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グルニカの里

現行ログ

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リコリスが入室しました
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レイフェルが入室しました
リコリス
そうよ。
レイフェル
来てくれてありがとう
リコリス
私から頼んだことだわ。
レイフェル
それじゃあ描写していくね
リコリス
ええ。
 
 
 
 
 
 
 
ディニスでの戦いを終えて、イルスファールへと帰還して 更にそこから数日
レイフェルは右半身に残る傷の加療と約束を果たすためにリコリスを伴って 自分の故郷 グルニカの里へと帰郷することを決めた
https://sw.tale.blue/p/?plugin=attach&refer=world%2Fliam-region&openfile=LiamMap020321.jpg" target="_blank">https://sw.tale.blue/p/?plugin=attach&refer=world%2Fliam-region&openfile=LiamMap020321.jpg
ヴァンスまで列車で揺られ、ニデア山脈の方へと北上していく ユスの森の一部から少し離れた、少し山を登った場所
そこがグルニカの里なのだと、レイフェルは語った
レイフェル
「何もないし、口伝ばっかり煩いし、見るところはそんなにないとは思うんだけど」
リコリス
「人が居て、植物があれば、見るものはあるわ」
レイフェル
程々には動かせるようになっている右手で頬をかいて
「森が近いからね、植物は色々あるよ」
 
今は、そのグルニカの里を目指して北上している最中 ユスの森を遠目に見て歩いているところ
「木の実とったり、山菜とったりね。狩りに参加させてもらうまではそういうの手伝うことが多かったかな」
レイフェル
「木の実とったり、山菜とったりね。狩りに参加させてもらうまではそういうの手伝うことが多かったかな」
リコリス
薄手のシャツの上に、臍を出した黒のジャケットを着込み、下にはホットパンツを身に着けている。
レイフェルの横を歩きながら、きょろきょろとこの辺りの植生でも見ようとしているのか、あたりを見回している。
「採れるものには事欠かなさそうだわ」
レイフェル
「あっちには、タラの芽とかが植わってたかな……ちょっとよく思い出せないや」 指差しつつ教えて 苦笑する
服装はリコリスと似たもので 臍は出ていない 違いと言えば、耳を隠すようにキャスケットをかぶっているところだろうか
リコリス
「ふぅん……いつ頃まで居たの、この辺りに」
レイフェル
「山菜採りは小さな頃だからね。成人するまでは里は出てないんだ」
「狩りに参加してからは、ユスの森の方に行くことが多かったから」
レイフェル
https://www.youtube.com/watch?v=A2AcNCu3A6U" target="_blank">https://www.youtube.com/watch?v=A2AcNCu3A6U BGMです
レイフェル
「シータと話したときに言ったけど、最初は剣じゃなかった…というか、剣で狩りに参加したことはないんだ」
リコリス
「そう。みんな狩りの方が好きなのね」 そんな感想を漏らすと、すたすたと手近な草むらに分け入っていって、しゃがみ込んでなにかを採取し始めた。
リコリス
くろのくろすだわ
レイフェル
「……何か見つけた?」 一緒にしゃがみこんで
リコリス
「あまり見掛けないものがあったから」 引っこ抜いた草の根の土を払うと、小さな口でかじりついた。
「弓でも使ってたの?」
レイフェル
「主に狩りで生計立ててるからね……ユスは獲物が豊かだから」
「ううん、投擲術。大型のやつには参加させてもらえないから、野うさぎとかをね」
「……」 ふふ、と齧る様子に笑って 立ち上がって近くの木から葉を一枚ちぎると
「~♪」 草笛を演奏する
リコリス
「そう」 咀嚼した後、それを呑み込む。表情にまったく変化がない辺り、可もなく不可もなくだったのだろう。 「剣は使わせてもらえなかったのね」
「上手いのね。子供の頃に教わったの?」
レイフェル
「……やってみる?」 葉を差し出して 「剣は男の子にしか教えてもらえないから、その訓練を草笛で遊んでるふりして見てたの」  
「お父さんから教えてもらったかな」
草笛は、と
リコリス
「馬鹿だわ。レイフェルの故郷の人間たちは」 葉っぱを受け取ると、それを様々な角度から矯めつ眇めつ……
レイフェル
「そういう決まりだもん。仕方なかったよ」 馬鹿だわという表現には少し笑って
リコリス
ややあってそれを口に当てると、器用に音を奏で始めた。
レイフェル
「…‥わ、すごいね」
「初めてだと思ったのに」
リコリス
「決まりだからと、才能のある子に教えないのは馬鹿だわ」
「初めてよ、やったのは。見たことはあったけど」
レイフェル
「誰のを見たの?」
リコリス
「誰だったかしら。多分、”葉”の誰かだとは思うけれど、覚えてないわ」
レイフェル
「そっか‥‥、でも"葉"の子たちでも、そういう事するんだね」
リコリス
「合図に使えるから」
「遊びじゃないわ、あの子たちにとっては」
レイフェル
「……そっか」
「やり方、わからないと思ったから教えるのを楽しみにしてたのに」 少し口をとがらせて
「あたしの数少ない、特技だから」
リコリス
「次は、ちょっと下手に吹くわ」 表情を変えることなくそう言うと、草笛に使った葉っぱを風に乗せて放って。
レイフェル
その後に、笑って見せて 「それじゃ、また進もうか」
「そういうのはいいよっ」もう、と 頬を膨らませて 
リコリス
こくりと頷くと、レイフェルの右側に立つ。 「教えたかったんでしょう?」
レイフェル
「うん…皆とね、リコリスと触れ合っていく中で、何をしてあげればいいかって話したことがあって」
「きっと、植物は薬の事ばかりだっただろうから、草笛を教えたり花冠作ってみたりしたらどうかって」
リコリス
「食べられるもの、食べられないもの。毒として使えるもの、当たった時にどうすればいいか。そういう事だって知ってるわ」
レイフェル
「アネットとかレイ達が案を出してくれたんだ」
「お見逸れしました……」 あはは、と笑って 「神官に説法解くみたいなもんだね」
リコリス
「そう。アネットはともかく、アンスレイは半分くらいアネットの意見に乗っかってるだけな感じだわ」
レイフェル
「レイは、しっかりと野伏的な観点から意見をくれたよ」
リコリス
「”葉”の命は軽いわ。何処で野垂れ死んだって、誰も困らない」
「でも、与えた役目は可能な限り果たさせなければいけないから、上も教えるのね」
「腐った枝葉は、存在する意味がないもの」
「草笛だの花冠だのは野伏云々じゃなくて、ただの子供の遊びだわ」
レイフェル
「…‥人はそういうものじゃないよ」右手でリコリスに触れて
「レイが出してくれたのは、どう、依存症と関わっていくか…で、離薬って言って、使っている薬をどんどん薄めていく手法なんだけどね」
「そういうもので脱却を目指すのも手じゃないかっていう話をしてくれたよ…あの時は、レイであってレイじゃなかったかもしれないけど」
リコリス
「”葉”は人じゃないから」 そういう扱いをされても彼らにとっては間違いではないと。
「それこそ、神官に説法ね。私がかんがえてないと思う?」
レイフェル
「……ううん」
「ただ、その」
困った様子で 「あたしも皆も、気にかけているよって…‥」 語尾がだんだん小さくなる
リコリス
「?」 横を向いて首を傾げる。 「どうしてそこで声が小さくなるの?」
レイフェル
「いや、うん…リコリスって自立してるなぁって…」
リコリス
「私は、”葉”で”花”で“草”。ひとりで何でもすることを求められたの」
「そうしている限り、私は自由に、自分の好きな事をして過ごせたから」
レイフェル
「……」 納得感とともに、自分の至らなさに少し顔が熱くなる 「……うう~ん…」 空回ってたかなぁ
リコリス
「でも、それとそこで声が小さくなるのは関係ないと思うわ」
「私が自立してることと、レイフェルが私を気にかけること。全然別の話よ」
レイフェル
「もっと何かしてあげなきゃって思ってたんだけど……そうじゃないんだなって」
「…‥何かしたいこと、の方に比重置いてもバチは当たらない、よね」
「そうだね…リコリスの言うとおりだ」
リコリス
「私は――」 顎に立てた指を当てて考える。 「そうね。レイフェルがしたいことをする方が、いいわ」
レイフェル
「今、まさに出来てるから、それはいいんだ」 嬉しそうに笑って
リコリス
「してほしい事は、伝えるわ。ここへ来たことみたいに」
レイフェル
「うん」
リコリス
「そう。レイフェルにとってもしたいことだったのね」
レイフェル
「リコリスとこうやって、過ごしたいって思ってたの」
「ちょっと、シグネさんとアネットが羨ましくて」
リコリス
「好きなだけ見せつけてやればいいわ。私たちの方が仲がいいって」
レイフェル
「いい機会だなって……そうだね」 また笑う
 
それから会話を続けながら暫く歩き 森を超え、山を登る少し前 
レイフェルは、足を止めて
山のある方向を向く
レイフェル
「──、ちょっと耳、塞いでて」
リコリス
「アネットより私の方が――」 レイフェルが足を止めると、あわせて足を止めた。
「?」 首をかしげつつも、指を耳に突っ込んだ。
レイフェル
獣変貌すると 大きく息を吸って
『ただいまぁあああああああ!!』
アオーン、と大きく一鳴きする
リコリス
「……」 びりびりと、塞いだ指越しに鼓膜が揺れる。
レイフェル
すると、山の方から似た音が返ってくる
変貌を解いて 「これでよしと…」 キャスケットをかぶり直す
リコリス
「……普通に里に入る時に挨拶するんじゃ駄目なの?」
レイフェル
「さ、ここから山道だよ」 「こうやって、予め言っとかないと、弓で狙われちゃうんだ」 困ったように
「あと、出迎えとかもあるしね」
リコリス
「……人を襲うの?」
レイフェル
「ううん。うちの里も他の里もなんだけど、長老達は人族を信用してないんだ」
「ライカンスロープと間違われて、襲われた経験があるんだって」
「だからイルスファールができたときも、すごい揉めたって言ってた」
リコリス
「ふぅん。じゃ、そのうち一人で来てみるわ」
レイフェル
「出入りの商人さんもリカントだし…‥やめてね?」
リコリス
「大丈夫よ。死なないわ」
レイフェル
「…いやそういう問題じゃなくて…」 苦笑して 「さ、行くよ」
手をつないで引いていく
「ところでアネットより、って言葉の続きはなんだったの?」
リコリス
「喧嘩を売ってくる方が悪いんだから別に気にしないでいいのに」 言いながらも、手を引かれて歩みを再開し、
「? ああ」
「床上手よ、って」
レイフェル
「と……」
「…と…」 真っ赤になって
リコリス
「年季が違うわ」
レイフェル
「いや、そうじゃなくて……もう」
リコリス
「……私、別におかしなことは言っていないと思うんだけど」
レイフェル
真っ赤になりながら、山道を登っていくと リコリスもレイフェルも気がつくが、少し上の方から見下ろすように同じ速度で歩く人影が見える
「サラリと言うから…」
リコリス
――」 気配に気付くと、歩く速度を緩めて。 「あれが迎え?」
レイフェル
「ううん。あれは見張り。まあ兼、迎えだね」
手を振って見せて
キャスケットを取る
「はい」 とリコリスにかぶせて
リコリス
ぽすっと被せられたキャスケット帽を見上げてから、手でそれを取って顔の前へ。
「…………」 すんすんと何度か匂いを嗅いだ後、満足そうにそれをしっかりと被った。
 
人影は片方が女性、片方が男性 ふたりとも似た色合いのポンチョを着ていて 狼のリカントであることがわかる
レイフェル
「……」 嗅がれた様子に照れたように笑って また手を引いていく
見張りたちとは里の入口でようやく合流し
リコリス
手を引かれながらも、山を下りてくる二人へ目を向け続けて、
レイフェル
歓迎を受けることになる
 
里は、山の斜面にある平面に形成されており、建物自体は40戸ほどもある広い村だ
先の尖った丸太を隙間なく立てて塀の様にし、入口は簡易的な関所のような様相だ
上にも見張りが居て 武器は所持しているがこちらには向けていない
やはり皆、ポンチョを着ている
そして狼のリカントだ
リコリス
「こんなところ、殆ど誰も来ないでしょうに」 厳重な警戒の様子を見ると、思わずぽつりと漏らした。
見張り
「──おかえり、メランの家のレイフ。そして今や里でいちばん有名なレイフよ」
レイフェル
「ただいま、サヌゥの家のホロさん」
リコリス
「……」 独特の名乗りに、レイフェルと見張りを交互に見やって
「レイフェルの家のリコリスよ」 真似をして見張りに名乗っておいた。
見張り
「頼りも寄越さず、両親は心配していたぞ……、ようこそ、レイフの友。グルニカの里へ……、?」
レイフェル
「あ、えーと……恋人、です」
リコリス
「そうよ」
見張り
「……そ、そうか」
「……ともあれ、歓迎しよう。お客人」
リカント達
ざわざわ
リコリス
こくりと頷き返す。
レイフェル
「……」 めっちゃ恥ずかしい 真っ赤である
 
君達はグルニカの里のリカント達から興味100%の視線を受けながら
グルニカの里へと入っていく
リコリス
ざわめきなど知ったことではないと言った様子でレイフェルの手を取って、 「案内して」
レイフェル
「あ、うんっ」
「ええとね・・・まずは家いこう」
レイフェル
こんなところで切ろうか
リコリス
ええ
続きはまたタイミングを見てね
レイフェル
また空いてる時に、うん
リコリス
それじゃあ、またその時に
お付き合いありがとう
レイフェル
退室はせずに このまま閉じる感じで
こちらこそありがとうー
リコリス
うん。
レイフェル
またね
リコリス
)))
レイフェル
)))
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GMステラが入室しました
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GMステラが入室しました
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GMステラが退室しました
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レイフェルが入室しました
!SYSTEM
リコリスが入室しました
リコリス
ここがあの女のハウスね……
レイフェル
そうよ
リコリス
そうよ
レイフェル
ご家族と遭遇するのと
族長への挨拶は考えてるけど
族長への挨拶はカットでもいい(特段2人に関わらなさそうだから
リコリス
とりあえず優先は家族ね
レイフェル
おっけー
そういえばBGMを設定できたりするんだったね…
リコリス
そうね
レイフェル
前のBGM開きに行ったら
スクエアの削除依頼で消えてた
リコリス
かわいそう
レイフェル
まあなしでいいね(ぽい
リコリス
ぽいぽい
レイフェル
それじゃあ描写していくね
よろしくお願いします
リコリス
よろしくね
 
 
 
 
レイフェルの故郷 リカントの集落であるグルニカの里に来たリコリス
ポンチョをまとうリカントたちがざわざわと様子を見に来て 
 
そして、木で組まれた家の一つに君たちはやってくる 流石に家族同士の会話を邪魔しようとは思わないのか、ザワつく群衆たちは少しずつ数を減らして家の前に来る頃には一人も居なくなっていた
レイフェル
「ごめんね…騒がしくて」 困ったように笑って
リコリス
「レイフェルの最初の挨拶が一番うるさかったわ」
レイフェル
「そ、そっかー……」
「ここがあたしの家…家族はお父さんとお母さんの二人」
リコリス
「ええ」 悪びれる様子もなく言いながら、じろじろと家の様子を眺め、
レイフェル
手で示して
リコリス
壁に近寄ると、すんすんと匂いを嗅いだ。 「レイフェルと同じ匂いがするわ」
レイフェル
「えっ」
「そ、そういうものかな…」 でも確かに他の人のお家ってそういうところある
「来て、リコリス」
リコリス
「今のレイフェルは、ここの匂いは大分薄くはなっているけれど」
「それでもレイフェルの匂いが――」 やはりもっと私の匂いを付けるべきでは……?
「ええ」 思考を中断すると、声に応じて近寄った。
レイフェル
「……、そうかも」 頷いて 「出てから、少し経ってるしね」
リコリスを呼び寄せると
家の扉をノックする
 
はーい、と 声がすると
簡素な扉が開いて 茶色い髪を流している、落ち着いた雰囲気のリカントの女性が出てくる
見た目としてはレイフェルのお姉さん、といっても通じそうだ
レイフェル
「ただいま、お母さん」
リコリス
「…………」 出てきた女とレイフェルを見比べて。
「似てるわ」
レイフェル母
「遠くからでも聞こえていたわ…元気そうで何よりよ、私のレイフ」
レイフェル
「ああうん・・・うるさいって言われたばっかり」 
リコリス
――…………」 ぴく、と眉が微かに動いた。
「違うわ、私のレイフェルよ」
レイフェル
「うん、お母さんだからね」
レイフェル母
「…?レイフェル、此方は?」
リコリス
「レイフェルのリコリスよ」
レイフェル
「……リコリス。ええと、あたしの、」
「あたしの大事な人…」
赤くなりつつ言って
レイフェル母
「………」 若干ぽかんとして
「あらあらまあまあ…いらっしゃい」
リコリス
表情は変えないまま、レイフェルの腕を抱きつくように取った。
レイフェル母
「アセナン、アセナン・メランよ。レイフェルの母親なの」
リコリス
「お母さん、母親……」
アセナン
「お父さーん、私達のレイフが相手を連れてきたわよー」
レイフェル
「……、」 あうあうあう 恥ずかしい
リコリス
「父親……」 
レイフェル
「……どうかした?」
 
だだだだっ と駆け足の足音が聞こえてきて
リコリス
はっきりと口にしてはいなかったかもしれないが、レイフェルの故郷を訪れたいと頼んだのは、レイフェルの“根”を知るためだった。
コルン
「娘を持っていくのは、10年早ー……い?」
リコリス
「ううん。よく見ておこうと思って」
コルン
「どこだ、男は居ないじゃないか母さん」
リコリス
「勝手に持っていくわ。何年早くても」
コルン
目元や鼻筋などがレイフェルそっくりの男性がキョロキョロする
「えっ」
アセナン
「此方のリコリスちゃんがレイフェルの良い人なんだってさ」
リコリス
「リコリスよ。レイフェルのリコリス。あとレイフェルは私のよ」
コルン
「………、」 ついていけてないのかリコリスを見てフリーズする
レイフェル
「ただいまお父さん……大丈夫?」
リコリス
「レイフェルのお父さんなのに、意外と普通なのね」
コルン
「……あー、アー…‥うん、大丈夫だ、僕は冷静、冷静に考えてる」
「考えてるけどちょっと現実が直視できない…」
レイフェル
「……、あはは」
「と言うか、意外と普通ってどういう…」
リコリス
「? レイフェルはおかしいという意味よ」
アセナン
「ほら、ご挨拶」
コルン
「あ、ああ・・・コルン、コルン・メランだ。よろしく」
レイフェル
「……、おかしいって」 傷つくなぁ でも否定できないやぁ
リコリス
――今日は二人に会うために来たの。よろしくね」
アセナン
「あらあらまあまあ」
「ありがとうね、ゆっくりしていってちょうだい」
「ほら、お父さん、狩りに行ってきて、猪をよろしくね」
コルン
「……うん、少し時間が必要だ、行ってこよう」
リコリス
「手伝いましょうか? 狩りは得意よ」
コルン
腰の短剣をくる、くると宙で回すとキャッチして
「いや結構、君は客人だしね」
リコリス
「そう。じゃあ頑張って」
コルン
「もてなすのは家主の責務だ」
「それじゃあ行ってくる」
レイフェル
「気をつけてねー」
コルン
肩にロープを掛けると 投擲用のハチェットなどを身に着けてその場から立ち去っていく
レイフェル
「投擲術の名手なの」
リコリス
じーっとその背を見送って。 「レイフェルの方が上手そうだわ」
レイフェル
「あたしのナイフ投げとか飛来する投刃の弾道予測はお父さん仕込み」
「どうだろうなー、まだ勝てるかどうか」
リコリス
「そう。レイフェルより……」
「後で試してみましょうか」
アセナン
「さ、中に入って」
レイフェル
「だ、だめだよ?」 
リコリス
「ええ」 頷くと、遠慮した様子もなくアセナンの脇を通り抜けて、すんすんと中の匂いを嗅ぐ。
「駄目なの?」
アセナン
「ベッドは出来てるんだけど、……まあ、女の子2人だったら大丈夫ね」
レイフェル
「だーめ、その後近接戦に入りそうになるでしょ…」
リコリス
「もちろんよ」 それも見なきゃ駄目に決まってるじゃない。
アセナン
「お昼は食べたかしら、出来合いのもので良ければすぐ出せるのだけれど」
リコリス
「? ベッドを分ける理由がある?」
首を横に振る。 「まだよ」
アセナン
「あらあら、余計な事を言っちゃったわね」 ふふ、と笑って 「ええ、この子の部屋を2人で使ってちょうだい」
レイフェル
「お、お母さんっ、リコリスっ」
リコリス
「言われなくてもそのつもりよ。レイフェルの部屋に私の匂いをつけておかないと」
アセナン
「じゃあ温めてくるから、少し時間を頂戴ね」
レイフェル
「……もう」
リコリス
こくりと頷いた。
アセナン
フサフサの尻尾を揺らしながら キッチンに入っていく
リコリス
「尻尾も似てるわ」
アセナン
暖炉が一つ、4人がけのテーブルと椅子セット カーペット 後は剥製などが幾つか並んでいる
目を引くのは、コルンが使っているものとは思えない刀剣類が壁にかけてあるところだろうか
レイフェル
「そうかも。お母さんの尻尾は本当にふかふかしてるから」
頷いて笑って
リコリス
「レイフェルの尻尾も気持ちいいもの」
――あの剣は、レイフェルのもの?」
レイフェル
「‥それは良かった」 えへへ、と笑って
「ううん、おじいちゃんとおばあちゃん、ひいおじいちゃんのだって」
リコリス
「ふぅん……。何処にいるの?」
レイフェル
「3人共、蛮族と、それから人族同士の諍いで死んじゃったって」
リコリス
「そう。レイフェルみたいに帰っては来なかったのね」
レイフェル
「うん。持ち帰れたのがあれだけなんだって」
「お父さんが小さい頃になくなっちゃってるから、……あたしもよくはしらないんだけど」
リコリス
「じゃあ、剣は誰に教わったの」
レイフェル
「ええとね…」
「見よう見まね……」
リコリス
「誰を見て真似したの?」
レイフェル
「あたしね、狩りに加わったときも最初、投刃からだったの」
「族長かな。男の子達はみんな剣の振り方とか全部教えてもらえるんだけど、あたし女の子だから剣術はダメだって言われて」
「でも……昔から剣の光が好きでさ」
リコリス
「女の子は駄目だみたいに言われたという話は、聞いた気がするわね」
レイフェル
「離れてる場所で隠れて見て、重ための木の枝で練習して」
「狩りのときに実践して、それで狩人の人たちから少しずつ教えてもらったのがあたしの剣の始まりかな」
「だからちゃんとした剣術の基礎みたいなのはなくて、」
「街に出る理由は、きちんとした剣術を学ぼうとして、だったんだよね」
「でもそういう機会がないままに、見て、イメージして、身体を追いつかせてってやってたら」
リコリス
「才能があったのね。祖父母から遺伝したのかしら」
レイフェル
「いつの間にか教えて欲しいって言われる側になっちゃって困っちゃった」
リコリス
「世の中の剣士の多くは、今の言葉を聞いたらひどく嫉妬するでしょうね」
レイフェル
「そう、なのかなぁ……里のお爺さんお婆さんにはおばあちゃんによく似てるって言われたことはあるけど…」
「…かもね、でも、そうなんだからどうにも」 困ったように笑って
リコリス
「姿は知らないわ。似ていても似ていなくてもどうでもいいし」
レイフェル
「でもね…‥ちょっと不思議なんだけど」
リコリス
「何?」
レイフェル
「いつから剣が好きだったかは……覚えてないんだよね」
「いつの間にか、好きだった……から、何が理由か、今思うとよく分からなくて」
リコリス
「物心付いた時には、ということかしら」
レイフェル
「……かなぁ」 うーん
アセナン
「はーい、お待たせ。野兎のシチューよ」 鍋を持ってきて
木製の器によそっていく
リコリス
「でも、別に好きになることに必ず理由があるわけでもないと思う」
アセナン
「レイフェル、一応、部屋の確認してきて頂戴、流石に1日2日じゃ帰らないでしょう?」
リコリス
鍋からよそわれるシチューを目で追いつつ。
レイフェル
「…‥そうだね、そうかも」 「うん、ちょっと先に確認してくるね」
リコリス
「レイフェルの好きな所はたくさんあるけれど、どうしてレイフェルを好きなのかと言われたら、レイフェルだからと答えるし」
レイフェル
「リコリス、来る?後でもう一度案内しようとは思うけど」
「……、ありがと」 赤くなって
リコリス
「行くわ。でも、手短にね」
レイフェル
「じゃあこっち」
リコリス
「冷めたらアセナンが可哀想だわ」
レイフェルの手をつかむと、引かれるがままについていく。
アセナン
「配膳はしておくから大丈夫よ。サラダも用意しなきゃだしね」
行ってらっしゃいと見送って
レイフェル
その部屋は子供部屋としては少し広くて
ベッドも娘の成長に合わせて大きなものに切り替わっているのか、2人で眠るには十分な大きさがある
リコリス
――レイフェルの匂いがする」
レイフェル
窓があり、カーテンがかかっていて 陽光を取り入れる天窓などもある 机と椅子 それから部屋のあちこちに刃で傷つけたてしまった跡などが見て取れて
リコリス
部屋に入れば、すんすんと鼻を動かし、移動してはまた匂いを嗅ぎ……
レイフェル
女の子らしい小物などは殆どなく、男の子の部屋だと言われても納得する人はいるかもしれない
リコリス
ぽすん、と最後にベッドにうつ伏せになるように倒れ込んだ。
レイフェル
「うん、ベッドは大丈夫そう…綿も入れ替えてくれてるみたい」
その様子を見て笑って
リコリス
「ここなら眠れそうだわ」
レイフェル
「少しぶりだからなぁ……それは何より」
箪笥には狩りに使う衣服や革鎧があって、どれも野暮ったい感じがある
「流石にこっちにはもう袖を通せなさそう…」 ずいぶんと自分の服装も変わったものだなぁ
リコリス
「………………」 ベッドにうつ伏せになったまま、顔を動かしてレイフェルの視線を追う。
「土臭い、田舎臭い、というのかしら、そういうのは」
レイフェル
「街に出たときはこういう服だったよ」
リコリス
「目立ったでしょうね、とても」
レイフェル
「……、リコリスと会わなければまだ着てたかも」
「そ、そうかなぁ…」
リコリス
――客の好みにもよるところはあったけれど、私たちは、街に行く時は着飾られることが多かったわ」
レイフェル
「あの頃はあんまり自信もなかったから目立つというよりは見向きもされてないような」
リコリス
「そちらの方が目立たないから」
レイフェル
「……なるほどねぇ、でも」
「リコリスはちゃんとしたの着てたほうが綺麗だし自然なのはそうだね」
リコリス
「レイフェルも人目は引いていたと思うわ。手を出す奴がいれば殺すけれど」
レイフェル
「そ、そうかなぁ…、リコリスに喜んでもらえれば、あたしには十分なんだけど…」
リコリス
「そうね。特に私は、良い物ばかりを与えられていた方だし」
レイフェル
ベッドに手をついて腰を掛けて
リコリス
「元々そうだけれど、今のレイフェルは前より女の子らしくなったから。街で貴女に視線を送る人間は多くなったわ」
レイフェル
「……、あんまり気が付かなかった、殺気とかには敏感になってるんだけど、」
「そういう視線はあんまり…」 頓着がない
リコリス
まあ、そういう奴には例外なく私のものだ手を出したら殺すと言わんばかりの視線を返しているのだが。
「気が付かなくていいのよ。全部追い返しているから、私が」
レイフェル
「ありがと」 笑って
「この部屋とも結構付き合いが長くてね」
リコリス
「街に出るまではずっとなんでしょう」
レイフェル
「少し寝たきりだったことがあって」
「10歳くらいの頃かな、里を出ようとして、落ちて怪我したことがあるんだ」
リコリス
「ふぅん……」
レイフェル
「結構重たい怪我で、長く動けなくて、」 天窓を見上げて
「もう外に出れないのかなぁとか、考えてたこともあったっけ」
「まあ、それでもこうして冒険者になっちゃってる辺り、」
リコリス
身体を起こすと、ぺたぺたとレイフェルの身体を触り始めた。 「残っていないの、怪我」
レイフェル
「リコリスの言うおかしいっていうのはそこから来てるのかもね」
「背中に確かあるって聞いたけどよく見たことはないんだよね」
リコリス
「そう。次はよく見ておく」
レイフェル
「あんまり見ないでよー」
リコリス
「レイフェルがおかしいのは、昔からなのね」
「イヤよ。見るわ」
レイフェル
「うん、そんな大きな怪我をしたのに、結局、自分の思うままに飛び出しちゃってるからね」
「分かった分かった…」
リコリス
「その上私相手に文字通り決死の一太刀だもの。普通じゃないわ」
レイフェル
「まあ、でも」
「少し申し訳ない気はしてる」
リコリス
「なにが?」
レイフェル
「"知恵の狼"、あたしの名前、レイフってそういう意味があるフレーズなんだ」
リコリス
「知恵の狼……」
レイフェル
「"四狼詩"っていう、里に伝わる口伝の伝承に出てくる狼の一頭なんだけどね」
「まあ、結構すごい話なんだよ、めちゃくちゃ長いのもそうなんだけど」
「神様の時代にまで遡るからね」
リコリス
「この里、そんなに昔からあるの?」
レイフェル
「あるわけない」 苦笑して
リコリス
「じゃあ作り話なのね」
レイフェル
「だから里が出来る前からある話だし、作り話だとあたしも思ってる」
「だって世界の東西南北に大狼がいるって話から始まるんだもん」
「四狼詩なのに出てくる狼100匹超えてるらしいし」
リコリス
「知恵の狼は、その4匹のうちの1匹?」
レイフェル
「割りと付け足し感はある。いとこが大好きで全部そらで言えるみたいなんだけどね」
「ううん、世界を作ったのが東西南北の四狼で」
「知恵の狼が出てくるのはね、キルヒアのカルディア探索から」
「キルヒアの友人であったレイフは、カルディアの探索に共に旅立って、」
「そして彼が剣を見つけて謎掛けを解いてる間、ずっと守り続けて、」
「賢明な友助けた、賢き獣、という書かれ方してたかな」
「書かれ方?言われ方」
リコリス
「レイフェルとは似ても似つかないわね」
レイフェル
「だからきっと、友達を助ける気持ちを持った、賢い子に育って欲しいっていう」
「そういう名付けだったと思うんだよね……それ言わないで、気にしてるから」
リコリス
「どうして? レイフェルの方がずっと素敵だという意味よ」
レイフェル
「…ありがと、どういうところで素敵なの?」
リコリス
「私を夢中にさせてくれたから」
レイフェル
「…飽きさせないからね」
リコリス
「ただ頭がいい、賢いだけじゃ面白くもなんともないわ」
レイフェル
「少し元気出た……部屋に居ると色々と思い出しちゃうね、」 よいしょ、と立ち上がって
「ご飯食べに戻ろっか」
リコリスに手を差し伸べて
リコリス
「理屈で考えれば分かるようなことばかり、理に適ったことばかりしているばかりでは、驚きがないもの」
躊躇なく手を取って立ち上がる。
 
2人でリビングに戻ると アセナンが配膳を終わらせていて
アセナン
「おかえり、どうだった?」
リコリス
「レイフェルの匂いがしたわ」
レイフェル
「うん、大丈夫。ありがとうお母さん」
アセナン
「あの子の匂いがするのは分かるわ」 頷いて 「さあ、食べて食べて」
 
葉野菜のサラダ、黒麦パン、シチューとチーズが並んでいて
リコリス
「いつも空いている席はどこ?」
レイフェル
「お母さんの料理久しぶり」
リコリス
4人掛けで3人なら、定位置があるだろうと尋ねた。
アセナン
「私とお父さんが部屋の奥側、手前側、お父さんの前にレイフェルがいたかしらね」
「だから私の前が空いてるわ、リコリス」
リコリス
「わかったわ」 言われた席にちょこんと座って。
アセナン
「お口に合いますように」
レイフェル
「いただきまーす」
リコリス
「いただきます」 レイフェルを真似て言うと、サラダから手を付け始めた。
レイフェル
「今日からそこがリコリスの位置だね」 と笑って
リコリス
「そうね」
アセナン
「それはどうかしらねぇ」
リコリス
むぐむぐと口を小さく動かして咀嚼する。相変わらず味は殆ど感じない。
レイフェル
「え、どういうこと?」
リコリス
「?」 最初に口に入れた分を飲み込むと、首をかしげて。
アセナン
「レイフェル、里のしきたりは覚えてるでしょう?」
「番を持ったら家を持つ」
「大事な人ということで連れてきたなら、族長に挨拶して家を貰わないといけないわ、貴方」
レイフェル
「あー・・・」
リコリス
「家」
「この里に?」
アセナン
「ええ」
リコリス
「でも私たちは街で暮らしているわ」
アセナン
「まあ、貴方達に定住しろってことじゃなくて」
「レイフェルが里の中でも一人前に認められるための儀礼みたいなものね」
リコリス
「そう。まだ一人前と認められていないのね」
レイフェル
「まあ……、あたしがお嫁さんになるかしないとだったからね」
「相手が居ないと一人前扱いしてもらえなくて、成人前の年齢でも結婚相手が居たら成人だったりするからね」
うちの里、と
リコリス
「剣の腕だけでは駄目なのね」
アセナン
「まあ狩りとかで貢献してると、」
「そのうち相手がつけられて、みたいな感じで一人前扱いになる人は居るわね」
リコリス
「そう……。レイフェルがそんな風に認められていなくてよかったわ」 そうなっていたらそいつを殺さなくちゃいけないところだった。
パンを千切ると、シチューにつけて口へと運ぶ。
レイフェル
「……、じゃあとりあえず筋は通しておかないとだめかー…」
アセナン
「まあリカントじゃないけれど、」
リコリス
「どちらにせよ、里の全員にレイフェルは私のだと主張するつもりよ」
アセナン
「お母さん、レイフェルに相手ができて嬉しいわ」
レイフェル
「もうした、もうしてたから」
リコリス
「あまり性別は気にしていないのね、アセナンは」
「まだ全員じゃないわ」
アセナン
「びっくりはしたけれどね、後孫の顔が見れないのが残念なくらいかしら」
「…この子に釣り合う人が、現れてくれたんだものね」 安心するようにリコリスを見て
レイフェル
「…言い方‥」
リコリス
「考えたことないけれど、どうにかする方法は何処かにはあるわ、子供」
「レイフェルは素敵な女の子よ。とてもかわいいの」
アセナン
「じゃあ尚更安心ね」 ふふ
レイフェル
「……嬉しいんだけどお母さんの前だから恥ずかしいよ‥」
アセナン
「あらあら、そうねぇ、ずいぶんと女の子らしくなったものねぇ」
リコリス
「でもアセナンは喜んでいるわ」
レイフェル
「そうだけど」
「恥ずかしいんだってば…」
アセナン
「昔は可愛い服を買っても着なくてね」
リコリス
シチューをスプーンで掬って、一口。 「部屋にあるものも、女らしくないものばかりだったわ」
アセナン
「剣振るときに動きにくいから邪魔っ!って怒られちゃって」
リコリス
「反抗的だったのね。今はこんなに素直なのに」
アセナン
「そうそう、刺繍も押し花も料理も長続きしなくてねぇ」
「反抗的というか」 んー、と
「それ以外目に入ってないって感じかしらね」
リコリス
「成る程……」
レイフェル
「……」 恥ずかしいんだってば
リコリス
「一途なのは変わってないわ、今も」
アセナン
「うん、身体動かすのは好きだったしねぇ、投刃も結構飲み込み早かったし、ただ剣をーって言い始めたのは」
「あのことがあってからかしらね」
レイフェル
「あのこと…?」
リコリス
「レイフェル自身は覚えていないようだったけれど」
「何か切欠があったの?」
アセナン
「覚えてないんでしょ、貴方が里から出ようとして、山肌から落ちた後よ」
レイフェル
「……」 覚えてない
アセナン
「すごい綺麗なものを見たって、貴方うわ言で言ってたのよ」
「見つけたときは血がすごく出てたそうなんだけど、誰かが触れた跡があったんだって」
リコリス
「ふぅん……」
アセナン
「だから落ちた先で何かを見て……その後からかしらね」
レイフェル
「……思い出せない…」
アセナン
「まあそりゃその後に聞いても何のこと?って顔してたものね貴方」
くすくす笑って
リコリス
「誰かに助けてもらったのね」
「その人が剣でも持っていたのかしら」
アセナン
「でもしばらく寝たきりで、傷が完全に癒えてから、剣術の真似事を始めたのはそうよ」
「かもしれないわねぇ」
リコリス
――でも」 兎の肉を口の中に放り込んで、しばらく噛んでから飲み込むと。 「思い出さなくていいわ」
レイフェル
「…まあ、そうだね」
「あんまり今とは関係なさそう」 笑って 食事を続ける
リコリス
「私以外の相手に気を向けたら駄目よ」
レイフェル
「分かってるって」
リコリス
「わかっているならいいわ」
レイフェル
「とりあえず午後、里長が空いてそうなら紹介しに行こっか」
「それで新しい家…、貰っても困っちゃうよね、あたし家事そんなに出来ないし…」
リコリス
「ええ。その後は里の全員に知らせにいくわ」
レイフェル
「分かった分かった…付き合うから…」
リコリス
「貰いましょう。レイフェルが私のものだと知らせられるなら」
「私たちは頻繁に此処には来ないから、手入れをする人間は必要だけれど」
レイフェル
「付き合うから……しばらく里でゆっくりしようね」
リコリス
「滞在中の家事くらいは出来るわ、私が」
アセナン
「それは大丈夫、私がやるから」
<不在中の手入れ
リコリス
「ですって」
レイフェル
「……あたしも家事覚える」
リコリス
「ちゃんとしばらくは滞在するつもりよ。私、目的があって来たんだもの」
レイフェル
「目的?」
リコリス
「ええ。レイフェルの根を知ること。貴女がどういう両親の元に生まれて、どんな環境で、どんな風に育ってきたのか」
レイフェル
「じゃあ・・・それに納得するまでは、居ようね」
アセナン
「それ以降もいつでも来ていいのよ」 くすくす笑って
「此処は貴方の故郷なんだから」
リコリス
「私の故郷――
「……私にも、両親はいるのかしら」 
アセナン
「レイフェルの相手ということは、貴方にとってもそうよ」 と笑って
「……少なくとも、」
「お父さんと私は貴方の義理ではあるけど両親になるわ、貴方のご両親とも会えれば、挨拶に行きたいわね」
レイフェル
「そうだね……、リコリスはもう、家族だよ」
リコリス
「両親のことは、何も知らないから。いるのかどうか、尋ねようと思ったことすらないわ」
「けれど」
「私にもそういうものが存在しているのなら、どういう人間なのかは、少しだけ興味が湧いてきたかもしれない」
レイフェル
「…そっか」
「あたしも、興味あるな」
「リコリスの、根に」
リコリス
「ええ。私はレイフェルのものだから、レイフェルには知っておく義務があるわ」
レイフェル
「思い出したり、気がついたら言って」
「覚えるから」
リコリス
――…………」 少し考えるような様子を見せて。 「ええ」 やや間を置いてから頷きを返した。
レイフェル
「とりあえず食事片付けよっか」
リコリス
「そうね」
アセナン
「うんうん、しっかりお上がんなさい」
レイフェル
というところで今日は切っておこっか
リコリス
そうね
レイフェル
近いうちにまた声かけるから
リコリス
ちょうどいいところだわ
レイフェル
ゆっくりやろやろ
リコリス
ええ
レイフェル
うん
リコリス
それじゃあまたその時にね
レイフェル
うん。またね
リコリス
お疲れ様。
レイフェル
お疲れ様ー
背景
BGM