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コモンルーム[V]

20200102V_0

SYSTEM
ルトヴィークが入室しました。
SYSTEM
アウラが入室しました。
ルトヴィーク
掃除も終わり。
アウラ
お疲れ様です
ありがとう、リードはお任せしても?
ルトヴィーク
ところで
アウラ
はい
ルトヴィーク
ああうん、それは大丈夫だけど
新年の行事みたいなのって現実準拠でいいのかな
アウラ
年始のお祝いはどこの国でもありますし
お正月という事になぞらえるなら、修羅の魔域内部の事になりそうですが
新年おめでとう、といったり初日の出を見ようとすることは
不思議なことではないと思いますわ
ルトヴィーク
そっか。じゃあ問題ないか
はじめるね。
アウラ
ええ
 
 
 
 
 
 
――親を亡くした仔犬を拾ってきたルトヴィークと、仔犬について助けを求められたアウラとの間で約束を一つしてから、数日。
既に年は明けており、王都内も未だにやや緩んだ空気が広がっている。
 
この日は、まだ約束の3日後ではなかった。
――
ルトヴィーク
酒場で一つ小耳に挟んだルトヴィークは、
特別、年が明ける事の喜ばしさを理解している訳でもなかったが、ただ形式として世話になった人間や、近しい者に挨拶をする習わしがあると知る。
年が明けたからといって、それをすることにやはり意味を見出す事はなかったが、
この日は、約束の日でもないのにアステリア神殿を訪れていた。
「……」 それも普段通りに、神殿に入るでもなく、入り口付近でぼんやりと立っているだけだ。
 
新年の参拝客たちも戸惑いを多かれ少なかれ表情に出しながら、青年の傍を通り過ぎていく
ルトヴィーク
周囲の浮かれた様子には、やや煩わしそうに眉を顰めて 新年早々、アステリア神殿の前には陰鬱とした空気を発生させる人物が立っていた。
 
神官の何人かは、またか という表情をして そのうち数人が特定の誰かを呼びに駆け出して行った
ぱたぱたと 儀礼用の宝飾品を身に着けた 白い司祭服の少女が 連れてこられる
ルトヴィーク
やってきた少女に視線を向けると、ん、と口を開いて
「ローラの顔を見に来た。あと、少し話がある」 顰めていた眉を緩めて、表情を消しながら ゆっくりと口にした。
 
髪は今日は頭巾に隠され 各所に散りばめられた宝飾品はあたかも少女の為に造られたように少女の美しさを際立たせている
アウラ
「……ルトヴィーク」 少々困った表情と声で
「もう少し、にこやかにしていないと、周りの方も困ってしまいますわ」
ルトヴィーク
「……」 はあ、と言いたげに、口をへの字に持ちあげる。
アウラ
「ローラは今日は大人しくさせているので、連れてくる事は難しいですが‥…何かありましたか?」 ひとまず入り口から退避させるように、その手を引いて連れ出した
ルトヴィーク
「そう」 普段よりも少しだけ声のトーンを落として頷いて、いつも通りに冷えた手を引かれて行く。
アウラ
「新年の祝賀の事もありますし……」ベンチの1つに連れてくると、座らせて
ルトヴィーク
「ハツヒノデ、見に行こう」 ベンチに座らせられながら見上げ、どことなくイントネーションのおかしい喋り方で頷いた。
アウラ
「はつひので……」
「初日の出、ですわね」 理解が追い付いて言い直す 小さく笑って 「ルトヴィークからそう言った提案があるとは思っていませんでしたわ」
ルトヴィーク
「そう、それ」 頷いて 「酒場で、おっさんから聞いたんだ。シンネンがなんとかって」 
アウラ
「どちらに見に行きたいと思っていますか?」
ルトヴィーク
「……?」 「種類があるの?」
アウラ
「場所、の事ですわ」
「もし、ルトヴィークさえよければ」
「準備を抜け出して、神殿の屋根で見てしまおうと思いまして」 ふふ、と笑って
ルトヴィーク
「……」 「見つからないのか?」 屋根って。
アウラ
「見つからない様にするのはルトヴィークの役目でしょう?」
「私は鍵をお借りしておくだけです」
ルトヴィーク
「……自然の中、じゃなくていいの。好きなんだろ?」
アウラ
「そうしたいのは山々なのですが…」 自分の胸に手を当てて 「この通り、年始は行事に駆り出されてしまって」
「王都を出るのは難しいのです」
ルトヴィーク
「……」 思案、というよりも不思議そうに首を傾げて
「難しいのは、出る事?
アウラ
「ええ。戻ってこなくてはなりませんし」
ルトヴィーク
「……」頭を掻いて。
「見つからない様にするのは、俺の役目なんだろう」
アウラ
「……お考えを聞いてもよろしいですか?」
少し、嫌な予感を感じて、アウローラは問いただした
ルトヴィーク
「俺が連れて行く」 いち、と人差し指を上げて
「見て帰ってくる」 に、と中指も示し
「……何か言い訳する?」 さん、と薬指を上げて、首を傾げる。
アウラ
「……すっぽかしたりしたら恨みを買ってしまいます」
「……ですが、そうですわね」 頭を回転させて
ルトヴィーク
「俺に連れていかれたって言えば良い。それならアウローラを悪く言う奴もいないだろうし」 後先の事は考えていない様子で
アウラ
「ちょっとお願いをしてきましょうか」
ルトヴィーク
「……お願い?」
アウラ
「いいえ、ルトヴィーク。それでは困る人が増えてしまいますわ」
「私はやった事はないのですが」
「テスト等の不正行為に"替え玉"というものがあります」
ルトヴィーク
「カエダマ?」
アウラ
「例えば、私の代わりに私より勉学に優れる方が、私に成りすましてテストを受けて、私が良い点数を取ったと見せかける」
「というものですわ」
「つまり、私がこの神殿にもう1人居れば良い訳で」 にっこり
ルトヴィーク
「……? アテはあるの?」
アウラ
「無いわけではありません。短い金髪の子に……この服もごてごてしていますし」
「ほんの少しだけ間を持たせて貰えればいいのですから」
「ばれたらその時ですわね」
ルトヴィーク
「出来そうなら、それでいいけど。……大丈夫なのか?」
アウラ
「あら」
「無理やり連れだそうとしたお方の言葉とは思えませんわね?」 いたずらっ子の笑みで
「多少問題を起こしておいた方が、後々良いのですわ」
ルトヴィーク
「……別に。だって、」 その笑みにはむすっとしながら
「あれだけ人がいる中なら、あんたを連れて行くくらい訳ない
アウラ
「抜け出す時はそうして頂きましょうか……ああ、寮を抜け出す時の事を思い出してドキドキしますわね」 ふふふ、と笑って
ルトヴィーク
「その時はどうしたんだ、……いいや、それは後で。準備がいるだろ?」
アウラ
「服装は暖かく動きやすいものにします。ニット帽などで髪も隠せた方がいいでしょう」
「後は……どちらに向かうかをお伺いしても?」
ルトヴィーク
「……」 ん、と頭を掻いて 「王都を出て、少し行った所に森があるから、そこかな」
「川でもいいけど」 どっちがいい、と促す様に視線を向けて
アウラ
「日の出を見るなら、高い場所が良いと思いますわ」
ルトヴィーク
「高い……」 どこかあったろうか。少し考えて、
アウラ
「あまり障害物がない、場所でも良いので…列車でヴァンスまで行ってしまいましょうか」
「ラーグ平原であれば、障害物もそうありませんし、綺麗に見れるはずですわ」
ルトヴィーク
「ん、平原の方? ……じゃあ、昼の便で出るか」
アウラ
「では早速準備をしていきましょう。神殿の外。暖かい場所で待っていてください」
ルトヴィーク
「わかった。……あ」
「ローラ、懐いた?」
アウラ
「まだ私以外には警戒心の方が強いですが、お世話をしてくれている子からも餌を食べる様になりました」 頷いて
「徐々に回復していくと思います」
ルトヴィーク
「……そう」 頷いて、背を向けて 「じゃあ、外にいる」
アウラ
では、と 立ち上がって
 
ルトヴィークが時間を潰していると1時間程だろうか
濃い茶色のコートに 黒のニット帽 眼鏡に、白いマフラー 厚い生地の胡桃色でチェック柄シャツに黒いズボン 明るい茶色のショートブーツの性別不明の1人が参拝客に混ざって神殿を出てくる
ルトヴィーク
その人物が当人であるとは全く気付かずに、いつもの位置からはやや遠い位置に立ったままぼうっとしている。
無論、ただ道端に立ち尽くしているだけであるので 暖かい筈もないが、本人は特段気にしている様子もない。
 
きょろきょろと、してからルトヴィークを見つけると
「お待たせしました……暖かい所に居てくださいと言っておきましたのに」
と声で判断が付くだろう
ルトヴィーク
姿では全く理解出来ていなかったが、声を聴けばそちらに視線を向けて 戻した後、もう一度視線を向けて
アウラ
「……本当にもう」 困った表情を載せて 眼鏡をはずして見せる
ルトヴィーク
空色の瞳を見れば、ああ、と息を漏らして
「解り易かっただろ」 この場所の方が。特に悪びれる様子も無く続けて、じろじろとアウラの恰好を眺める。
アウラ
男性ものというよりユニセックスな格好であるためか。体のラインがいつもよりも分かりやすい
「変装するのは初めてですが、中々でしょう?」
どこか得意げにそう言って
ルトヴィーク
「うん。解らなかった」 頷いて、手を差し出して
アウラ
「触りますわね」 確認するように言って
差し出された手に手を重ねる
ルトヴィーク
「……、」 行こう、と言おうとして 「うん」 頷いて、重ねられた手を引いて 歩調を合わせて列車へと向かう。
 
それからは、先程組み立てた予定の通りに
アウラの変装もあり、然程苦労する事無く神殿を離れ、列車に忍び込み
陽が落ちる頃には、ヴァンスへと到着した。
ルトヴィーク
――、とりあえず、待ってる間にこれだけ」 用意してきたキャンプに用いる道具を示しながら言って
アウラ
「お任せしても大丈夫ですか?何か手伝えることは…」
ルトヴィーク
ヴァンス(ここ)から離れ過ぎない程度の所で休む……でいい?」
「……」 少し考えて
アウラ
「ええ」
ルトヴィーク
「ない」 たぶん。
アウラ
「分かりました」 ふふ、と笑って 「ちゃんとエスコートしてくださいね」
ルトヴィーク
「エスコート? 何それ」 言いながら、方向を示しながら歩き始め
アウラ
「護衛、という意味でもありますが、先導してくれること、とでも申しましょうか」
「私は貴方についていきます。という事です」
ルトヴィーク
「……ん。任された」 振り向くでもなく、小さく頷きながらそう言うと
陽が短い為、事前に〈頑丈なランタン〉に火を付けて
ヴァンスを出ると、所々に休憩を挟みながら暫く歩き
周囲にはそう人気も無い、物静かな場所までやってくると、そこで漸く振り向いた。
「……この辺りでいい?」
アウラ
「見晴らしも良いので、妖魔や、狼等が出ても対処できますわね」
ルトヴィークに頷いて見せて 「こちらにしましょう」
ルトヴィーク
「うん。……多いと面倒だけど。解った」 頷き返して、荷物を下ろし
「手伝える事、無いって言ったけど」 準備を手早く始めながら、視線を向ける。
「唄が聞きたい。……良い?」 
アウラ
「……そうですわね、楽器は、持ってきていませんから」 ふふ、と笑って
「──」 適当な場所に腰を下ろして 瞑目して
「海鳴りが、うたかたの──」 のびのびとした歌声で 歌詞を音にしていく
ルトヴィーク
頷きながら、準備を進めつつ 時折、唄を聞く方に集中して手を止めては、思い出した様に作業を続けて行く。
アウラ
ゆっくりとした歌声が 平原にたった一人の観客のために 歌い上げられる
「ふわり、ふわり、たゆたいながら──」
アウラ
https://www.youtube.com/watch?v=SeIs2x2v4Ds
 
静かな平原に、ひとつの歌声が響いていく。
普段、彼女が歌い、奏でるものとはまた異なり
歓声もなければ、賞賛が巻き起こる事も無い。
ルトヴィーク
――……」 しかし、そのただ一人の観客の胸には確かに届き、響いていた。
「……終わったよ、アウローラ」 設営を終えると、振り向いて 歌を奏でるアウラに告げる。
アウラ
4,5曲は歌い終えたのだろうか 「──、お疲れ様でした。ルトヴィーク」
ルトヴィーク
「アウローラも」 頷き返して、手招きをひとつすると
「そこで寝て」 テントを示しつつ、その外には寝袋がひとつ置かれている。配慮なのか、それとも嫌だったのかは定かではないが 自分はこれで休むと言外に示しつつ
アウラ
手招きされると、そちらに寄っていって
「寒くは…ないですか?」 寝袋の方を見て
ルトヴィーク
「別に。それに、見張りもするから」
アウラ
「……分かりました。仮眠を取ります」
「ただ、」
「気休めかもしれませんが、こちらを」 と自分が着ている濃い茶色のコートを脱いでルトヴィークの肩へかけた
ルトヴィーク
かけられたコートを見て 少し不思議そうにした後
アウラ
「サイズはもともと大きなものですし、少しきついかもしれませんが、かけておくだけでもきっと違いますわ」
ルトヴィーク
すん、と鼻を鳴らして匂いを嗅ぎ 小さく頷いた。
アウラ
「もしあれなら、寝袋の上から更に毛布の様に掛けてください」
ルトヴィーク
「ん。……じゃあ、借りる」
アウラ
「では、また後で」 テントの方へと潜って行って テントの入り口が閉まる
 
この後は、交代で朝までの見張りをする事になるが
アウラが休んでいる内に、その歌を真似る様に 不出来な歌が耳に届いたかもしれない。
 
――早朝、明け方。
やがて陽も昇ろうという時間帯だ。
現在の見張りはアウラが行っており、ルトヴィークは交代で休んでいる状態だ。
アウラ
「‥……」 平原の空は 宝石を散らしたように輝いていて 白い息を吐きながら 焚火の番をしつつ 見上げている
「‥…」この深い藍色が、彼の好きな色なのだ 星々が最も輝く空の、色が
「……」 でもそろそろだろう 星の位置を見て、ある程度の時間に当たりをつける
立ち上がり 寝袋の傍までやってくると
「ルトヴィーク」 と優しく声をかける
ルトヴィーク
浅い寝息を吐きながら、ゆっくりと休む姿は歳相応とは思えない程幼い。
声をかけられると、それもすぐに変わり 目付きの悪い鉄色の瞳が開かれる。
アウラ
「…おはようございます」 しゃがみ込んで すぐ近くで見下ろすようにして
「そろそろ、日の出ですわ」
ルトヴィーク
――、ん」 もぞ、と寝袋の中で動いて ややあってから寝袋から出てくる。
「うん。……」 夜明け前の空を見ると、眼を細めて アウラの瞳へと視線を移して、頷いてみせる。
アウラ
「コーヒーくらい、淹れられると、違うのでしょうけど……」 立ち上がってから 困ったように さっきやろうとして、水を一杯無駄にしてしまってからは触っていない
ルトヴィーク
「……いいよ」 首を横に振って
「空と、ハツヒノデと、アウローラで」
「それだけで十分」 上半身を起こしながら、ごく僅かに、穏やかな笑みを浮かべて言い切った。
アウラ
「……そう、ですか」 その表情の変化に目を細めながら 頷いて
ルトヴィーク
眼を細めたアウラの様子には不思議そうに首を傾げて 借りたコートをしっかりと羽織る。
アウラ
「……」小さく頷いて 焚火の近くに移動してから座り込んで 東の方を見つめる
ルトヴィーク
立ち上がると、ゆっくりと焚火の傍に立ち
「寒い?」
アウラ
「ええ、少し」
ルトヴィーク
それを聞けば、躊躇わずにコートを取り アウラの肩にかける。
「これでいい?」
アウラ
「…ルトヴィークは寒くありませんか?」
ルトヴィーク
「うん」 視線を外して、東の空を眺めて
「……ハツヒノデ、そろそろ?」
アウラ
「…ええ」
コートの前を閉じる様にして 両手を交差させて
 
やがて、ゆっくりと光が伸びてくると
山間から、ゆっくりと陽が差し込んでくる。
闇を裂く様に伸びた光は、平原を照らし
やがて世界を塗り替えていく。
ルトヴィーク
――……」 その光を見て、息を呑みながら
じ、っと 太陽を見続ける。
アウラ
「──‥…」目を細めて
光の方に手をかざして 「……綺麗」 と呟いて
ルトヴィーク
「……」 「これが、"綺麗"?」
アウラ
「はい」 視線をルトヴィークに移して
「美しいものを見た時には、そう表現するのですわ」
ルトヴィーク
つられて、アウラの瞳を見て
「……そう」 ゆっくりと頷いて
(なら、これもか) 心中で呟き、その瞳を示す言葉を理解する。
アウラ
頷きを返して、再び視線を東へと向ける
「新年、おめでとう。ルトヴィーク」 呟くようにそう言って
ふふと、ルトヴィークの方を見て笑った
アウラ
ではお願いします
ルトヴィーク
その笑顔を見て、ゆっくりと頷いて
「……おめでとう、アウローラ」 普段と変わらない様子で、そう返した。
 
 
 
この後、暫く休憩を取った後
朝の便を用いて、二人は王都へと帰還する。
幕間の小さな旅はこうして終わりを告げ、
また新たなる冒険へと向かう事になるが――
"替え玉"作戦の成否については、真相は闇の中である。
 
 
ルトヴィーク
お疲れ様。遅れてごめんね。
アウラ
いえ お付き合いありがとうございました
それでは今宵は頑張ると致しましょう
ルトヴィーク
うん。じゃあまたあとで。
アウラ
ええ
また後で
)))
ルトヴィーク
)))
SYSTEM
アウラが退室しました。
SYSTEM
ルトヴィークが退室しました。
背景
BGM