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コモンルーム[V]

20200103V_0

SYSTEM
アウラが入室しました。
SYSTEM
ルトヴィークが入室しました。
アウラ
呼ばれた理由はお分かりですね?
ルトヴィーク
何かしたっけ。
アウラ
いいでしょう
状況としては
全部終わった後、星の標裏の空き地としましょうか
ルトヴィーク
わかった。俺が先にいる形?
アウラ
いえ、連れ出しましょう
ルトヴィーク
ん。じゃあ、えすこーとはよろしく。
アウラ
…困った方です
アウラ
 
 
 
 
 
 
 
 
 
リアン地方、イルスファール王国、〈星の標〉
ここは国内でも有数の冒険者ギルド支店であり、数多くの冒険者が揃っている
冒険者が集まるのは、主に早朝 後はまばらに店を出入りし
そして疎らに帰ってくる
勿論、帰ってこない者たちも、たまにはいるかもしれない
今回は依頼をこなして帰ってきた者たちの内の一組で
報酬を受け取り、皆が解散した後も、残っていた2人は
その片方が、もう片方を外へと連れ出した
金色の髪に空色の瞳、青と白を基調とした神官服に身を包み、ヴァイオリンケースを手にした少女は、
黒髪の青年の手を引いて、空地へとやってきた
アウラ
壁際まで寄ると 夜に染まった空の下、店の窓から漏れ出る灯りだけを頼りに、青年を睨み付けた
依頼が終わって戻るまで、感情を伏せていたのだろうか 少女は無言で見上げる様にして 睨んでいる
「……ルトヴィーク、私は怒っています」
ルトヴィーク
これまでにいくつかの表情を向けられた覚えはあるが、この表情を向けられたのははじめてかもしれない。
少女の表情と言葉を受けて、青年はゆっくりと首だけ傾げて見せる。
当人としては意図を考えているのだが、鉄色の眼からは何故そう告げられたのかも理解出来てないように、間の抜けた視線が向けられている様にも思える。
「……」 やはり解らない。小さく頭を掻いて 「誰に?」
アウラ
「貴方にです」
ルトヴィーク
「……なんで?」
アウラ
「…‥‥」睨むのをやめて、息をついて視線を下げる
「──あの魔動機との戦闘は、確かに苦しいものでした」
「傷を大きく負っていた事も、ダメージが体に嵩んでいた事も知っています……よく、やってくださいましたと、申し上げたくなるくらいには、奮闘されていました」
「……けれど、最後のあれはなんですか」 また、視線を光らない鉄色の瞳に向けて
「どうして、‥‥‥諦めたように呆然としていたのです」
ルトヴィーク
その言葉には瞳の色を変えて、僅かに瞳を揺らし、少しだけ視線を逸らす。
アウラの"弟妹"達も、叱られると解った時には同じ反応をしていただろうか。
少なくとも今青年が見せた反応は、幼子や動物が、自身の隠していた行いを暴かれた時の反応と相違ない。
アウラ
「……お話なさい」
「自覚がおありなら、尚更ですわ」
ルトヴィーク
「……」 普段の言葉を探す様子とは異なり、指摘された事から来る動揺に言葉を詰まらせる。
続いたアウラの言葉にも、視線を逸らす。
アウラ
「ルトヴィーク」 優しく呼ぶこともある音を、今は冷たく固くして、(おと)にする
ルトヴィーク
びく、と身体を揺らし
「……死んだな、って思った」 普段の思い付かずに途切れる喋り方とは異なり ただ言い辛そうに
アウラ
「……」
ルトヴィーク
「でも、出来る事もなかったし」 これは事実だとでも言うつもりなのか、ここで視線を戻して
アウラ
「……」 とても、とても冷たい視線が、ルトヴィークに刺さる こんな目の色が出来るのか、というような 怒気をはらんでいるはずなのに、とても冷たい視線
ルトヴィーク
「、……」 し、と。続けようとしたところで、アウラの視線に続く言葉を喪う。
一度視線を逸らして、その後に伺う様に一瞥する。
アウラ
「……出来ることがないから、死ぬ準備をしていたと。そう言う事ですか?」 疑問を発するというより、確認を取るような
ルトヴィーク
アウラが喋るよりも前、息を吸う段階でまた肩を揺らし
「準備、じゃ」 やや間を置いて 「……だった、かもしれない」 小さく呟いて
アウラ
「………」 一度瞑目して
「前にも、ありましたか」 今度は質問を発する声音で 「そう言ったことが」 先ほどよりは多少、柔らかだ
ルトヴィーク
眼を伏せて 掘り返す様に思い起こし 「……〈星の標〉(ここ)に来てからは、はじめて」
「ユディスにいた時は、……何回か」 柔らかくなった声色にも、まだ怯みつつ
アウラ
「……そうですか」
「……怒っている理由は、これで分かりましたか?」
ルトヴィーク
「……」 また困った表情を見せて
「……」 不快そうにではなく、どこか不安そうに眉を顰めて 「遣えなかったから?」
アウラ
「……」 首を横に振って 「違います」 と短く答える
「貴方を使える、使えないで考えた事はありません」
ルトヴィーク
その言葉にまた困った様にして、逸らしては合わせてを繰り返し
アウラ
「戦闘や探索においては頼りになるとも思っています……他に理由は浮かびますか?」
ルトヴィーク
それを言われれば、む、と言葉を詰まらせて
「他には、ない」 
アウラ
「ではお教えします」
「貴方が、諦めたからですわ。仲間や、私を置いて。誰よりも先に、あの場で、諦めたから」
「命を自分から放り出したから、怒っているのです」
ルトヴィーク
「……でも」 ここは普段通りに眉を顰めて
「目を付けられてるのは俺だったし、……銀髪の女とか、でかい男もいたから、潰れてもあんたらは何とかなるって思った」
アウラ
「………」 再び、目が冷たくなる
ルトヴィーク
「だから、そうしても、しなくても。変わらなかったと、おも……」 冷たくなると、徐々に言葉を詰まらせて
最後には口を閉じ、視線を逸らす。
アウラ
「ルトヴィーク」
ルトヴィーク
眼を逸らしたまま、なに、とだけ答える。
アウラ
「命を放り出した事を怒っているのは、その場の事だけではございません」
「貴方が死んでしまったら、ローラはどうなるのですか」
ルトヴィーク
「……飼い主が、いなくなる」
アウラ
「はい。私がローラをお世話する理由も無くなりますわ」
「貴方は、自分の命だけでなく、ローラの命も放った事になるのですよ?」
ルトヴィーク
「……」 小さい身体と、まだ懐いてはくれなかったローラを思い浮かべて 少しだけ、小さく唸る。
アウラ
「……貴方の命は、もう貴方だけのものじゃないのです」 ルトヴィークの胸に手を当てて
ルトヴィーク
「……う、ん」 ぎこちなく頷き、ゆっくりアウラへ視線を向ける。
手を向けられると、大きく身体を震わせる。抵抗をするわけではないが、じっと固まり
アウラ
「…‥それを分かって下されば、もう怒りません」
ルトヴィーク
「…………」 わかったのだろうか。少し躊躇う様に答えず。
アウラ
「……ローラを置いて、死にたいですか?」
ルトヴィーク
「……わからない」 肩を落として
アウラ
「……ローラを置いて死ぬと思ったら、どう思いますか」
ルトヴィーク
「次を、見つけるかな、って」
「……思うと、思う」
アウラ
「……」
「……代わりのある、存在だというなら」
「お世話を、やめます……本当に、そう思っていらっしゃるのですか?」
ルトヴィーク
その言葉には、困った様に小さく声を漏らして
「……代わりがない、ものが」
「…………わからない」 
アウラ
「……代わりが無いというのは」
「失えばもう戻らないものの事です」
ルトヴィーク
「でも、ローラにとっては」
「……」 続けようとした言葉が、また目の前の少女の怒りを買うものだろうと気付いて、口を止める。
アウラ
「……ルトヴィーク」 ため息とともに、その名を呼んで
「ローラにとって、も、貴方は掛け替えがないのですわ」
ルトヴィーク
「……」 首を傾げて
「……も?」
アウラ
「……自分の事すら、替えが利く存在だと、思っていませんか?」
ルトヴィーク
きょとん、として
「うん」 さも当然の様に頷く。
アウラ
「……ルトヴィーク」
ぱん、と乾いた音がした 痛みを感じないルトヴィークには、視界が強制的にずらされた という感覚だろうか
「……‥」 叩いた少女の方が、痛そうな表情をしている
ルトヴィーク
「ぅぷ」 打ち払われると、そんな声を漏らして やや間を置いて、状況を理解する。
少女の表情を見ると、また一つ首を傾げて
「……そういうもの、だから」 先程と同じく、それが当然の様に答える。
頬を打たれた事は解るが、何故そうされたのかが理解出来ない様子で 困惑したように口にすると、アウラの瞳を伺う。
アウラ
「……そう、ですか」
「貴方にとって、全部が、そう。ですか?」
ルトヴィーク
「全部?」
アウラ
「…はい。全部です」
ルトヴィーク
意図が解らない様に、首を傾げる。
アウラ
「貴方も含めた、この世のあらゆるものが、貴方にとって替えの利くものですか?」
ルトヴィーク
少し考えるように俯いた後、すぐにそれを戻して
「……違う。そうじゃない」 首を横に振って
アウラ
「……」 諦めようとする自分を奮い立たせて、 言葉の続きを待つようにルトヴィークを見つめる
ルトヴィーク
「アウローラの(おと)は、そうじゃない」 それから、と続けて
「……ローラも 他に飼い主は見つかるけど、俺にはローラはあいつだけ、だし」
「……ハツヒノデも。あれだけ」 「だけど、」
「……」 叱られている内に、反応を待つ幼子の様に視線を向ける。
アウラ
「……」 よかった、とへたり込みそうになるのを何とか堪えて 長い息を静かに吐く
「…‥貴方が死んでしまえば、そう言ったものも、全部置いて行ってしまう事になるのですよ」
「……いやでは、ありませんか」
「怖くは……ありませんか?」
ルトヴィーク
その言葉には、首を横に振って
「替えが利く」 先程と同じように、当然の様に
必要とされたい、であるだとか。そういった様子は感じられない。
アウラ
「何かの命に責任を持つという事は」
ルトヴィーク
求めていると言われたいが為の言葉ではなく、ただ、それが至極当然の様に口にする。
アウラ
「そうであっては困るのですわ……」
「ローラも貴方も、代わりは居ないのです」
「ルトヴィーク……それを、私は貴方に分かって貰いたいのです。知ってもらいたいのです」
「知らない人に、そうしろとは言えないのです」
「……知っていると思ったから、先ほどは叩きました」
「でも知らないなら、貴方は知るべきなのですわ」
ルトヴィーク
「……知る?」
「代わりは、ある。だって、俺に出来る事なんて、殺す事と、壊す事くらいだ」
「アウローラだって、それは知ってるだろ」 
「アウローラみたいに、歌とか、……なんか音を出したりとか、そういう事は出来ないし」
アウラ
「いいえ」
「いいえ。これが出来るから、あれが出来ないから、ではありません」
「貴方が貴方であるというだけで、それはもう替えが利かないのです」
「ルトヴィークという個人を、少なくとも私は認めています」
「貴方が壊す事や殺す事しか出来なくても、私が貴方を肯定します」
「だから、貴方が貴方を否定するのをおやめなさい」
ルトヴィーク
「……否定してる、のか」 首を傾げながら、アウラに視線を向けて
アウラ
「貴方は今、自分の価値を貶めて、否定していますわ」
「自分は替えの利く存在だなんて、言うのは、……哀しいです」
「少なくとも私は、ルトヴィークは1人しか知りません。貴方だけですわ」
ルトヴィーク
紡がれた言葉に、実感がない様に困った表情を浮かべて
「アウローラ」 所在無さげに視線を彷徨わせながら、名を呼ぶ。
アウラ
「……」 どうしたら… 「…はい」 呼ばれて、顔をあげる
ルトヴィーク
「……」 怒られるだろうか。少し視線を落としてから、しっかりと合わせて
「その表情(かお)は、いやだ」 そんな、話の流れを微塵も気にしない様な言葉を口にした。
アウラ
「……」 息をついて
「貴方に、知ってほしいのです……まだ、足りないかもしれませんが」
「それでも……自分は自分であると、ここに居るのだと」
「替えなど必要ないのだと」
「‥‥‥私だって、ずっと笑っていたいですわ」
ルトヴィーク
「なら、」
「アウローラが笑える様になるから」
「……歌っていられるようになるから」
「だから、アウローラの所にいる。それなら、替えがないっていつか解る、……だろ」 言葉を探る様に選びながら、たどたどしく口にして
それでいいだろうか、と言いたげに 弱々しい視線を向ける。
アウラ
「………」
表情に照れや、火照りはない、ただ
こうしたくなったからとばかりに、無言で 青年の背に手を回して、抱き締める
楽器ケースが 軽い音を立てて 転がった
ルトヴィーク
――……」 ぐい、と抱き締められる。身動ぎする事もなく、ただされるがまま。
「……、は?」 状況を理解できずに、口をついて出た言葉はそんなもので
転がったケースを見て、大事にしてるものなんじゃないのか、とぼんやりと頭の中で考えながら
静かに、その矮躯を受け止める。
アウラ
「……こうして差し上げたいと、思ったのですわ」
ルトヴィーク
「ケース、転がったけど」
アウラ
「…‥ごめんなさい、急に…」
短い抱擁を終えると 離して 楽器ケースを拾い上げる
ルトヴィーク
「……」 その背を見ながら、困った様にして
一歩、踏み出して
後ろから手を回し、ケースは落とさない様に手を添えながら
抱き締める、というにはあまりにも無遠慮で
獣がするように、背後からアウラを腕の中に抱き込んだ。
アウラ
「……っ」 身を固くして 「……」されたから、して来たのだろうか 少し、瞳に怯えの色を載せて 顔を向けて 片目でルトヴィークを見る
ルトヴィーク
怯えの色を見れば、少し力を緩めて 
「良いか、返事を聞けてなかったから」
「それと、……俺がしたいと思ったから、した」 「……でも、ごめん」 ぽつぽつと言葉にして、ゆっくりと手を放す。
アウラ
「……大丈夫です、ルトヴィーク」
「少し、驚いただけですわ」
優しく、諭すようにそう言って
振り向いて 少し高い所にある頭を撫でる
ルトヴィーク
撫でる手に、眼を伏せて応え
「じゃあ、もうしない」 驚いた、と口にしたのを受けて
アウラ
「……言って下されば、大丈夫です。いつでも、良いという訳ではないとは思いますが」
「私の方からも、してしまいましたから…」
ルトヴィーク
首を傾げて
アウラ
「人と触れ合う事を怖がらないでください」
「大丈夫です。嫌いになってどこかに行ったりしませんわ」
ルトヴィーク
「……、」 ぎこちなく頷いて
「アウローラもしたいなら、よかった」
アウラ
「……はしたなかったですわね」 少し頬を染めて
「……よくありませんでしたわ…不躾でごめんなさい」
自分のとった行動そのものに対して照れているようで
「…ただ、ええ」
「ルトヴィークが言う様に……そうしたかったのですわ」
「……とても、寒そうに見えたから」
ルトヴィーク
「……」 いいけど、という様に緩く手を広げつつ 「寒そう?」
アウラ
「貴方は、温もりというものを知らないのではないかと…思って」
ルトヴィーク
「……解らない事ばかり、だけど」 頭を掻いて
「でも、さっきのがそれなんだろ」
アウラ
「……はい。ローラを抱いた時も」
「暖かかったでしょう‥?」
ルトヴィーク
頷いて 「アウローラも、暖かかった」
アウラ
「……それが、命の暖かさなのです。貴方も、そうなのですよ」
「……その熱は、貴方だけのものなのです」
ルトヴィーク
「……」 自分の胸に手を当てて、思案する様に眼を細める。
(まだ、よくわからないけど) (それでも、またあの表情(かお)(こえ)が聞こえるなら、もう少しだけ)
「うん。……わかった、と 思う」
アウラ
「……」 小さく頷いて
「なら、もう怒っていません」
「……よくやってくれました。お疲れ様でした、ルトヴィーク」
ルトヴィーク
「アウローラも」 頷いて 「いい?」 手を伸ばしつつ
アウラ
「…‥少しだけですわ」 頷いて
ルトヴィーク
それを見て、手を回し、無遠慮に――
ではなく。怯えた眼を向けられたからだろうか、必要以上に弱々しく、壊れ物を扱う様に腰に手を回し それをゆっくりと引き寄せる。
アウラ
「……」 身体を少し預ける様にルトヴィークに寄りかかって
ルトヴィーク
向けられた言葉の意味を、確りと理解出来ているのかは解らないが
「……アウローラは、暖かい」 それだけは解っている。口にして、それを伝えて ゆっくりと手を放す。
アウラ
「…‥それは何よりです」 小さく微笑んで
「戻りましょうか。ローラの顔を見に」
ルトヴィーク
「ローラの顔、見に行っても――
アウラ
「……ふふ」 本当におかしそうに笑って
ルトヴィーク
「……、うん。行く」
アウラ
「ええ、いらしてください」
ルトヴィーク
微笑んだアウラの顔を見て、少しだけ口元を緩めて
「うん」 頷いて、その背を追った。
アウラ
こんなところでしょうか
ルトヴィーク
うん。
思ったより怒られた……
アウラ
ええ、怒ります
でも、叱る方に寄せて行きました
すぐに分かれとは言いませんから
少しずつ変わっていきましょう
ルトヴィーク
……
まあ。やれるところから。
アウラ
ええ
ルトヴィーク
じゃあ、とりあえずここは。
アウラ
ではまたお会いしましょうルトヴィーク
お付き合いお疲れ様でした
ルトヴィーク
うん、また。
お疲れ様。
アウラ
)))
ルトヴィーク
)))
SYSTEM
ルトヴィークが退室しました。
SYSTEM
アウラが退室しました。
背景
BGM