- SYSTEM
- アンジェが入室しました。
- SYSTEM
- カイトが入室しました。
- カイト
- よし
- アンジェ
- よし
- カイト
- ずっとやりたかったのがようやく
- アンジェ
- ながかった
- カイト
- 描写は受け持とう
- アンジェ
- らすかる(苦手
-
-
-
-
-
-
- リアン地方、イルスファール王国 王都イルスファール
- この地だけでなく、年明けは、ラクシア全体に等しく訪れる
- 年明けももうすぐという事で、新年に向けて活気づく街並みを抜けて 南西の門を2人の少年少女が抜けて行く
- 大晦日の夜。星々がひっそりと輝き、月が緩やかに辺りを照らしている。
少年は 以前王都に出現した魔域を解決した折に、魔域内ではあるが登った経験のある王都が見渡せる丘に
少女を伴って向かっていた
- カイト
- 片手には、紙袋 もう片手には少女の手を握って 少年は丘を登りきる
- 暗灰色のコートに、黒いマフラー、愛剣だけを佩びて 少年は光がいつもよりも多い街並を見つめた
- 「……やっぱり、ここから見ると、綺麗だな」
-
- 王都は、普段であれば繁華街を除けばそこまで光の強い街ではないが、新年に向けたイベントなどから シラーとまではいかなくとも、人の営みを感じる明るさを湛えていた
- アンジェ
- 「わぁ、ほんとにキレイ」
- 「夜の街って、こんな感じなんだ」 白い息を吐き出しつつ、目を輝かせて街を見る
-
- 「今日だったら、いい景色になると思った」 頷いて
- カイト
- 「今日だったら、いい景色になると思った」 頷いて
- アンジェ
- 「ふふ、天気読んでたの?」 カイトはこう見えて気遣いする人だと知っている
- カイト
- 「……アンジェと、見たかったから」 少し口元を隠すようにして 肯定を示すように頷いて
- 「……年が、明ける前だけど」 アンジェの方を向いて
- アンジェ
- 「うん。ありがとう」 「うん?」
- カイト
- 「今日も寒いから……」
- 紙袋をアンジェの方に差し出して
- アンジェ
- 「あ、渡したいものってこれ?」 受け取り
- カイト
- 「……ああ」 少し、緊張する
- アンジェ
- 「あー、私まだカイトに渡すの決まってなかったぁ…」
- カイト
- 「……気にしなくて、いい」 つい、そう言ってしまう
- アンジェ
- 「うーん、ごめん」 ぺこんと頭を下げつつ 「よし、それは今度、ということで」 頭を振って切り替えまして
- 「開けていい?」
- カイト
- 「……楽しみに、してる」 そう返して
- 「ああ…」 少し間を置いてから、頷く
- アンジェ
- 「うん。なんだろー」 では袋の中に手を入れまして、触れたそれを取り出す
-
- ふわ、とした感触がアンジェの指先に触れて
- 取り出されたのは、一本の白いマフラー
- 少年が付けているものとよく似たデザインで、丁寧に編まれている
- アンジェ
- 「わぁ、マフラーだ」 ふわふわのそれを両手で広げまして
-
- すべて取り出すと、白とは異なる色が見える部分があって 黒い糸で 魔動機文明語で "アンジェ" と名前が編まれていた
- アンジェ
- 「……あれ、わたしの名前?」 しかも魔動機文明語
- 「もしかして……手編み?」
- カイト
- 「……魔動機文明人だって、言ってたから」
- 「……ああ」 頷いて
- アンジェ
- 「カイトの?」
- カイト
- 「……」 頷いて、肯定する
- 「俺が、編んだ」
- アンジェ
- 「えええ!?すごい、いつの間に覚えたの?凄いよカイト!」 広げ、触り、ひとしきり感触を確かめると
- 「というか、嬉しい、ありがとう!」 と言いながらカイトに抱きついた
- カイト
- 「店で編んでる奴が居て……」 ぽつりぽつりと説明しようとして 抱きつかれて 「……ああ」 良かった、と少年の表情も綻んだ
- アンジェを支える様にして 腕を回す
- 「店で編んでる奴が居て……そいつに教えて貰ったんだ。11月の半ばくらいから、練習して…」
- 「一番よくできた奴を、渡そうと思って…」
- アンジェ
- 「すごい。こんなの貰えるなんて思ってなかった」 抱きついたまま嬉しそうににこにこ 「わぁ……そこまでして、用意してくれたんだ」 ゆっくりと離れ
- カイト
- 「……」 少し名残惜しそうに離して 「喜んでもらえて、嬉しい」
- アンジェ
- 「うん。うん。わぁ、あったかい」 首に巻き付けて頬ずりし 「お揃いー」
- カイト
- 「……」 頷いて
- 適当に、丘の上に腰を下ろして
- 街の光を眺める 光の薄い少年の瞳も、この時は普通の輝きを取り戻している様に見えた
- アンジェ
- 「ああ、でもどうしよう。お返しに悩んじゃうなぁ」 隣に腰を降ろし、身を寄せた
- カイト
- 「……なんでもいい」
- 「アンジェがくれるものなら、……なんでも」
- アンジェ
- 「欲しいものとかないの?」
- カイト
- 「……前は、食べきれないくらいの食事が欲しかった」
- 「次は、力が欲しかった。その次は、自由になりたかった」
- アンジェ
- 「……うん」
- カイト
- 「今は………」アンジェを見て 「……もう、何もいらない」
- 「ああ……でも、…‥そうだな」
- 「もっと……読める様になりたい、書けるように、なりたい」
- アンジェ
- 「───」 カイトの言葉に自然と顔が赤くなり
- 「読めるように、書けるように……」
- カイト
- 「それは、贈れるものじゃないかもしれないけど……これからも、一緒に居て…欲しい」
- アンジェ
- ぱぁっと笑顔になり 「うん。もちろん!」
- カイト
- 「……」釣られて笑顔になって
- アンジェ
- 「カイトこそ、わたしと一緒にいてね」
- カイト
- 「……ああ」頷いて
- 「一緒に、居たい」
- 「ずっと‥‥ずっと」
- アンジェ
- 「うん、ずっと」 頬に口づけた
-
- 身を寄せて 会話を重ねて行くと時間は過ぎて行って
- カイト
- 「……」 頬が熱くなるのを感じて 少年は目を逸らした
-
- 街の方からは、大きな音が風に乗ってここまで聞こえて来た
- 年が、明けたのだ
- カイト
- 「……新年みたいだ」
- アンジェ
- 「あ………」
- カイト
- 「新年おめでとう…アンジェ」
- アンジェ
- 「うん。おめでとう。カイト。今年もよろしくね」
- カイト
- 「……ああ。今年もよろしく」
- アンジェ
- 「このために誘ってくれたんだ」
- カイト
- 「…もう1つ。贈り物があるんだ」
- 「……」小さく頷いて
- アンジェ
- 「え?なんだろ」
- カイト
- 「……この新年のお祝いは、俺たちの…なんだろうな、"ぎしき"だった」
- 「冬を超えるというのは、常に命がけで……お祝いをした後に居なくなる奴もいたけど」
- アンジェ
- 「………そっか…」
- カイト
- 「毎年、やっていたんだ」
- 「ニアが……決めていて、俺たちはお互いに贈り物を用意して…まあ、石だったり、ガラクタだったりしたけれど」
- 「……仲間になる、儀式だった」
- 「……俺たちには無いものだらけだったけど、共通してないものも幾つかあって」
- アンジェ
- 「うん」
- カイト
- 「…誕生日が、無かった」
- 「だから、……決めてたんだ。年明けの日が、俺たちの誕生日だって」
- 「……だから、」 アンジェを見て
- 「アンジェにも、誕生日を贈ろうと思う……記憶がないって言ってたから…」
- アンジェ
- 「ああ───そっか」
- 「そっか。じゃあ、今日が、わたしの誕生日」 手を見つめ、握ったり開いたり
- カイト
- 「だからそのマフラーは…‥新年のお祝いじゃなくて」
- 「…誕生日、プレゼントなんだ……」
- アンジェ
- 「そういうことだったんだ」 「うん。ありがとう」
- カイト
- 「……」頷いて
- アンジェ
- 「じゃあ、誕生日、カイトとお揃いだね」
- カイト
- 「‥‥そうなる」 少し、また胸の辺りが跳ねた気がして、間を置いた返事になった
- 「16になった。たぶん」
- アンジェ
- 「わたしは、幾つくらいなんだろうねぇ」
- カイト
- 「……同じくらい、じゃないのか」
- アンジェ
- 「魔動機文明の生まれっていうのは、そうなんだと思うけど……覚えてないなら、抜かしちゃっていいのかな?」 あはは
- カイト
- 「何歳でもいい。アンジェがアンジェである事は、変わらないし…‥」
- 「……すごい離れてる様には、見えないから」
- アンジェ
- 「そうだけど、お揃いがいいな。じゃあ、16くらいってことで」
- カイト
- 「……それで良いと思う」 頷いて
- アンジェ
- 「ナイトメアだから、変わんないと思うけどね」 えへへ
- カイト
- 「……これで贈り物は全部終わり」
- アンジェ
- 「終わりじゃないよ」
- カイト
- 「……」
- アンジェ
- 「今も貰ってるもの。あったかい気持ち」
- カイト
- 「……そうか」 アンジェの肩を抱いて
- 「……もう少し、ここに居たい」
- アンジェ
- 「うん。わたしも」寄り添って
-
- 新年のお祝いは、街は朝方まで続いたようだ
- それを眺める2人もまた、朝方までそうして過ごして居た
- とても寒いはずなのに、どこか暖かなままで 少年と少女は太陽が昇り始めた空を見ながら、街へと戻っていくのだった
- カイト
- こんなところだろうか
- アンジェ
- 甘すぎて
- 海女になったわね
- カイト
- 海女になったわ
- アンジェ
- ありがとうございました
- カイト
- ありがとうございました
- また遊んでください
- では撤退だだだだだ
- )))
- SYSTEM
- カイトが退室しました。
- SYSTEM
- アンジェが退室しました。