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コモンルーム[V]

20191227V_0

SYSTEM
レティシアが入室しました。
レティシア
よいしょ。
SYSTEM
ウィンターが入室しました。
ウィンター
待たせたな
レティシア
私でいいのね。
ウィンター
そろそろ動かしたくもあった
それに、リコレイだと中断が見える
中断して生殺しはごめんだ
レティシア
まあね。
では適当に始めちゃうわね。
ウィンター
ああ、任せる
レティシア
 
 
冬のある日、今日も今日とてレティシアはウィンターから魔動機文明語および賦術に関する講義を受けていた。
魔動機文明語の読み書きもそれなりに出来るようになり、賦術も無事に扱えるようになってはいたが、未だに彼の作るテストで満点を取ることが出来ていないこともあり、今も定期的に彼から教わり続けている。
今日も昼過ぎに部屋を訪ねさせてからキルヒア神殿に併設された図書館にてみっちりと講義を受けた。
普段ならば、礼を渡してその後すぐに解散ということが多いのだが、今日は珍しく、〈星の標〉まで送っていけと、半ば強引にウィンターを連れ出した。
〈星の標〉へ戻ってきた時間は、大分遅く、夕食時もとうに過ぎており、人気はない。
都合がいいとひとつ頷くと、付いてきていたウィンターを振り向く。 「ほら、さっさと座りなさいよ」
ウィンター
雪のような色合いの銀色の髪に、冬の湖の様な瞳が鋭い青年は 「ここまででいいだろう。何故座る必要がある」 と取りつくしまもない
レティシア
「……」 同じく白雪のような銀の髪の娘は、蒼の双眸を明らかに不機嫌そうに細めた。 「遅くなったから、食事くらい奢ってあげると言ってるのよ。そのくらい察しなさいよ」
ウィンター
「……」 少し息をつくと 席に着く 「招待されるには、雰囲気が悪くてな。気がつかなかった」
レティシア
「雰囲気が悪いって何よ。いつもと変わらないじゃない」 ウィンターが座っても、胸の下で腕を組んで不機嫌そうに立ったままで。 「何を食べるの」
ウィンター
「つまりいつも通りという事だな」 ふん、と返すと 「……なんでもいい。ここいらの料理で、好みのものはない」
レティシア
「……別に最近は前ほど悪くは言ってないじゃない」 少なくとも、教わっている間は真面目に言うことを聞いてはいる。愚痴はこぼすけど。 「それでも、多少の好き嫌いくらいはあるでしょ。これはまだマシとか、これはやっぱりまずいとか」
ウィンター
「……」そう返されると、視線を逸らして 「……そうだな。寒い日だ。シチューを久しぶりに口にしたい」
「作りおいてあるのがこういった店にはあるはずだろうし、それを頼むとしよう」
レティシア
「……何で今目を逸らしたわけ?」 訝しむような視線を向けたが、すぐにため息をついて表情を戻した。 「分かったわ」 ひとつ頷くと、カウンターまで行って、残っていた従業員に注文を飛ばした。
席の近くまで戻って来ると、
「少し外すから。逃げるんじゃないわよ」
それだけ言い残して、すたすたと階段を登っていった。
ウィンター
「……」 皮肉に対してしおらしくされると、対処に困るだけだ と思いはすれど口には出さず 「ああ」
レティシア
しばらくして、シチューが席に運ばれるのとほぼ同時に、階段を下りてくる音が響く。
ウィンター
「……」 目をつぶり、考え事をする 塩の楔まで赴くことは出来たが、どうにも守護者が居るようだ。正式な依頼で無いと侵入は難しい…となると…
レティシア
「丁度いいタイミングだったわね」 紙袋を小脇に抱えて、席につこうと椅子を引く。 「……何よ、ぼーっとして。考え事?」
ウィンター
「……ああ、少し」 声でようやく、目を開いて状況を確認する
「……頂くとしようか」 付け合わせに持ってこられたパンの籠からロールパンを取ると 小さくちぎって
レティシア
「いただきます」 袋をテーブルの隅に置くと、運ばれてきたシチューに対して手をあわせて。 「ふん、どうせ次のテストはどう意地を悪くしてやろうかとか考えてたんでしょ」
ウィンター
口に運びかけたところで手を止める 「……意地が悪い、か」
「試験とはそういうものだ。満点を取れるように作るものもいるかもしれないが、それはただのごますりやおべっかにすぎん」
「どこまで学ぼうとしたか、何を聞いてきてるかを正確に読み取れるか、‥…いろんな要素が設問には現れる」
レティシア
「……」 シチューの野菜を掬い上げて口に含み、空いた手で口元を覆いながら咀嚼し、飲み込んで。 「それでやる気が上がる事だってあるかもしれないじゃない」
「……む。悪かったわね、正確に読み取るほどの頭がなくって」
ウィンター
「やる気は大事だ」 シチューを一口 「だが、やる気だけでは、理解できているかを此方が読み取れるか怪しい」
「何が苦手で、どういった部分が弱いかというのを判断するには、やはり間違いから探すのが一番だ」
「……よくやっている」 頭が無いという割には
レティシア
「やる気が無かったら続かないわよ。一回くらい取らせてくれてもいいのに……」 ぶつぶつと不満を漏らし、パンを口に運ぼうとした手を止めた。 「……? …………??」
「…………」 怪訝そうな顔になって、じーっとウィンターを見た。 「……悪いものでも食べた?」
ウィンター
「……そもそも、取れる様には作っていない」 言ってからその視線を黙殺するように パンを口にして 呑み込んだ
「……まさかと思うが」 口を開いて 「満点が取りたくて、続けてるのではなかろうな」
レティシア
「そういうのが意地が悪いって言ってるのよ……。まあ、今更変えろとも言わないけど」
ウィンター
「さっきも言っただろう。どこが弱いかを知るためだと…‥まあ、その必要も、そろそろなくなっては居るのだが」
レティシア
「満点が取りたいというか――」 顎に手を当てて考える。間違ってはいないが、正しくもない気がする。 「貴方をぎゃふんと言わせるのが目的よ」
ウィンター
「……」 呆れたような表情を一瞬見せて
レティシア
「その目論見を潰して、もう弱点なんてない、完璧だって言わせるまではやめられないわ」
ウィンター
「……せめて、向学心を仄めかせてはくれないか」
レティシア
「……結果的には繋がるんだからいいじゃない」
ウィンター
「‥‥‥困ったやつだ」 珍しく、本当に困った顔で
レティシア
「……じょ、冗談に決まってるでしょ。流石にそんな目的だけで、わざわざ勉強を続けるほど馬鹿じゃないわよ」
「っていうか貴方をどうこうするために続けてるわけないでしょ。自意識過剰も程々にしなさい」
腕を組み、ふん、と鼻を鳴らしてそっぽを向いた。
ウィンター
「ならいいが……こと、こう言った事には手心を加えたくない」
レティシア
「今更手心なんて加えられたら、逆に不快だわ」
ウィンター
「先ほどまで一度くらい取らせてくれてもいいと言っていたのは誰だ」 半目で
レティシア
「今更変えろとは言わないとも言ったもの」
「…………」 口にしてから、食事の手を止めて、視線を手元に落とす。
「……貴方に認めさせてやるっていうのが、目的のひとつなのは間違いないけれど」
「“錬金術”だから、この際、しっかり学んでおきたいのよ」
「……前にちょっとだけ言ったでしょ。父の研究の中に、そういう単語が出てきたって」
ウィンター
「…ああ」
レティシア
「魔法文明時代の研究をしていた父のいうそれと、今私の学んでいる錬金術に何の繋がりがあるかはわからないけれど、もしかしたら、それを学び続ければ何か見えて来る可能性だって、ゼロじゃないわ」
「……私はミレイユや父のように頭が良くないから、それが実を結ぶことはないかもしれないけど、どうせなら出来る限りのことは学んでおきたい、知っておきたいと思ってる」
ウィンター
「……」息をついて
「……先にそっちを言っていれば、不意を打てたかもしれないぞ」
レティシア
「別に貴方の不意を打つために理由を語ったわけじゃないし……そんなので驚かせたって別に嬉しくも何ともないわ」
ウィンター
「…そのまま、研究者にでもなったらどうだ」
レティシア
「無理よ。そこまで頭は良くないし、そういうのが向かないのは身に沁みてる」
ウィンター
「……戦士の方が、余程向いていない」才能の問題ではなく、性格的に
レティシア
「ふん、それに向いてるなんて、自分でも思ってないわ。頭を使うより身体を動かす方が性に合ってるとは思っているけれど」
ウィンター
「……身体を使う、か」
レティシア
会話の合間に食べ進めていたシチューの最後の一口を呑み込んで。 「いやらしい想像してるんじゃないでしょうね」
ウィンター
「手先が器用なら、縫子等はどうだ。案外、似合うかもしれないぞ」 そう呟いて
「その発想に至るお前が不純だ」
レティシア
「んっ――」 言葉を聞いて、水を飲んでいる途中でむせた。 「けほっ…………何、何なの貴方……超能力者……? それとも私のことをストーキングしてたんじゃないでしょうね……」
ウィンター
「……?」
怪訝そうに
レティシア
ちなみに私は不純じゃないと言いつつ、呼吸を整えて。 「……いや、あの、そのね?」
ウィンター
「私の故郷では、何年もかかって織られる布が人気でな…女性の働き手と言えば縫子だった……」と続けようとして 「……なんだ」
レティシア
「わざわざここまで付いて来てもらったのは、食事を奢るためだけってわけじゃなくって……」
「……ついでよ? ついでなのよ? 決して、そのために作ったわけじゃなくて」
「素材が余って、時間もあったから、偶々そうしただけで、神に誓ってそういう目的で作ったわけじゃないんだけど」
ウィンター
「……?」 首をかしげて
レティシア
「…………」 ずい、とテーブルにおいてあった紙袋をそちらへ押しやった。
ウィンター
「……ここで開けてみてもいいか」 確認をとる
レティシア
「……」 無言で頷いた。
ウィンター
紙袋の口を開いて 中身を取り出してみる
レティシア
中から出てくるのは、白色のマフラー。肌触りは柔らかく、独特の艶を持っていて、見るからに高級な素材を用いて作ったのが分かる。
「……ミレイユは女の子だから、身体が冷えやすいでしょ? だから、防寒具はしっかり身につけるように口を酸っぱくして言ってるのよ」
ウィンター
「……」眉が動く 明らかに、少し驚いた表情をして
「……この出来でお前は、職人ではないのか」
レティシア
「お店にあるものだけだと、持っている服に合わなかったり、微妙に納得のいかない所があったりするから、時々こうして私が作ってるんだけど」
「……ただの素人よ。小さい頃からよく作ってたり、ちょっとだけ本物の職人に教わったことはあるけど、昔の話だわ」
ウィンター
「……」この時代は、本当に……いや、我々の時代が、閉塞していただけか
マフラーを身に着けてみる
レティシア
「……」 此処で身につけられるというのは、若干気恥ずかしいものがあるが。 「……うん、予想通り、悪くないわね。似合ってる」
ウィンター
汎用的に男性向けなら、そうはずれまいと思いつつ 「……」小さく頷いて 外してから紙袋にしまう
レティシア
「貴方って、冒険に出る時もそうだけど、青系統の服が多いから、白が一番無難だと思ったの。髪の色とも似ているしね」
ウィンター
「……指を、大切にな」
レティシア
「貴方に言われると、指以外は別に大切にしなくていいって言われているみたいだわ」
ウィンター
「職人の指は、宝だし……、職人自身も宝だろう」
「なら、言い直してやる。身体を大事にしろ」
レティシア
「だから私は職人じゃなくて素人だって言ってるでしょ」
ウィンター
「……わざわざ白を選んだのか」 コーディネートの内容を聞いて
「‥…いや、そうではないな」 ミレイユも、白が似合うはずだ
「……いいや、こうして、身に着けるに値するものを作れるのだ」
「それを素人と言ってしまえば、職人の方が困るだろう」
レティシア
「……み、ミレイユの分を作った余りだって言ったでしょ。別に貴方のことを考えて色を選んだわけじゃないわ」
ウィンター
「……本当に、不器用な娘だな、お前は」
レティシア
「無理して持ち上げないでいいわよ……逆に調子狂っちゃうじゃない」
ウィンター
「無理して褒めるほど、私の言葉は安くはないぞ」
「……それしか出来ない事が、当たり前だと思っていたが…なんと自由な時代なのか」
レティシア
「…………」 少し言葉を失って。 「……ジジくさいわよ、その台詞」
ウィンター
「……そうかもしれんな」 苦笑して
「……何か欲しいものはあるか」
レティシア
「それじゃあ、渡すものも渡したし、そろそ――ろ……?」
立ち上がろうと腰を上げたところで、動きを止めた。
ウィンター
「特に希望が無ければ、こちらで勝手に用意するが」
レティシア
「……貴方からそんな気の利いた言葉が出てくるとは思ってなくて、何も思いつかないわ」
ウィンター
「伝統でな」
レティシア
「……安心したわ」 やっぱり気が利いてないわ、こいつ。
ウィンター
「嫌われやすいが気前だけはどこよりも良い一族なのだ。我々は」
「……それに」
「個人的にも、気に入った」
レティシア
「……そ、そう」 良かった、という言葉を呑み込んで立ち上がる。 「何か贈ってくれるっていうなら、貴方が選んで頂戴。センスを見てあげるわ」
ウィンター
「姉妹で揃いが良いなら探しておくが、どうする」
レティシア
首を横に振って。 「それは別でいいわ。あの子には、この御礼という形ではなくて、別の理由でプレゼントをしてあげてほしいから」
「きっと喜ぶわ」
ウィンター
「…どうだろうな」 理由を付けないと逆に贈りづらくはあるのだが それは呑み込んで
「ともあれ、探しておこう」
改めて、マフラーを取り出して首にまく
「……次は満点が取れると良いな」
レティシア
「普段お世話になっているお礼でいいわよ。丁度、この時期はそういう贈り物をする人も多いみたいだし」
「……とびきり難しい問題を用意しておくといいわ」 頑張るからと、声は出さずに口だけ動かして付け加えて。
ウィンター
その言葉を背に受けつつ 冬の男は扉を潜って闇夜に消えていった
レティシア
背中を見送って、一つため息。 「……はあ、どっと疲れた気がする……」
こんな日は、軽く飲んでから寝よう。そうしよう。ひとりごちて頷くと、カウンターでワインのボトルを受け取って、自分の部屋へと戻っていった。
 
 
レティシア
こんな所で勘弁してやるわ。
ウィンター
ああ
用意しておこう
レティシア
楽しみにしておいてあげる。
ウィンター
ではな
レティシア
ええ、またね。
)))
ウィンター
)))
SYSTEM
レティシアが退室しました。
SYSTEM
ウィンターが退室しました。
背景
BGM