでは 匙のものになってからは、その品質が上がった
「……ニオの、もの…」
誰かからの、贈り物
それは、初めての経験で
もこもことした衣服に爪を立てる、引き裂こうとして──、そしてできなかった
「……」 しまっておこう。着る事は、無いかもしれないけど 自分の魔域に
「……でも」
「……いい事じゃない、わね…」
俯くように、暫くそこに佇んで
そして、気配は消えていった
 
 
 
 
 
ニオ
お付き合いありがとう
ジャンヌ
こちらこそ。
いい子ですね。
ニオ
初めての隠し事だわ
きっと匙の興味がこっちに向いたら、処分されちゃうわね
ジャンヌ
大丈夫、させません。
ニオ
頑張って
ジャンヌ
がんばります。
ニオ
じゃあ、またね
ジャンヌ
それでは、今日はこの辺りで。
ええ、また。
ニオ
)))
SYSTEM
ジャンヌが退室しました。
SYSTEM
ニオが退室しました。
背景
BGM