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コモンルーム[X]

20191225X_0

SYSTEM
 が入室しました。
 
――〈星の標〉。
王都イルスファールに存在する冒険者ギルドの支店において、最もその名を轟かせているといっていい酒場だ。
今日という日付のせいもあってか、店内はそれなりに人が多い。
酔っているもの、祝うもの。
それを諫めるものから乗っていくものまで。
必然的に、店内の椅子も多く埋まっているが――
ルトヴィーク
「……」 カウンターが埋まっていることからテーブルについた、耳栓を付けながら夕食を摂る彼の向かいの席については、その限りではない。
夕食、というのも人によっては首を傾げてしまうかもしれない。
酷く質素な、間食といって差し支えない様な量の皿を机の上に並べては
それを黙々と口に運ぶ。目付きの悪さと、耳についている金の耳栓も相まって――
やはり、その周囲に人はいないのだ。
SYSTEM
Tが入室しました。
フェクター
 からんころん、というドアベルの音も、店内の喧騒で僅かにしか聞こえないだろうか。
 その音を鳴らした当人(フェクター)は騒がしい店内を歩いて一直線にカウンターへと向かい、受付と話し始める。どうやら依頼完了の報告のようだ。
ルトヴィーク
間食の様な夕食を摂り終えて、口の端を手の甲で拭ってみせる。
ぼんやりとしながら天井を見上げて、耳栓を付けていてもなお入り込んでくる騒音(ざつおん)に眉根を顰めては、小さく息を吐く。
フェクター
―――ああ。そうだな、折角だ。夕食はこのまま此処で頂こう」
 少額のガメルを受け取り、会話を終える。
 さて、と。空いている席を探して視線を泳がせる。――と。
「ルトヴィーク」
 ちょうど、顔見知りの対面が空いていることに気づき、声を掛ける。
ルトヴィーク
音を聞き取った訳ではないが、視界に入った人影が此方へと向いている事は理解できている。
少年へと、やや疎ましそうに視線を向けて――
「……、ああ。あんたか」 耳栓をゆっくりと外しては、直に入り込んでくる騒音に不快そうにしてみせる。
フェクター
「ああ、俺だ」
 こくりと頷き。
「こちらの席は、空いているだろうか」
ルトヴィーク
「……」 少し考えて、フェクターの顔をじっと見つめる。
(確か、うるさい奴じゃなかった、……筈だ) 思い返す様に首を傾げてから、ゆっくりと頷いてみせた。
フェクター
「ありがとう」
 肯定ととって、席につく。そのまま、店員に声を掛けて夕食を注文。
 
これ、毎回強調音が鳴るのはスペースで入ったからか……?
T
それは……そうかもしれない
タイマンだしまあオフにしといていいのでは
ルトヴィーク
ぼうっとした鉄色の眼を向けて、その様子をじっと眺めると
「なあ。聞いていい?」 そうフェクターへと声をかけて、頬杖をつく。
フェクター
「? ああ、なんだろう」
ルトヴィーク
「あんたにとっての"えいゆう"、って何」
フェクター
「英雄」
 思わず鸚鵡返し。
「……俺にとっての、か」
ルトヴィーク
「うん。あの――……仕事の奴が言ってた。英雄っていうものは、現実にいるんだって」
「あんたも、それが存在意義だ、って言ってた」
フェクター
「一般的な語義を答えれば良い質問では、なさそうだな」
 ふむ、と考え。
ルトヴィーク
「だけどさ」 フェクターの返答に頷きながら一息吐き、視線を逸らして
フェクター
「ああ」
ルトヴィーク
「俺は、やっぱり物語(ほん)の中にしかいないと思うから。……何だと思ってるんだろうって、気になった」 言葉を探る様に訥々と続けて
「……たぶん」 最後にはそう自信なさげに付け加え、質問への返答を求める様に視線を向け直す。
フェクター
「……なぜルトヴィークが、そういう風に思っているのかはわからないが……そうだな」
 ううん、としばし考え込む。
ルトヴィーク
何故か、という部分には少しだけ肩を震わせたが、考え込んだ様子を見て自分も口を閉ざす。
フェクター
物語(ほん)の中にしかいない、と言ったが……まず、事実として、そう称される人物がいたからこそ、物語として語り継がれているのだと、俺は思う」
「空想の物語もあるだろうが……しかし、それらも、何か実在したモチーフがあったりもするだろう」
 たぶんだが、と付け加えつつ。
ルトヴィーク
「そう、なのかな。どこにもない願望(ゆめ)みたいなものを、この目で見たって言ってるだけ……、いや。確かめようがないか」
フェクター
「蛮族・魔神の将や、王を倒しただとか……多くの人を救っただとか……そういった“偉業”は、実際にあったからこそ、物語にもなるし、俺達の現在があるのだと思う」
ルトヴィーク
「……」 暫く唸って、ぎこちなく頷く。
フェクター
「……俺は、そういった偉業を成した英雄を模して造られた、らしい」
ルトヴィーク
「……災難、だな」
フェクター
「災難?」
ルトヴィーク
嘲るようではない。同情するような口ぶりだ。
フェクター
 なぜ? と、ルトヴィークの言葉に小首をかしげる。
ルトヴィーク
「災難。生まれる前から、こうしろああしろって言われてるんだろ」
「……俺は、いやだな」 それは、と続けて
フェクター
「……そうか。ルトヴィークは、それは嫌か」
「うん、でも大丈夫だ。俺は、特にそれを災難だと思ったことはない」
SYSTEM
 が入室しました。
ルトヴィーク
頷いて、すっかり冷えた珈琲の入ったカップを手に取りながら頷いてみせる。
「……なんで? なんであんたは、そうあろうと思える?」
フェクター
「なぜと言われると、難しいな」
ルトヴィーク
伸びたままの髪の合間から覗く鉄色の眼は、興味を示す様にフェクターの眼をじっと見据えている。
フェクター
「ううん。……そうしたいから、としか、言いようがないな」
ルトヴィーク
「……」 そうしたい、と言われてもやや困る。嫌かどうかは理解できるが、それは自分にはあまり理解の出来ないもので、どうにも感覚が掴めない。
フェクター
「そう望まれたから、それをする。……うん、それだけだ」
通りすがりの吟遊詩人
「たまさか通りかかってみれば、何やら面白そうな話をしているじゃあないかご両人」
フェクター
「きっと、これは本能のようなものなんじゃない―――か?」
ルトヴィーク
「それじゃあ、空っぽだ」 返して、聞こえてきた声に視線を向ける。
――誰?」 知ってる? >フェクター
通りすがりの吟遊詩人
と、不躾に馴れ馴れしく声をかけてきたのはいつの間にか席のそばに居る派手派手しい吟遊詩人
フェクター
 むむ? と突然降って湧いた声に訝しむ。
「ええと。店で演奏しているのを見たことがある気がする」 だけの人だ。
ルトヴィーク
「演奏……」 浮かぶのはアウローラや小鳥に突かれる女の姿だ。であれば、口煩い手合いだろうか。
通りすがりの吟遊詩人
「おっと失礼、夕食を取ろうと立ち寄ってみれば見ての通りの満員御礼。どこぞに席の一つも空いていないかと見回してみればこのテーブルが目についてね」
ルトヴィーク
フェクターを一瞥する。どうするの、とでも言いたげだ。
通りすがりの吟遊詩人
「一つ相席をと近づいてみれば何やら興味深げな話をしているじゃあないか。ついついそちらの興味が先走ってしまった、と言うのが事の次第さ」と芝居がかった身振り手振りを交え
フェクター
「なるほど」
 特に嫌がる素振りもない様子。
通りすがりの吟遊詩人
「という訳で、一つ相席させてもらって宜しいかな?ついでに良ければ話に混ぜてもらえると大いに喜ぶ」
フェクター
「俺は構わないが、先にこのテーブルに居たのは彼だ」
 なので、決定権はたぶん彼にあると思うのだ。ルトヴィークを見た。
ルトヴィーク
「……好きにしたら。でも、煩いのは好きじゃない」
肩を竦めて、釘を刺すように視線を吟遊詩人へと向ける。
フェクター
「しかし、吟遊詩人なら、今の話にはうってつけ、というやつではないだろうか」
通りすがりの吟遊詩人
「それは有り難い。では一つ二つメーターを落として行くとしよう」
ルトヴィーク
「ああ。……なあ、あんたにとって"えいゆう"って何?」 >詩人
通りすがりの吟遊詩人
「おっと、申し遅れたね。私の名は――そうだね、ディオミディアで通している」席に付き、開口一番自己紹介
ルトヴィーク
頷いて見せるが三文字も覚えていない。覚える気が無いとも言う。
フェクター
「ディオミディア、か。俺はフェクターだ」
ディオミディア
「ふむ、そう言う話をしていたが――逆に先ず、君にとっての英雄とは何かを聞いてもいいかな?」
ルトヴィーク
聞き返されるとは思っていなかったのか、少し目を丸めてみせて
「……物語(ほん)の中だけの、都合のいいやつ。」
ディオミディア
「成程成程――ふうむ、そうなるとそうだね」顎に手を当て軽く考え
「端的に言葉のみを称するなら「称号」といった所かな。英雄というのは称号だ」
フェクター
ディオミディアの方を見、どんな回答が出てくるのかを待つ。
「称号」と、鸚鵡返し。
ルトヴィーク
「称号……、それは、そう、かもな。そんな風に言われるだけ殺したりしたって事、……でいい?」
首を傾げながら、自信はなさげに。
ディオミディア
「只人には為せぬ難行を為した者、只人に届かぬ結果を出した者。英雄とは即ち『不可能を可能にした』者たちを称する言葉さ」
 
と、5分ほど離席
 
てらい
T
(どっちが言ったのかわからない)
ディオミディア
「蛮族を殺して殺して殺し尽くして、英雄と呼ばれる者も居よう。人を助けて助けて助け尽くして英雄と呼ばれるものも同時に存在するだろう」
フェクター
「なるほど。確かに、英雄というのは偉業を成したあとに、そう呼ばれるものだ」
ディオミディア
「両者の所業には絶対的な隔絶があるが、その英雄と言う評価一点に於いては等価だ。故に私は英雄というものは『称号』だ、と定義するね」
フェクター
「未だ偉業を成していないものを、英雄とは呼ぶことはないだろう」
ディオミディア
「そう言う意味では、『都合が良かった者』を指して英雄と言うと言う解釈もまた間違いではない訳だ」
 
今の所
軽い
T
修正は効果があったと見るべきか……
 
取り敢えずテストも兼ねての参加の所がある
T
もっとログが積み重なるとわからんが
ディオミディア
「因みに、君の持っている英雄観も良ければ聞かせてくれるかな?」
フェクター
「俺か?」
 ルトヴィークにはさっき聞いていたしな。
ディオミディア
ウィンクで促す
フェクター
「俺の英雄の定義も、ディオミディアとそう変わらない……と思う。過去、偉業を成したものが英雄なのだ、と。ただ……」
ディオミディア
「ただ?」
フェクター
 ルトヴィークの方をちらりと見。
 これはさっき話そうと思っていたことだが。
「俺の目指している英雄、という定義ならば……人々の笑顔を守るもの。そして、絶望を阻止するもの。その為に、戦うもの」
「そういうものなのだと、思う」
 
失礼、もどりました
フェクター
 頭の中の刷り込み(ビジョン)を思い返し、うん、と頷く。
「それが、俺に望まれたことで、俺の目指しているものだ」
ディオミディア
「成程。それが先程言っていた君のモデルとなった英雄の所業、と言う所かな?」
ルトヴィーク
「……ああ、」 頷いてみせて
フェクター
「おそらくは」
 こくりとディオミディアに頷く。
ルトヴィーク
「確かに、あんたの存在意義(それ)は、都合のいい奴――だな」
ディオミディア
「成程、中々に興味深いね」
ルトヴィーク
黙したまま聞いていたが、フェクターに視線を向けて
フェクター
「うん、そうだな。それは当然だと思う。都合の悪いものを、わざわざ造ることはないだろうし」
ルトヴィーク
「……やっぱりあんたの事は、空っぽみたいに見える」
フェクター
「空っぽ?」
ディオミディア
「いやしかし、どういった英雄だいそのモデルとやらは。態々ルーンフォークの写し身を作る辺り高名な英雄なのだろう?」
ルトヴィーク
「誰かの願望(ゆめ)の、箱みたいだ」 
「入れもの。箱。……あと、」 指を折りながら言葉を探して
「……それくらい、かな」 見つからなかった。手を下ろして
詩人の言葉にはフェクターを一瞥して、答えを促す様に。
ディオミディア
「何、その言を借りるならば人は全て誰かの夢の箱、入れ物さ」と愉快げにルトへ返す
フェクター
「具体的な名前なんかは、わからないんだ。部分的に漂着した遺跡で、俺は目覚めたから」
ルトヴィーク
「……そう? あんたも?」 詩人の言葉には、混乱した子供の様に首を傾げる。
ディオミディア
「親は子に願いと想いを託し、子はそれを糧に己の夢と望みを叶えようと前へ進む。それがヒトというものだろう?」
フェクター
「……夢の箱、か」
ディオミディア
「そしてまた叶えられなかった夢や望みの残骸を、願いと思いとして子に託す。この流れこそが人が生きるという事そのモノだとも」
と、大仰に肩をすくめ
ルトヴィーク
「それは、……知らない。俺自身がどうだったか、わからないから」 詩人の言葉には首を横に振ってみせて
フェクター
「……うん、それは、良いな」
ルトヴィーク
「けど、あんたは自分をそうだって――、良い?」 フェクターには怪訝そうに。
ディオミディア
「尤も、私は親の願いや期待を全部投げ捨て、気の向くまま足の向くままに生き散らかしているのだがね!」
 
はっちゃける時はぺぺさんばりの笑顔を出したい
フェクター
「顔も、名も知らない、300年も前の人達だけれど―――彼らの夢が、俺の中には入っている」
ルトヴィーク
「……」 願いや期待。数十年過ごした家族からは、そんなものを聞いた記憶は最期までなかった。詩人の言葉に悶々と考えつつ、口を開いたフェクターの言を聞く。
ディオミディア
「そしてそれは残念だ、そちらの話も面白そうだったのだが」>名前わかんない
フェクター
「それは、なんだか嬉しいことだと感じる」
ディオミディア
「ならば君は満ち足りていると言う事なのだろうね、少々羨ましい事でも有る」
ルトヴィーク
「……満ち、足りている?」 どういう意味、と詩人へ。
ディオミディア
「受け継いだものに満足している、という事さ」
フェクター
「俺のオリジナルのことは、俺も知りたくはあるんだが」
 苦笑を浮かべつつ。
「剣を使って戦うイメージは、ずっと頭の中にあるが、それだけだと、流石に絞りきれなくてな」
ディオミディア
「先人の想いも願いも、所詮は他人のものだ。贈った側にとっては輝く宝石でも、受け取る側がそれをどう見るかは別問題と言う話だよ」
>ルト
ルトヴィーク
――……」 自らが箱と呼んだ彼は、確かに300年前の誰かの願いを継ぎ、彼らの願いの為に生き、その先で満ち足りている。
ディオミディア
「それを輝く宝石と見れるなら掛け替えのない至宝に、それをただの石塊にしか思えないのならば重石に」
「彼は幸いにも前者、という事だよ」
「剣を使わぬ英雄の方が珍しいだろうからねえ」呵呵と笑い
ルトヴィーク
それ自体も、詩人の言葉のひとつひとつも、その一々が胸の辺りが抉れる程に気に食わない。
フェクター
「満ち足りている……か。けど、俺はまだまだだ。未完成(こんなナリ)で生まれてしまったから、きっと、望まれた性能には程遠い」
ディオミディア
「望まれたモノを全て持ち合わせる子は居ないとも」
フェクター
「そういうものか」
ディオミディア
「私など、親に望まれたモノで持ち合わせていたのはこの美貌くらいなものさ」肩をすくめ、いたずらっぽく片目を閉じ
ルトヴィーク
「……そういうもの、じゃない?」 望まれたものを、と語る二人に頷いて
ディオミディア
「そう言うものなのだよ」
「まあ極稀に、望まれた以上のモノを持ち合わせる輩も居るが、ああ言うのは正に生まれついての英雄と言うモノなのだろうねえ」
ルトヴィーク
「望まれたものを持ってすらないよりは、良いんじゃない?」
フェクター
「……そうか。けど、それでも少し歯痒く思う」
ディオミディア
「さて、過ぎたるは及ばざるが如し。禍福は糾える縄の如し。何が良く何が悪いか、等はそれこそ蓋を開けてみるまでわからないのが世の常でも有る」
フェクター
「今の俺は、詰められたユメに対して、きっと箱が小さすぎる」
「もしも俺が完全だったなら―――
 あのとき、仲間を失わずに済んだろうか? そんなことを、ふと考えてしまう。
ルトヴィーク
「……なら?」
フェクター
「……いや」と、(かぶり)を振り。
「なんでもない」
ルトヴィーク
「? そう」 頷いて
「……なんか、もぞもぞするな」 何か気に食わない。胸と腹の間に出来たこれは"嫌"なものだ。眉根を顰めながら呟く。
フェクター
「……ああ。どの道、俺は今の俺にできることをするしかない」
「? どうした」
ディオミディア
「ふふ、それこそ結果は後にしか着いてこないし、最後には分かる事だからね」
ルトヴィーク
「わかんないけど、その内治る」 確り感じ取っている以上、怪我ではない事は解っているが何かまでは解らない。
フェクター
「そうだな。俺が英雄となるかどうかは、後にならなければわからない」
ディオミディア
「英雄になれた暁には、是非とも一曲作らせてもらいたいものだねえ」
 
うん、遅延は全く起きてないな
対処は効果あったようだ
ルトヴィーク
「……なれたらいい。なれる、なんて言いたくないけど」
T
よかったよかった
 
此方も特に感じないな
フェクター
「そうなれるよう、頑張るよ」
ディオミディア
「さて、話に一段落着いた所でこちらから一つ質問をいいかな?」
ルトヴィーク
「……、うん」 曖昧に頷いて、何とも言えない表情のまま珈琲のカップを煽る。
フェクター
「うん?」 どっちにだろう。
ルトヴィーク
口に運びながら、視線だけ詩人に。
フェクター
それはそれとして、話の合間に注文された料理はやってきていてもぐもぐはしているのだ。
もぐもぐ。
ルトヴィーク
ごくごく。
ディオミディア
「ああ、こちらの言い出しっぺの彼の方だ――何故、英雄の所存を問うたのかな?」
エルフなので少食なのだ
ルトヴィーク
「ちょっと前の仕事で、そんな話が出たんだ。……」 説明してくれ、とばかりに視線を向ける>フェクター
フェクター
「……む」
ルトヴィーク
「……な」 な。
フェクター
「ううん。かいつまんで説明するのが難しいな」
ディオミディア
「ふむ、込み入った事情があると」
フェクター
「その……魔動機文明(アル・メナス)時代の、アンデッドのような者たちが多く居る場所へ赴いたんだが」
「その彼らが、自分たちを解放してくれる英雄を求めるようなことを言っていた……といったところだろうか」
 なんというか、余すところ無く話すのは説明が大変なのもあるが、大っぴらに云う話でもなかったのでざっくりと。
ディオミディア
「そちらの話にも少々興味を惹かれるが、今は取り敢えず置いておくとして」
ルトヴィーク
「……そう、そんな感じ」 フェクターには小さく頷いて。お礼は言わない無礼さを見せる。
ディオミディア
「それで、彼らを開放した自分たちは英雄なのだろうか――と。そう言った話かな?」
ルトヴィーク
首をふるふると横に振って
「違う。俺は、英雄なんてどこにもいないと思っているから」
フェクター
「……それで、英雄はいる、いない、という話を」
「その時に、依頼人も含めて、言い合いに……というほどではないが」
ディオミディア
「成程」ふむと少し考え
フェクター
「まあ、そんな話になった」
「……ので、その続きのようなもの、か」
ルトヴィーク
「……俺が聞いてただけだよ。言い合いとかじゃなかった」 「――……筈」
ディオミディア
「さて、では僭越ながらその問いに対して一つ私は答えを持ち合わせている」
ルトヴィーク
「……教えて、それ」
ディオミディア
「英雄は居るや否や――居るとも」
ルトヴィーク
「どこに? ……見た事もないんだ」
ディオミディア
「かの者は穢れし身、かの者は疎まれしもの。さりとてかの者は多くを救い、多くを屠り、一時の平和を手にした者」詩の一節を吟じる
「そのもたらした安寧は百の時を数え、今尚この地にその威光をもたらしめん――
ルトヴィーク
「……」 首を傾げて 「何?」
ディオミディア
――その英雄の成したモノを、君たちは常日頃から目にしているはずだろう?」
フェクター
「それは……」
「そうか……今のは、この国の王を謡ったものか」
ルトヴィーク
フェクターには知っているのか、と視線を向けていたが 続いた言葉にやや間を置いてから頷いてみせる。
ディオミディア
「百の時を超え未だ不朽、ただ一介の冒険者によって導かれ、築き上げられた国こそがこのイルスファール王国だとも」フェクターの答えに満足気に笑い
フェクター
「なるほど。確かに、かの王は“現存する英雄”だ」
ルトヴィーク
「……英雄」 頭を掻いて、小さく唸る。しかし、確かにその成した偉業は英雄と呼べる。
「そう、だな。……すぐそこにいたか」
フェクター
「国の成り立ちを聞いた時は、まだ目覚めたてでぼんやりしていたが……そうか……」
 ああ。思い返してみれば、かの王の逸話は自分の目指している英雄(もの)にも似ている。
ディオミディア
「ま、伝え語られる話程立派でもないんだがね此処だけの話」
ルトヴィーク
「……」 しかし。英雄という存在をそのまま呑み込む事は、どうにも喉に閊えてしまう。
フェクター
「そ、そうなのか?」
ルトヴィーク
「知り合いみたいに言うんだな」
ディオミディア
「さて閑話休題、かの生きた証拠とも言える我らが王をもってしても君の疑念は晴れぬと言う顔だ」>ルト
「即ち、君が気にしているものは英雄ではないという事さ」
フェクター
「……そうか。ディオミディアはエルフだものな。もしかして、建国当時から知っているのか?」
ルトヴィーク
ぎこちなく頷く。意地になっている子供の様にも見える様子で、小さく肩を竦め
 
さてそろそろ時間的に死んでしまうので
ディオミディア
「コレでも百を――ええと五十ほど超えているからね。建国当時にここらに居たのさ」
 
ここいらで撤収させていただこう……
ディオミディア
「さてもっと厳密に言うのなら、英雄を認める事にこそ何かしらの忌避感を持ち合わせている。そのように見受けられるかな」
ルトヴィーク
「……駄目だ。何か変だから、少し出てくる」 胸とも腹とも付かない位置を左手で抑えて席を立つ。
フェクター
「? 大丈夫か、ルトヴィーク」
ディオミディア
「おっと、少々深く切り込みすぎたかな。失敬失敬」
ルトヴィーク
詩人の言葉に首を横に振って 「どこにでもいる訳じゃない事は解っているけど、俺は見つけて貰えなかったみたいだから。いるんだとしたら――……って」
フェクター
「体調が優れないなら、部屋で横になるなどしたほうがいい」
ルトヴィーク
「……何言ってんだろう。そんなのが殆どなのは、解ってるのにな」
フェクター
「……?」
ルトヴィーク
「……いや。行きたい場所があるから」 大丈夫、とフェクターに応えて
フェクター
「……ん、そうか」
ルトヴィーク
「じゃあ」 また、とは言わずに。それだけ口にして、振り向きもしないで歩を進めて扉へ向かう。
フェクター
 そう云うならば、引き止めはすまい。
ディオミディア
無言で見送るのである
ルトヴィーク
では、そのまま会計を済ませて扉を開き、振り返らずに店を抜け出て行った。
 
くう
翌日平日なのが悔やまれるが
T
おつかれえ
 
ここまで―― おつかれさまでした。
じゃあね箱と詩人……
SYSTEM
 が退室しました。
フェクター
「……どうしたのだろうか」
ディオミディア
「難しいお年頃、と言うやつだろうさ」戯言ではぐらかすのだ
フェクター
「年頃の問題なのか」
ディオミディア
「人は誰しも、そう言う事に思い悩む時期というのが有るからね。私だってあった」
「君は――ルーンフォークだとそう言うのが有るという話は聞いたことがないか・・・?」
フェクター
「……どうなのだろう。少なくとも、どうにもピンとくるところがない」
ディオミディア
「ま、ともあれ彼は自分では何に拘っているかは恐らく分かっているよ」
「それと向き合えては居ないようだがね」
フェクター
「こだわり、か」
ディオミディア
「そうだね、君にとっての為るべき英雄のようなものだろうさ」
フェクター
「そうか……きっと、難しいことなのだろうな」
 体調に出るほどなのだ、容易い悩みではないのは間違いないのだろう。
ディオミディア
「人間、出来る事は出来る。出来ない事は出来ない。後はそれを認めるかどうかのみが問題だからね、簡単といえば簡単さ」
フェクター
 ふむ、と納得しかけるが。
「しかし、それは単純なだけであって、簡単ではないのではないだろうか」
ディオミディア
「中々鋭いね。そう、物事は単純だ。さりとてそれでも尚人生は難しい」
「既に人生の何たるかを弁えているとはいやはや」はっはっは
フェクター
「俺も、たとえばもし『お前は英雄にはなれない』と言われたら、おそらく認めるのは難しい気がする」
ディオミディア
「例え不可能だとしても、認めたくないかい?」
フェクター
「……そう、だな」
 胸に手を当て、
「それを認めると、俺の中に詰められた夢を、否定することになってしまう」
「たとえ俺の身に余る夢だったとしても……それはなんというか……」
ディオミディア
「成程。ありがとう、良く分かったとも」満足気に頷き
フェクター
「……ん」
「そう、か? それなら良かった、のか」
 なんだかわからないが、満足されたようだ。
ディオミディア
「私が気軽に保証しよう。君がその想いを見失わない限り、君は間違い無く英雄に為るとも」
フェクター
「……そうか。本物の英雄を見てきた吟遊詩人に保証されるのは、とても心強いな」
ディオミディア
「君の想いと誇りの在り処、それは紛う事無き英雄の階だ。人はそれを呪いと呼ぶかも知れないし祝福と呼ぶかも知れない。だがそれを決めるのは君自信だという事を、ゆめ忘れないでくれたまえ」
フェクター
「それほどのものとは、今のところ実感はないが。あなたの言葉は、よく覚えておこう」
―――と、俺もそろそろ行かないと」
ディオミディア
「何、見込みのある卵には是非とも大きく孵って欲しいからね。ついつい入れ込んでしまうのさ」
フェクター
 気づけば、料理の皿は空になったまま話し込んでいた。
ディオミディア
「ああ、気がつけばもう大分良い時間か」
「私もそろそろレディとの待ち合わせの時間でね、ちょうど切りもいい所だしお開きとしようか」
フェクター
「ありがとう、ディオミディア。良い話を聞けた」
 席を立ち。
「おや、そうなのか。すまない、話し込んで時間をとらせてしまっただろうか」
ディオミディア
「何、こちらこそだよ――ああ、気にしないでくれたまえ、元より約束までの時間をどう潰そうか悩んでいたからね」
「では、今後の勇躍を期待しているよフェクターくん」
そう言いウィンク一つと二人分の夕食代を残して去っていくのだった
 
うむ、動作に問題は全くなし
フェクター
「ああ。あなたにいつか謳われるよう、頑張るよ」
 
現状こっちの環境だと完全に改善されたと言って良いな
T
というわけでおしまいか
よしよし
 
おつおつ
T
では撤収しよう
 
うむ
SYSTEM
Tが退室しました。
SYSTEM
 が退室しました。
背景
BGM