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コモンルーム[V]

20191220V_0

SYSTEM
アウラが入室しました。
SYSTEM
ルトヴィークが入室しました。
ルトヴィーク
さて
アウラ
ええ
ルトヴィーク
あんたは星の標にいてもいいし
どこかで街頭演奏しててもいいし
アステリア神殿にいてもいいけど どこがいい
アウラ
どこにいても変わらないのは
私は演奏しているだろうという事
ルトヴィーク
飽きない奴
アウラ
貴方を掴まえやすいのは星の標でしょうか
ルトヴィーク
さあ。別にずっと宿にいる訳でもないし
好きなところで良いよ
アウラ
では、星の標に致しましょうか
ルトヴィーク
わかった。
 
 
 
 
――王都イルスファール、〈星の標〉。
冬の冷たさは、遠のいては近付いてを繰り返しており
遠くに行ったと思えばそこにいて、近くに来たと思えばそこにはいない。
ただ、この日に関しては、皆のすぐそばにやってきていた。
扉を開いて入ってくる者達は、皆一様に寒がりながらやってくる。
店内にいるものは、外気の冷たさから出て行くのも億劫なのだろう。日中であればともかく、完全に陽が暮れる手前では当然であるが。
ともかく、酒場には管をまく者が多く。
故に、彼らが口々に発する音の為に、この日の酒場は騒がしかった。
ルトヴィーク
そんな酒場の扉を開いて入ってくるのは、新しい鎧と、露出した顔にいくつかの傷をつけた青年だ。
寒さも痛みも気にもならない様で、その足取りは確りとしたものだ。
カウンターのガルバの方へと流れていくと、仕事の話だろう。いくつかの会話を始める。
ルトヴィーク
あ、もういいよ。
 
秩序がない会話の渦 その中でも 一角だけ静かな場所があって
古いピアノの前の席回り 奏者が居るのか少し混んでいる
休憩を終えた奏者が、新たに曲を奏で始める ゆったりとした音色で 寒い日に聞くにはちょうどいいだろう
ヴァイオリンの音が、カウンター近くまで聞こえてくるだろう
https://www.youtube.com/watch?v=_h2xgZHB9oE
アウラ
「──」 短い金髪に白を基調とした司祭服姿、 瞑目しながら音を奏でて行く
ルトヴィーク
――そういうことだった。次は、殺す奴の方がいい」 この日の依頼は、荷運びか、或いは護衛か。傷を見るに、戦闘があった事は間違いないものの、口振りは不満そうだ。
青年の愚痴はさらっと流し、ご苦労さん。ほら次がつっかえてんだとその場から退かされる。
アウラ
一曲奏で終えると、拍手が上がり 司祭服の少女は満足そうに一礼する 
ルトヴィーク
――うるさいな) 酒場の喧騒に眉根を顰めて、夕飯でも頼もうとキャロラインへと声をかけようとして、不意に聞こえてきた演奏に、極々僅かに視線を向ける。ついで巻き起こった拍手にも、やはり眉根を顰めるが
少女の姿を見ると、その眉の皺はより濃くなった。
アウラ
アンコールを求める声を固辞して、少女はピアノの前から離れた 注目をある程度集めつつ、カウンターに向かって移動する
「──、」そこでばったり、という表現が似合うだろう たまたま視線が青年と重なる
ルトヴィーク
カウンターへとやってくる少女を一瞥して、キャロラインへと注文を続ける。酷く質素な、ともすれば間食程度のものだ。
「なに」 視線が合えば、キャロラインへと注文した後に、視線もくれずに問いかける。
アウラ
「いえ、」 相変わらずの様子に苦笑して 「お知り合いに出会ったなら、挨拶の1つもしたくなるものですわ」
「ごきげんようルトヴィーク様。お夕飯ですか……」 言葉を続けようとして、傷を負っていることに気がつく
「……また、神官様は先に戻られたのですか?」 困ったような、叱るような そう言った声音で問い、近づく
ルトヴィーク
「そう。……仕事帰りだから、腹減った」 質問には珍しく素直に答えて、半ば割り込む様にカウンター席へ座り
「違う。今日は、届け物だったから。ひとりだよ」
アウラ
「薬草や飲み薬(ポーション)等はお持ちではなかったのですか?」
ルトヴィーク
「別に、動きづらくなるようなものでもないから。遠くまで行ってたわけでもないし、周りにいるのも小さいのだったし」 小さい妖魔なのか、動物なのか。判別できないが、事も無げに言う。
アウラ
「……」嘆息するように息をついて 「お隣、よろしいですか?」
ルトヴィーク
「……」 逡巡して、 「一つ答えたから、一つ聞いていいなら」
アウラ
「質問にはお答えしましょう」 言質はとったとばかりに隣の席について 楽器ケースを傍らに置く
「ただし」
ルトヴィーク
「じゃあ」 キャロラインから運ばれてきたトーストを一つ手に取って、
口を開こうとしたところでアウラへと視線を向ける。
アウラ
「まず傷を癒してからですわ……寛容なる女神アステリアよ、癒しの祈りを聞き届けたまえ」 短く聖句を述べると 妖精神の奇跡がルトヴィークの傷を癒していく
ルトヴィーク
「……」 トーストを齧る直前で止まって、ん、と首を傾げながら、それを置くと財布を出す。 「前と同じでいい?」
アウラ
「いえ、この場では特段咎められる事ではありませんし」
「私が勝手にしたことです。そのお心がけだけ頂きます」 財布をルトヴィークの手に握らせて
ルトヴィーク
外からやってきて程ないからだろうか。鉄の様に冷えた手は、されるままに財布を下ろした。
「そう。……別にこれくらい気にしなくていいんだけどな」
アウラ
「……あたたかなスープなども摂ったらいかがですか?」 ルトヴィークの手とは対照的に綺麗で暖かな手はそのまま重ねられたままだ
ルトヴィーク
「別に。動けばいいから」 重ねられたままの手を一瞥して、疑問符を浮かべ 「なに、これ」
アウラ
「…失礼しました」 とても冷たかったから、反射的に温めようとしていたのだった
手を離して 膝の上に置く
ルトヴィーク
「……」 戻した手へとじっと視線を向けながら 「いや、何だったんだ」
アウラ
「お財布をしまって頂こうと思ったら、あまりにも冷たい手だったもので」
「つい、温めようとしてしまったのです」 困ったように笑って 「気に障りましたか」
ルトヴィーク
「だったら、さっさと離せば――」 いいだろ。冷たかったんだろう。そう続けようとして、続いた言葉に動きを止めて
「……一つめ。なんで?」 アウラの手を示して、先程の分の質問という様に
アウラ
「何故、ですか」 ふむ、と考えて 「弟や妹の事を思い出したから、かもしれませんわね」
「冷たくなっていた手は、温めたくなってしまうもので。私は手が人より少し暖かいそうなので、冬はよく握ってあげたものです」
ルトヴィーク
その言葉に、既に深く浮かべられていた眉間の皺がより深まっていく。思い出されるのは、少し前、子供と出会った依頼だ。
「……事情はわかった、けど」 「あんたほど"がき"じゃない」
アウラ
「……」 じ、と見て 「そうでしょうか」 その言葉にはそうは思えないという言葉がありありと見える
ルトヴィーク
「……」 「多分」 たぶん。
アウラ
「……」言葉を濁した事に苦笑を浮かべて
「おいくつなのですか」
ルトヴィーク
「……」 頭を掻いて、トーストを一口。
「……21?」 あまりに曖昧に答えて、そっちは、と言わんばかりに視線を向ける。
アウラ
「……」 年齢を聞いて、片眉が上がる 「…女性に年齢の話はタブーですわよ?」 視線に関してはそう答えて
ルトヴィーク
「でも、聴いた」
「だろ?」
アウラ
「……奇妙なルールですわね」 
息を1つついて 「今年で17です。と言ってももうすぐ18ですが」
ルトヴィーク
「聴いたら答えるもの、――」 年齢を聞いて、ほら、と小さく漏らして
「言った通りだ」
アウラ
「正直に申し上げますと」 店員の1人を呼びつつ 「年下だとばかり」
温かい紅茶をポットで頼むと カップは二つと付け加える
ルトヴィーク
「だろうね」 トーストを食べ終えて 「……俺、いらないけど」
アウラ
「身体を冷やしたままにするのは良くありません」
「しっかり暖をとって下さいな」
ルトヴィーク
「動くんだから良い」 アウラの注文を受け取った店員に、取り下げようとして
アウラ
「年上なら」
ルトヴィーク
――……」 ピタリ、と止まる。
アウラ
「年下の気遣いを無碍にはしないと思うのですが──」 ちら、と見た
ルトヴィーク
「……」 小さく息を吐いて、どちらか解らず考えている店員には、ちょうだい、と声をかける。
アウラ
満足そうに1つ頷く
ルトヴィーク
「あんたは、……子ども、好きなのか」
弟と妹って言ってたけど、と続けながら
アウラ
「好きか嫌いかで言われれば好き、でしょうか」 小さく頷いて
ルトヴィーク
「煩いところが?」
アウラ
運ばれて来たティーポットを預かって、置かれたカップに紅茶を注ぐ
「ルトヴィーク様からすると、それだけの存在、なのですわね」 困ったように笑って どうぞ、と紅茶を置く
「可愛いものですわ。つい、甘やかしたくなるような」
ルトヴィーク
例も言わずに紅茶を手に取って 「なら、あんたからすると何なの」 興味を示した様に視線をカップからアウラへと。
アウラ
「慈しむもの。可愛がる相手。一緒に歌ってくれる子でしたら、尚いいと言ったところでしょうか」
ルトヴィーク
「慈しむ、って?」 
アウラ
「大切にする相手、という事です」
ルトヴィーク
「……大切にして、可愛がる」
アウラ
「そういうものですわ。そうして貰いましたから」
ルトヴィーク
「勝手にどっかにいって泣いたり、喚いたり」
「できないくせに色んなものばかり真似しようとしたり」
「……それなのに大切に? あんたもそうしてきて、大切にされたのか?」
アウラ
「……すべての人がそうあるとは思っていません。悲しい事ですが、そう扱われずに育った子ども、今の大人がいらっしゃるのも事実でしょう」
「ですが、私は幸福でした。幸福でしたから、自分の関わる範囲ではそうしたい。と思っているのです」
「子供が大人を真似するのは自然なことで、勝手にどこかに行こうとするのは自分が何者か知らないから」
「それを悪いと断じるのは、世界が狭いと言わざるを得ませんわね」
ルトヴィーク
「……」 どうやらこの女はそうだったらしい。そうでなかった自分には、今は理解ができそうにもない。
暫く口を閉ざしながら、鈍く、錆びついた思考を巡らせる。
思考も、記憶も巡った上で、やはりなにも理解が出来ない。彼女の言う、自分が何者なのかすらも、皆目見当もつかない。
アウラ
「4つ、でしょうか」 その思考の水面に石を投げ込むように明瞭な声が響いて
ルトヴィーク
ぱちり、と気付いた様に鉄色の視線が再度アウラを捉える。
アウラ
「今、私が質問に答えた回数ですわ」 いたずらっ子の笑みを浮かべる
ルトヴィーク
そこではじめて、間の抜けた顔を見せる。何を言っているのか、短く見積もっても4秒はかかったろうか。
バツが悪そうに視線を逸らして、頭をがし、と掻く。 「……そうかもね」
アウラ
「ルトヴィーク様は、どのような空が好きですか」 では、と話題を切り出すように
ルトヴィーク
問われれば、天井(そら)を見上げてみせて、
――……朝。太陽が、入ってくる前」
アウラ
「薄明の空ですか。深い藍色が、綺麗ですわね」頷いて 「星も浮かんでいて、冬などは空気が澄んでいてよく見えますわ」
ルトヴィーク
「それもだけど、静かなんだ。殺す音も殺される音もしなくて、……その時くらいは、確か」 そのまま、手を伸ばし
「好きだった、……と、思う」
アウラ
「……」 ふ、と微笑んで 「ご存知かどうかは、分かりませんが」
「静寂というのは、それも一つの音楽なのですわ」
「曲が始まって、1つも音を発せられないまま、終わる曲が実はあります」
ルトヴィーク
「……なんだそれ。そんなの聞かされて、満足するのか?」
アウラ
「解釈は様々ですわね。その曲が始まってからざわつく聴衆の声を演奏に見立てているとか」
「準備のために楽器が用意される音を演奏に見立てているとか」
「ただ、もしかしたら」
「静かにして、その時間を楽しむ……作曲家はそう意図してその曲を作ったのかもしれませんわね」
「観客が満足するかは、別としてですが」 ルトヴィークの言葉に答える様に、付け加えて
ルトヴィーク
「……俺は、でも」 アウラの説明を聞いて、また天井を見上げて
「それなら、――いいかな」
聞いてみても、とは口にはしなかったが、言外にそう示して 受け取った紅茶を一口飲んで、静かにそのカップに手を当てて見せた。
アウラ
「差し引きは結局4つですわね」 ふふ、と笑って 「次は何を質問いたしましょうか」
その言葉に、1つ頷いて
ルトヴィーク
む、と眉を顰め――る、というよりも、先程から長らく眉には皺が浮かんでいるのだが。
とはいえ、それを拒もうとはしない。自分から提示したものだからかは、解らないが。
アウラ
「ただ、深い質問はしたくありませんし」
「持ち越し……いわゆる貸しというものにしておきましょうか」
ルトヴィーク
「貸し。……どういう事? 仕事でも?」
アウラ
「今質問してしまうと、深い事を聞いてしまいそうなので」
「またお話する機会に使う、ということですわ」
「お仕事で返してくださるのも良いのですが」
ルトヴィーク
「それまで、あんたの名前が消えてなかったらね」 紅茶を一口運んで
アウラ
「ああ」
「1つ使いましょうか」 少し、悪い顔をして
「私の名前はなんでしたか?」
ルトヴィーク
む、と今度は口元まで不満そうになって
――おぼえてないよ」 普段通りとは異なる。不機嫌そうに、そう答えた。
アウラ
「アウローラですわ」 
ルトヴィーク
「そう」 「すぐに消える名前だ」
アウラ
「では二つ目」
「私の名前はなんでしたか?」 ふふ、と笑って
ルトヴィーク
「……遣わないんじゃ、」 そこまで言って、意図を理解して
「……」 とん、と席を立って 代金をカウンターに置き
アウラ
「ルール違反ではなくて?」 立ち上がった姿に声をかける
ルトヴィーク
その言葉に被せる様に口を開いて 「アウローラ、フォン……」 そこでつまると、頭を掻いて
「……忘れた」 振り向いて、これでいいか、と続けて
アウラ
「アウローラ・フォン・デーニッツ。ですわ」 囁くような声で 
「ええ、今回はそれで良しといたしましょう」 満足そうに頷いた
「あと二つですわね」 
「次の機会を楽しみにしていますわ。ごきげんよう、ルトヴィーク様」
ルトヴィーク
肩を竦めて、満足そうにしたアウラへと不満そうにしてみせて
ほんの僅かだけ、目を細める。口にするのを躊躇う様に咳払いを一つすると、背を向ける。
アウラ
すまし顔で紅茶を口にしている
ルトヴィーク
「覚えたから、精々消えない様にしたら」 アウラへと向けた言葉、というよりは独り言のように呟いて
照れ隠しをするときの子供の様に足早に、上階へと続く階段へと歩を進めていった。
アウラ
「──」 ふふ、と その姿にひとり満足そうに頷いて 帰るまでの間、少女は上機嫌な様子でカウンターで過ごして居たようだ 
アウラ
こんなところでしょうか
ルトヴィーク
やなやつ。
アウラ
私は権利を行使しただけですわ
それに、憶えているのに忘れたというのは不誠実ですわ
そうでしょう?
自分で作ったルールは守らなくてはいけませんわね
ルトヴィーク
さあ。そうかもね
アウラ
あと二つです
では、ごきげんよう。またの機会を楽しみにしています
ルトヴィーク
性悪……
アウラ
)))
SYSTEM
アウラが退室しました。
 
 
 
 
ルトヴィーク
自室へと戻り、荷物を放る。
失敗したな、とぼんやりと思考を巡らせて
覚えてしまった、一つの音をぼんやりと頭の中で打ち鳴らして
はたと思いついたように、机へと向かうと何かを記す。
その音を、確かに懐に忍ばせて
寝台に転がり、眼を伏せるとまた響き始めた悲鳴(おんがく)に身を任せて、沈みこんでいった。
SYSTEM
ルトヴィークが退室しました。
背景
BGM